ポジティブな偶発的確率を上げる。取締役COO・中屋敷将大が実践する、人生を好転させる方法

学費・生活費250万円/年を自力で稼ぐために取り組んだこと

ー反骨心からヒッチハイクやプログラミング学習に取り組まれたそうですが、他にも大学ではどのようなことをされていたのでしょうか?

大学時代に取り組んだこととしては、大きく3つに分けられます。

まず1つ目は、キャリアに向けたプログラミング学習や実務の能力を身につけたことです。大学時代は仕送りがなかったため、自分で学費や生活費を稼がなければいけない状況でした。自力で250万円を稼ぐのが命題だったので、通常のアルバイトだけでは到底難しいですよね。危機的状況だったからこそ、エンジニアの勉強をしたり、自分で事業をつくったりして生まれたバイタリティーはあると思います。

2つ目は、学問としての勉強に関わったことです。大学1年生の時に哲学コースの友人と出会い、学歴の物差しだけでは測れないようなすごい人たちがたくさんいることを知れたのはよかったです。彼のおかげで学問としての勉強に興味が湧き、哲学という魔境にのめり込みました(笑)。友人と読書会を主催し、哲学によって自分の価値観や指針を形成した経験は得難いものですね。

3つ目は、人との出会いを大切にしたことです。特にサークルやイベントでの繋がりが大きいですね。メルカリ創業者が立ち上げたサークル(早稲田リンクス)に在籍しており、24代目代表としてトークイベントやライブイベント、Webやフリーペーパーの発信など様々な活動を行いました。

ー大学時代から多様な取り組みをされていた中屋敷さんが、キャリアについて考え行動した時期の話をお伺いしたいです。

大学に入学してすぐエンジニアリングを学び、その後はマーケティングの道に進みました。在学中からフリーランスで仕事をするなかで、次第に起業や事業開発に関心を持つようになり、大学2、3年生の頃は企業向けマーケティングを手伝ったり、エンジニア・PMの立ち位置で受託開発案件の仕事をしていました。

ー起業に関心を持った理由は、ご自身もフリーランスとして仕事をされたり、周囲の環境が影響していたりするのでしょうか?

外的な要因でいうと、起業が身近な環境に自分がいたというのが大きいですね。それは、自分の能力があるからという以上に、そのような環境が整っているかが重要だと思います。そういう意味で、自分にとって起業することは、当時フリーランスで仕事をしていた自分の目標の延長線上にありましたね。

大学4年生になると、新型コロナウイルスが流行し行動が制限された時期で、その時に自分のキャリアについて漠然と考えていたんです。当時も様々な仕事のお話をいただいたなかで、現職の代表と初めて会う機会がありました。オンラインでのカジュアル面談を経て、リアルでお会いしたタイミングで入社のオファーをいただきました。

ー中屋敷さんが現在の会社を決めた理由を教えてください。

当時私がキャリアを意思決定するにあたって、考えていた軸が3つありました。

1つ目は年収です。生きていくためのセーフティーネットは、やはりある程度必要です。キャリア形成初期からお金があるほうが、後々のレバレッジが効くというのは資本主義にとって真だと思うんですよね。ただ起業家だと、年収は指数関数的に伸びるものだという理解もあります。そのため、どちらの戦略が正しいかを身を持って学ぼうと思いました。

2つ目は、グローバルな事業を行っている会社かどうかです。私のキャリアとして、英語圏もしくは東南アジアなどのこれから市場が伸びていく国で、グローバルで勝負ができる事業やプロダクトを作っていくイメージがありました。現在の会社もアメリカに子会社があり、そちらでグローバル展開できるサービスやプロダクトを作っています。

3つ目は、新規事業の立ち上げや事業開発に集中でき、事業成長が推奨されるような環境に身を置けるかどうかです。現職を選ぶ際にも、私が持っていない能力や人脈、資本を持っている方々と組んで仕事ができる点が魅力的でした。