ちょっとした焦りとわくわくをシグナルに。映像ディレクター岡村未来の“ご縁”を大切にする生き方

全ての出来事に意味がある

コロナ禍もあり、心が落ち込んでしまっている方が増えていると思います。コロナ禍世代の方に向けて、何かアドバイスをするとしたらどんなアドバイスをしますか?

自分のことを大切にして、常に自分の心と対話をしてほしいです。

今自分が何考えているんだろうとか、これをするとうれしいけれど、これをすると悲しいと感じるとか。起こった出来事に対してどう感じるのか、しっかり内側の部分に目を向けて欲しいなと思います。

これは長期インターン先のコーチングで教えてもらった方法なのですが、罫線のないノートを1冊用意して、思ったことを何でも書き出すノートを作っています。人に見せるものではないので、きれいに書くとかいい文章を書くとか、何も考えずに書きなぐるノートです。

おすすめは、朝起きたあと15分〜30分くらいの時間を決めて、今考えていることを書く。お腹がすいたなとか、今日はあまり寝られなかったなとか、何でもいいんです。書いていくと急にアイデアがわいてきて、やってみたいことも出てくるんですよ。

思っていることをアウトプットすると、自分の素直な気持ちにも気が付けるのでおすすめです。こういった方法は、本などにも出ているので、ぜひ調べてみてください。

それから私と同じように、心が落ち込んでしまった経験を公表してくれた方が周りにいたので、勇気を出して「実は私も今同じ状況で……」と話すことで少し楽になりました。

その方々には、本当に感謝しています。今度は私が、そんな存在になりたいと考えています。

ただし、自分の力ではどうにもできないと感じたときは、迷わず医療機関や相談窓口に行ってくださいね。私も行ったことで、回復の助けになりました。

ー今はどのような活動をされているのですか?

徐々に元気を取り戻して、新しい挑戦を始めようとしています。大学在学中に立ち上げた、学生デザイナーと社会をつなぐプラットフォーム『unitX』を法人化し、本格的に事業として伸ばしていきたいと思っています。

自分自身が独学で映像ディレクターになった経験から、芸大生など専門的にデザインを学んでいる学生たちなら、もっと活躍できるのではないかと考えました。学生と社会とのつなぎ役になりたいという思いで活動しています。

ー今後の目標はありますか?

実は明確にはありません。何歳までに何になりたいかなど、人生設計がないタイプです(笑)。

それよりも、自分がやりたいことをすぐにできるような環境でありたいと思っています。やりたいと思ったことをずっとやり続けることが目標ですかね。

この先も何があるかわからないので、いつ死んでも後悔しないように生きていきたいです。

これまでの人生では、わくわくと焦り、落ち込みからの回復など、いろいろなことがありましたが、全ての出来事に意味があると思っています。一見ネガティブな出来事も、普段は気付かないことに気付けたり、人生を見つめ直すきっかけになったりします。

心の落ち込みも、「このまま走り続けると本当に倒れてしまうよ」というアラートです。なぜ自分にその出来事が起こったのかを考えて、次に活かすようにしています。

そして今の私は、出会った皆さんに支えていただいて成り立っています。今後もひとつひとつのご縁を大切に、恩返しをしながら活動していきたいです。

ー素敵なお話をありがとうございました!岡村未来さんの今後のご活躍も応援しております!

取材:緒形航(Facebook
執筆:後藤ちあき(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter