教育へ情熱を注ぐ副業パパ、伊藤銀太が自分だけの道を叶える目標の立て方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第825回目となる今回は、児童福祉施設で働きながら映像制作に携わる副業パパの伊藤 銀太(いとう・ぎんた)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

教育に関する熱い思いを持ち、自分のやりたいことを叶えながら、仕事と家庭のバランスを大事にされている伊藤さん。やりたいことを叶えるポジティブな目標の立て方や、複数のことにチャレンジするための人生観、目標などたくさんお話をお聞きしました。

メンタルトレーニングコーチを学び変化した人生観

ー本業に副業、そしてパパとしての顔を併せ持つ伊藤さん。まずは自己紹介と幼少期から学生時代のお話をお伺いします。

初めまして、伊藤 銀太(いとう・ぎんた)と申します。現在は児童福祉の仕事に携わる傍ら、副業にも取り組んでいます。元々は高校の保健体育の教員になろうと大学院まで進学しましたが、徐々に教育の仕事と両立してビジネスにもチャレンジしてみたいと感じ、最近は映像制作を請け負うようになりました。

小学生のころの僕は、運動が大好きな子どもでした。とてもやんちゃで、毎日さわいでは先生に怒られるようなタイプでしたね。中学生では、足が速かったらモテるだろうという気持ちで陸上競技を始めました(笑)

当時は短距離走や110mハードルが専門で、大人になった現在では三段飛びに種目変更し、継続しています。高校生までは部活漬けの毎日で、勉強はそれほど好きではなかったのですが、人に教えることが楽しく、将来、保健体育の先生になれたら自分のやりたいことが実現できるかもと思い大学へ進学しました。

ー運動が好きで、得意を活かして進学されたのですね。大学ではご自身の価値観を変えるような出来事があったそうですが、具体的なエピソードを教えてください。

僕は大学に入学するまで、周りに合わせながら生活していて、「みんながこの授業を取ってるから受けなきゃ」という感覚で過ごしていました。でも高い学費を払っているのに、周りの人と同じように過ごして、普通に学校の先生になるのはどこか違和感があったんです。

せっかく進学したのなら、人生に役立てられるような経験をしようと思い立ち、大学2年生のとき、メンタルトレーニングコーチというサークルに加入しました。スポーツ選手などのメンタル面をサポートするスキルを学び、アドバイスするといった内容です。

加入した理由は、体育教師を目指していたので、メンタル面において人を指導する術を学ぶ必要性を感じたのと同時に、自分のメンタルもコントロールできるようになりたいと思ったからです。

ーメンタルをコントロールするスキルはいろいろな局面で役立つでしょうね。

そうですね。僕自身もネガティブな性格が起因して中高生の部活動や受験で失敗した経験があります。メンタルトレーニングコーチについて学べば、自分の弱い部分も見つめられるのではと思いましたし、実際に今でもそのスキルは役立っています。

ーなるほど。例えばご自分のどのような点をネガティブだと感じていましたか?

当時の僕は、うまくいかない原因を責任転嫁してしまっていました。例えば、雨の日だから調子が悪いなど、コントロールできないもののせいにして、自分ができない言い訳をしていたのです。

その思考が起因して、運動能力はまずまず高いにも関わらず、部活動ではよい結果を残せない時期がありました。大学でメンタルトレーニングを学び、自分の内面に目を向け、「自分ができることに集中しよう」というポジティブな捉え方を身につけられました。

また、サークルを通してオリンピック・パラリンピックに出場するような一流の選手と話す機会を得られたことも僕にとって人生観を変える大きな出来事です。例えば、パラリンピックに出場した100mの盲目のランナーとの出会いなど。

その方のお話は常に未来を見据え、競技で良い成績を収めるために試行錯誤していて、一切ネガティブな言葉がありませんでした。そのマインドの違いに衝撃を受けたことをきっかけに、自分の気持ちと向き合い続けた3年間でしたね。

ー自分ができることに集中するのは、成果を出すために必要不可欠かもしれませんね。

はい。僕はメンタルトレーニングコーチとして中学校の野球部にもボランティアに行きましたが、全国大会に出場経験があるようなチームでも、メンタルの不安定さについて課題はあります。目標を達成するために自分をコントロールするスキルを身につけることは大切だと思います。

ーU29の読者は10代、20代にあたるので、将来の目標の立て方などはとても関心があると思います。例えば、どのようにメンタルトレーニングをすればよいのでしょうか。

メンタルトレーニングの技術はさまざまありますが、目標の立て方や試合にむけてメンタルを準備する方法、自分自身にどんな言葉をかけるかといというセルフトークスキルについて学ぶとよいですね。

特にやってほしいのは「細分化」です。まず自分の地点と目標を比べ、そのギャップを埋めるために何をすればよいのか細かく設定します。漠然と目標を立ててもその道筋がなければうまくいかないですからね。このような考え方を結果目標といいます。

対して、自分自身が行動できる範囲で目標を立てる方法がプロセス目標です。先ほどの結果目標では他者の介入も含まれますが、プロセス目標は「月に1回〇〇をする」と、すべて自分がコントロールする技術を指します。具体的に期間や回数など数値を設定し、誰が見てもわかりやすく目標を立てることがポイントです。

このように、結果目標とプロセス目標の2つを用いる目標の立て方は、メンタル強化におすすめです。

ーありがとうございます。大変興味深く勉強になりました。