お酒が出ない『そふどりBar』。人を大切にしている稲葉輝生が作る空間

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第873回目となる今回は、『そふどりBar』のオーナー兼店長の稲葉 輝生(いなば・てるき)さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

大手企業、スタートアップの会社で働きながら『そふどりBar』を副業で運営するに至った稲葉さん。周囲の人を大切にしながら、自ら挑戦する想いを語っていただきました。

「何のために」行動をしているのかよく考えた学生時代

ーまずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

お酒を出さない『そふどりBar』を日曜日のみ間借りで運営している稲葉 輝生(いなば・てるき)と申します。平日はYouTubeのアニメ制作を行う会社で働いております。

ー『そふどりBar』について詳しくお伺いしてよろしいですか?

飾らずに自分らしくいられる空間を目指して営業をしています。47都道府県の知られていないけど魅力的なドリンクを飲めることが特徴です。

お客さまは社会人3〜5年目の方と学生さんが多いです。いろいろな話や相談を気軽に話せる場所を求めて来店されます。

ー稲葉さんはどのような学生時代を過ごされましたか?

真面目な学生でした。幼少期から剣道をやっていて、剣道の先輩たちと仲がよかったです。中学校に入学すると、当時の生徒会長の人間性と勉強ができる姿に憧れました。そのため中学校時代は、生徒会長を目指しつつ、勉強にも力を入れていました。

母親も喜んでくれたので、褒められたい思いがだんだんと強くなっていって。より一層勉強に励み、テスト前の土日は12時間以上も勉強詰めでした。時間をかけて勉強していたため成績はよかったのですが、母親から「もう少し休んでほしい」と言われました(笑)。

ー大学時代にはアルバイトも経験されましたか?

東進ハイスクールで受験生のサポートをする『チューター』を経験しました。私も受験生の時に大学生のチューターに支援をしていただき、指導をしてくれた姿がかっこいいなと憧れていました。

ーそこで得た学びはありますか?

自分のためではなくて人のために動こうという利他精神を教えてもらいました。どうしてその仕事をやるのかという本質的な考え方も同時に学びましたね。東進ハイスクールでは「目標を持って大学に行こう!」という軸があったので、「生徒さんがやりたいことは何なんだろう」と考えることも多かったです。

ーその後、学生団体を立ち上げたとお伺いしました

就活生がよく使うリクナビ・マイナビのようなサービスを、大学の新入生向けに出したいと思い立ち上げました。

大学生活はよくも悪くもかなり自由ですよね。自由に対して僕は「大学生活での意思決定」を自分でしてほしいなと考えました。サークルやアルバイトとも偶然ではなく必然の出会いをしてほしいと思い活動をしていました。

20年ぶりの父との再会、自分を認められるように

ー20歳ごろにお父様との再会をしたと伺っています

はい、両親は2歳の頃に離婚しています。20歳を超えたタイミングで、自分がどういう人から生まれたのかをきちんと知りたいと思うようになりました。そこで父親に手紙を送り、実際に会うことができました。

ー実際に会われてどう感じられましたか?

とてもよかったなと思います。自分と近い部分や、性格が父親譲りなんだなと認識できました。もともとは離婚した父親から受け継いでいるものについてプラスに捉えられませんでした。しかし、実際に会って話してみると前向きに受け止められました。同時に自分自身のこともきちんと好きになれた瞬間でしたね。認められなかった部分が清算された感覚です。

ーお父様に会って自分のことを好きになれたんですね

それ以降は何か挑戦する時も物事を前向きに考えられるようになり、自分がやりたいことをもっと積極的にやっていこうと踏み出す力をもらえました。