今回は、170万人の登録者を抱えるYouTubeチャンネルを運営する会社でマネジャーを務める大橋優奈さんをお招きしました。
これまでに自身の意志で選んできた進路とキャリア、生き方・働き方の上で大事にしていることなどについて伺います。
個性あるメンバーと会社が力を発揮できるように支える
–現在の仕事内容を教えてください。
170万人の登録者を抱えるYouTubeチャンネル「SUSURU TV.」を運営する会社でマネジャー業務を行っています。具体的な内容はクリエイターのサポート業務を中心に、案件などの進行管理やイベント開催時には営業をするなど、多岐に渡る業務と各関係者とのハブとなる役割をしています。
長崎の五島列島に移住した後に携わっているので、主にリモートワークです。
YouTube:https://www.youtube.com/@SUSURUTV
X:https://twitter.com/susuru_tv
–やりがいを感じる場面はありますか。
個性のあるクリエイター、スキルの高いメンバーとともに仕事をする機会が多いです。
私自身はメンバーが活きる環境を作れるように、メンバーと会社内外の方をつなぐ役割を意識しています。双方の意見を汲み取り、それぞれの立場を理解しながら関わることで、強みが活かされて物事がうまくいった時にやりがいを感じます。
–現在の仕事を始めた経緯を教えてください。
五島列島へ移住後に勤め始めた会社があり、その会社で一緒に仕事をしていた方がYouTubeチャンネルを運営する今の会社に携わることになりました。その後、営業チーム拡大のため私もサポートメンバーとして加わり始め、次第に自分のもとへ仕事が引き継がれ、関わる割合が増えていきました。
最初の1年は業務についていくことで精一杯で、リモートで参加していることもあって馴染むまで時間はかかりました。今ではやりがいを感じて関わることができていて、直接会ってコミュニケーションをとったり、一緒にラーメンを食べに行ったりすることで関係者の想いを同期できるように意識しています。
音楽、インターン、学生団体…挑戦を続けた学生時代
–子ども時代のご自身のことで覚えていることはありますか。
生まれ育った地域では、一緒にレクリエーションやキャンプなどの活動に取り組むコミュニティがありました。私は小学生から参加し、さまざまな年代の地域の方と活動に取り組むことが好きでした。
中学生になると、吹奏楽部に入りました。テナーサックスの奏者をみた時に「かっこいい」と感じ、実際に吹いてみると「この楽器は難易度が高い」と言われながらも音を出せたこともあり、テナーサックスを担当楽器に決めました。中学2年生に引っ越しをしてからは、実績があり、強豪と言われる吹奏楽部がある中学校に転校しました。日々厳しい練習に取り組みながらも、当時は1人しか舞台に立てないテナーサックスのポジションに入ることができず、自分自身の実力不足などで大会に出れない悔しさを味わいました。
中学3年生になっても、(大会に出場した際に)思わぬところで落選してしまうことがありました。練習してきたことが報われず、悔しい思いをしたのですが、先生が生徒の知らないところで別の大会に音源を送ってくれて、その大会への出場機会を取ってきてくれるということがありました。普段はとても厳しく接する先生だったのですが、先生の行動から情熱や愛情が伝わってきて、とても嬉しかったです。
話しながら思い出したのですが、大事なコンサートに向けて練習を日々していた頃、自宅に持ち帰っていた楽器を持って家を出ようとした時に大きな地震に見舞われたこともありました。後にそれが東日本大震災だったとわかりました。
当時好きだった歌手のRADWIMPSはすぐに発信を行い、音楽を通じて癒しや感動を与えていました。音楽の力を改めて実感した経験であり、得意なことを通じて社会の力になる姿に感銘を受けたのを覚えています。
–進学先はどのように選びましたか。
慕っていた父のキャリアも参考にしつつ、東京都内の大学への進学を検討していました。オープンキャンパスに行ったところ、広い分野を学べる社会学部に惹かれ、社会学部を軸として受験を行いました。
–在学中はどのようなことに取り組みましたか。
大学時代は多くの出会いと経験を得られた期間でした。まずは、入学後の4月にすぐアメフト部のマネージャーになりました。9月には当時設立10年目を迎えた学生団体jagzziという団体に入り、WEBマガジン運営や大きな会場でのイベントに携わるようになりました。
翌年3月には株式会社CRAZYと出会い、結婚式場のスタッフ(CAST)として働き始めます。当時公式の募集はなかったのですが、学生団体で入ったFacebookグループに流れてきた投稿のコメント欄にどなたかが同社のことを書きこんでいて、そのコメントに添付されていた動画を見て調べていき、当時のHPにたどり着きました。当時正式なスタッフの募集がない中で、新郎新婦様の問い合わせ電話に電話をしたことが私の運命を変えたと思っています(笑)いい度胸でしたね。
元々「結婚式」という業界に興味があったわけではないのですが、働き始めると仕事に没頭できて、長い期間在籍していたこともあり、任される仕事も増えていきました。
大学4年生の時には学生団体に注力できる時間を増やそうと考え、大学の休学を決断しました。
–卒業後、どのような経緯で移住に至りましたか。
就職活動を行う自分がイメージできず、数社のインターンシップに参加するようになりました。在学中に働いた会社に入社するという選択肢はなく、卒業後は知り合いから紹介を受けた仕事を請け負うようになります。
自信を付ける努力と手を挙げる勇気を併せて持つ
–生き方、働き方の上で大事にしていることを教えてください。
まず、心が躍ったことをたくさん経験すること。次に、その中で運や縁があり、頂いたチャンスに対して、自信を持って「できます!やれます!」と言うこと。最後に、そう言えるために必要な普段の努力。まとめると、これらを大事にしています。
根拠がないのに「できます」と言うのは無責任ですが、手を挙げて新しいことに挑戦しないと成長がないことも事実。普段から挑戦を続けること、チャンスに対して勇気を持って手を挙げることの両方あってこそチャンスを掴めるのだと思うのです。
自分自身を振り返るとこれまで紆余曲折がありましたが、自分なりにその時大事にしたいことを整理し、それを基準に決断し、決断したら打ち込む…という繰り返しでした。
決断した先で大変なこともありましたが、都度悩みつつも努力をして、一つひとつクリアしてきました。そうした姿を周りの方も見ていてくれて、さまざまな方が転機ごとにきっかけをくれて、次第に自信が積み上がっていきました。
–今後に向けて目標や展望はありますか。
私自身のこれまでのあゆみの中で、株式会社CRAZYから受けた影響は大きかったと感じています。
「意志ある人生を生きる人を増やす」
当時のビジョンに共感して働き、多くの経験を重ねることができました。あれからさらにさまざまな経験を経て、現時点の私が今後に向けて心に留めておきたいビジョンもあります。
「個性を活かし合って、それぞれがワガママに、意志ある人生を生きる」
得意な人が得意なことをすればいいと思っていますが、私はその間に居続けたいです。目の前で起こることがより良いものになるように、かゆいところに手が届く人でありたいのです。仕事でも、今後も好きな人(共感してる人や尊敬する人)が好きなものを一緒に好きでいて、その人の理想やブランドの未来を一緒に実現していける人であり続けたいです。
–読者に向けてメッセージをお願いします。
これまでにお話ししたわたしの人生は元々計画していたものではなく、うまくいったことばかりでもありませんでした。ただ、今はこうして仕事や暮らしを楽しんでいます。
私からお話ししたこと、今後の自分の生き方を通じて、それに触れてくださった同世代、今後の後世世代の人たちには「選択肢を広げること、新しい世界に触れることの楽しさ」や「自分で道を選んで進んでいくことの面白さ」を知っていただき、行動に移していってもらったら嬉しいです。
取材・執筆=山崎 貴大