とりあえずはじめてみる。一般社団法人ここてらす代表の入江航の進み方

社会人1年目では経験できないことができた

ーお手伝いから「ここてらす」の代表になった経緯をお伺いしてよいですか?

「代表をやりたいです」と立候補したことがきっかけです。

「ここてらす」を持続させるには広報を強化して、寄付を集める必要がありました。寄付を集めるための次の手順として法人化しようと話がまとまりました。当時私は大学3年生で、進路に悩んでいましたが、法人化をする挑戦にデメリットは感じず代表に立候補。

1年間運営の手伝いを続けているうちに「ここてらす」が私自身の居場所にもなっていたからです。子どもたちだけではなく「ここてらす」に出入りする人たちとの繋がりができたことも大きかったと思います。

代表をすることになり、法人化の書類作成や、税務署とのやりとりを全部1人でやりました。大変でしたが、現在同じような団体から法人化の相談がくるようになり、手伝うことができているので「経験しておいてよかったなぁ」と思っています。

ー代表になってから変わったことはありますか?

社会人1年目ではできないことを経験できたと感じています。代表になってから「ここてらす」も大きく動き出しました。

日本財団の助成金の審査に通って費用を使えるようになったり、知事に表敬訪問に行けたり。人の前で発表する機会も増えました。

助成金に応募するときにサポートをしてくれた支援団体さんともつながることができ、居場所づくりのネットワーク・交流の場が増えて、情報交換も活発にできるようになりました。

ーこれからの「ここてらす」をどのように発展させていきたいですか?

福岡県うきは市の企業と商品開発をしたり、ふるさと納税に絡めるように地域の方や企業とコラボをしたりしていく予定です。助成金が終わっても「ここてらす」の運営を持続できるように計画を立てています。持続するために、運営費や運営の方にお給料を出せるようにしたいです。

活動場所もゆくゆくは違うところに拠点を作り、衣食住がすべてできるようにしたいと考えています。寝たり、お風呂に入ったりができる広い場所を借りたいです。

個人的には、私と同世代の方が、福祉・NPOの業界に関わりやすい環境を作っていきたいなと思っています。現在も同世代で活動をしている方はいるのですが、その方たちも「お金どうしよう」と困っているので、しっかりと給料が出せて生きていける仕組みを作りたいです。

ただお金を稼ぐのではなくて、身近に繋がりのある方たちとの中で、どうお金を作っていくかが大事だと思っています。企業さんとのやりとりは仕組みづくりの1歩目です。

自分の軸を大切にし、時間に余白を作る

ー最後に入江さんが大切にしていることをお伺いしてもよいですか?

余白が大切だと思っています。

大学に入って野球をやめて、時間を意図的にあけていたので、いろいろなイベントに行き人と関わりを作ることができました。

大学でバイトやサークルに時間を使ってもよいと思いますが、自由な時間の余白がないとやってみたいことや挑戦してみたいことができないと思います。

時間をあけると、人から声を掛けてもらった時にすぐに動けることがよいと思います。私は動いた先で繋がりや出会いがあったので、すぐに動けることは大事だと感じています。

余白を作るためにルーティーンはできるだけ作らない。やることが増えたらその分、何かをやめて時間の余裕を作るようにしています。

ー何かをやめて何かをはじめるのに大事なことはなんでしょうか?

自分軸を持つことが大事だと思います。

たくさん物事を始めるコツは、最初から目的を持ちすぎないこと。私は最初、子どもに深く関心があったわけではなかったです。関心がないから行かないのではなく「まぁとりあえず行ってみるか」で参加してみてください。目的がないところにも出会いはあります。

もちろん目的が大事な時期もあると思いますが、大学生の時は「とりあえず」で行ってみたらよいと思います。

ーありがとうございました!入江さんの今後のご活躍を応援しております!

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取材:丸山泰史
執筆:みぞた(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter