止まっているときこそ動き出すチャンス、オーガニック抹茶カフェ和み・吉村高彦

アメリカ留学に向けて勉強しながら営業代行の仕事を始める

ー大学生活について伺ってもいいですか。

僕は大学4年間の過ごし方が大事だと考えていたため、大学入学後も扱いづらい人間だったと思います。正論を振りかざしていました。

大学で入ったサッカー部でもルールに馴染めず退部したこともあります。それからサークルに入ったり、マッチングアプリを使っていろんな人と会ったり。自分の世界が広がった2年間を過ごしました。

それから友達がビジネスを学び始めたタイミングで、僕も手探りでビジネスを始めていきます。

ー最初はどのようなビジネスをしていたのですか。

ブログのアフィリエイトから始めました。アフィリエイトのメルマガに登録したり、ネットで調べたりしながらブログを運営していました。ブログの運営が難しいと考え始めていたときに、SNS運用のコンサルティングを受けながら営業代行をする話がありました。

ーそこでSNS運用を学んだのですね。

今、お店でSNSを運用しているのですが、その時の経験が生かされています。ただ、店舗アカウントを運営するのは初めてでした。

ービジネスをしながらアメリカ留学の準備をしていたそうですね。留学前のエピソードはありますか。

週末に居酒屋のアルバイトをしていましたが、アメリカ留学が決まったタイミングで「起業するので辞めます」と伝えて辞めました。そのため、アメリカから帰ってきたら起業すると決めて留学に行きました。

カフェ文化が根付くアメリカで留学生活を送り、帰国後、抹茶カフェを起業する

ー帰国後のことを考えながら留学に向かったそうですが、留学生活について伺ってもいいですか。

起業すると言った手前、留学中は勉強をしながらビジネスになることを考えていました。

アメリカは町や大学内の至る所にカフェがあります。僕も図書館内のスターバックスでカフェラテを注文して勉強していました。その時にふと気づいたのです。

「僕の通っている静岡大学には食堂や生協しかなくて、勉強したり、友達と話したりするときにあるのはペットボトルだ」と。

日本の大学付近や学内にカフェをつくれば学生のモチベーションにもつながると考えたのです。

その後カフェの方向性を考えていく中で抹茶に出会います。大学のある静岡県はお茶が有名です。静岡にも貢献できると思い、抹茶カフェを静岡の大学付近でオープンしようと考えました。

起業することを考えながら旅行に行ったり、勉強したり、アメリカ生活を楽しんでいました。

ー帰国後、カフェを立ち上げるまで大変だったことや印象に残っていることはありますか。

日本に帰国したのが2020年1月です。帰国後は静岡県内にある個人経営のカフェを訪ね歩き、名刺を渡しながらカフェをオープンした経緯の聞き取りから始めました。

当時はコロナが日本で流行り始めた時期で、大学が止まり、就活もオンラインになり世の中が止まった感覚になった時期でした。僕も店舗を借りてポップアップでメニューを提供させてもらおうと交渉していたのですが、店舗が休業になり断念しました。

代替案としてクラウドファンディングや市の地域創生起業支援金を活用してキッチンカーをしようと考えていました。しかし、イベントを通じて知り合った社長の知り合いから支援してもらえることになり、日本に帰国して半年が経った2020年8月にお店をオープンすることができたのです。

この経験から「止まっているときこそ動き出すチャンス」だと思いました。

ーまさに、タイトルの源泉になった出来事ですね。起業してからのご自身をどう捉えていますか。

僕自身、内定をもらった会社を辞退して起業したこともあり、自分から学びに行くことを意識しています。また、起業した時に手伝っていた後輩が昨年10月にお店をオープンしました。さらに、その後輩を通じて2組が起業しているので、自分自身が起業ブームの一役を担っています。

だからこそ、どれだけきつくて辛くても絶対に持ちこたえないといけません。これが今の僕の支えになっています。

ー今までのお話を踏まえて大切にしている価値観を伺ってもいいですか。

自分にできることを最大限やることです。できないことを言い訳にやめるのではなく、できないからこそやりぬく信念を持って生きていくことを大事にしています。

ー今後の展望について伺ってもいいですか。

2つあります。1つめは日本の文化を通じて海外で商売をしたり、サービスを提供したりしたいと考えています。2つめはキャリア支援を通して僕自身の生き方から向上心を持った若い世代が増えてほしいです。

ー最後にアドバイスをお願いします。

人生を生きる上でキャリアは欠かせないものです。僕は人生すべてがキャリアだと思っています。自分自身がどういう生き方、生活をしていきたいのかを描きながら働き方を考えると柔軟なキャリア設計をすることができるようになると思います。

ーありがとうございました!吉村さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:戸田光(Twitter
執筆:Kumi(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter