表現活動で「心震える瞬間」を。小田 紗友理が皆に届けたい、豊かな人生とは。

withコロナでの表現活動と場づくり

ーwithコロナの時期の表現活動はどのように続けられましたか?

その後は、コモンビート主催のオンラインでの表現活動がありました。しかし、オンラインの活動はどうしても苦手で、実際に会って活動したいという気持ちがより強くなりました。

それから1年後、新潟総踊りが開催されることを知り、私はチーム作りをはじめました。職場の後輩との話で、研修がすべてオンラインになったため、横のつながりが持てないことに気づきました。

そこで、教員だけのプログラム「50人の先生チーム(JUMPER!!)」をしようと考えました。このプログラムは50人で5日間かけて行うというものです。コロナ禍のため期間を短くして企画しました。

ー教員だけで50人ですか。

そうです。すぐに50人集まり、活動を始めましたが、2021年8月には緊急事態宣言が出て活動が制限されてしまいました。

翌年の2022年は、多様性を生みだしたいと思い異業種チームで新潟総踊りに参加しました。ほかにも、アカペラの経験者と協力したパフォーマンスをしたり、場づくりをしたり。

そのように活動していたとき、コモンビートの事務局からもう一度ミュージカルをしないかと誘われました。中止になるリスクはありましたが、心残りがあるので、実施を決心しました。

ーミュージカルに誘われた理由を教えてください。

私に声をかけていただいた理由は、コロナ禍でも毎年コミュニティ作りに励んでいたからだそうです。2024年の1月に再開公演を行うことになりました。

私の周りには、何かを「やろう!」といえば「やる!」という人が多くなったので、最初にミュージカルをすると言い始めたときからとても変化しました。

コミュニティに入る人にとって、誰も知らない空間は不安だと思いますが、このメンバーは受け入れてくれますし、その雰囲気ができているのが嬉しいですね。あと1年ですが、よい雰囲気で進んでいくと思います。

昨年末、新潟を盛り上げるための「N:birth」という任意団体を立ち上げ、先日は初顔合わせ合宿を行いました。今すでに、1年後の公演に向けてとてもワクワクしています。

心震える瞬間を

ー小田さんが場づくりにかける原動力はなんでしょうか?

「後悔したくない」という思いと「よい社会を作りたい」という思いが原動力です。未来を作るのは私たちです。後悔を残したまま未来に引き継ぐのは無責任だと思っています。私が教育者ということもありますが、子どもたちに嘘をつきたくないですし、だからといって「未来は大変だ」とも伝えたくありません。

だからこそ、「なんとかしなくちゃいけない」を体現している大人は、できれば私であってほしいと思っていて。私がきっかけとなって、「行動次第でなんでもできるんだ」と思ったり、自分たちでなんとかしていきたいと思ったりする人を1人でも増やしたいです。

また人と繋がるのは楽しいですし、そこで新しいものが生まれることも多いです。一方、人との繋がりがなくなると、成長しませんし、豊かな人生を送れなくなると思います。とにかく、楽しくするのが一番大切です。

ー最後に、若い世代へのメッセージをお願いします。

私が伝えたいのは「心震える瞬間」は大事だ、ということです。

コロナ禍において舞台作品は不要不急かといわれると、私は違うと思います。それらには、復興していく力や人を元気にする力があると思います。だから、人々は昔から表現活動をしてきたのだと思いますし、私も感動体験を生み出したいと思います。

特に、生でしか伝わらない、リアルだからこその感動を伝えたいですし、大人も子どもも感じてほしいと思います。もちろん、そういう作品がなくても生きていけますが、少しでも人にやさしくなったり共感できたりして、世界が少しずつ広がり豊かに生きることができるようになっていくと思います。

私としては、子どもに見せて恥ずかしくない背中を示していきたいです。「夢を持ちなさい」「チャレンジしなさい」と子どもにいう自分が、それをできていないのは嫌です。

大人自身がアップデートしていく姿を見せることで、子どもの可能性を広げられると思います。とにかく、自分自身が楽しんでいることが大事ですね。

ーありがとうございました!小田さんの今後のご活躍を応援しております!

今回のゲスト・小田紗友理さんの詳細はこちら(facebook)(Instagram)

取材:丸山泰史
執筆:松野哲哉(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter