医療業界に新たな風を吹かすために
ーその後フリーランスに。迷いはなかったのでしょうか。
覚悟のいる決断でした。6年間理学療法士として勤務しキャリア的にも「順調だな」という思いがあったので、それを捨ててフリーになることは勇気が必要でした。
不安もありましたが、20代後半になり何か始めたいと思っていて。1年間赤字でもなんとかやっていける蓄えもあったので、想いだけで走っていこうとスタートを切りました。
オンラインサロンに力を入れたい時期でもあり、仕事をやりながら勉強していこうと新鮮な気持ちでした。
ー各地の理学療法士に会いに行かれたのでしょうか。
SNSでお声がけをしつつ、リアルで会えるイベントを企画し、経営者との交流会にも参加して、紹介をいただいたら会うということをとにかく繰り返していました。
思いを伝えて、医療業界の問題を解決することに共感してくれた仲間がどんどん増えていきました。
ー恩師との出会いがあったと伺っています。
フリーランスになる前にSNSを通じて恩師との出会いがありました。1年半ほどでしたが、助言をいただきながら一緒に形をつくっていきました。
ー自分のやりたいことは明確化していたのでしょうか。
そうですね。僕はシェアをすることが好きで一緒に作り上げていく過程が好きです。しかしある時、恩師との意見に相違があり鼻で笑われた出来事がありました。
その時に1人でやっていくほうがいいのではないかと感じ、本当に大切だと思っているものを貫きたかったので1人でやっていく決断をしました。
ー現在行っているゴミ拾いの活動や当事者と医療従事者でいくディズニーイベントなどの活動には、どのような思いがあるのでしょうか。
現在行っている活動には、僕の目指すビジョンに共感してくれて、楽しく働く医療従事者を増やしていきたいという思いが根幹にあります。そして、「医療介護福祉業界の壁(概念)を壊す」ための活動をこれからもしていきたいと思っております。
小さい世界だから「ああでもない、こうでもない」と言い合いが起きてしまいます。ごみ拾いを通じて広い視野で見たら選択肢があるし、働き方にも多様性があることに気づいてほしいです。
さまざまな価値観に触れることで仕事におけるキャリアや、生き方、あり方を知ることができます。それらがあったうえでの働き方だと僕は思っているので、そこを知れる場所を作りたいと思っています。
ー現在考えていることや今後の戦略を教えてください。
ごみ拾いで全国制覇をしたいです。ごみ拾いには気付きがたくさんあり、色々なことを感じてもらえると思っています。いずれは1000人規模にまで広げたいです。
各プロジェクトのビジョンはもちろんありますが、まずは関西が拠点なので関西の認知度を高めていきたいです。
それと友人がマニアックスポーツの日本代表で、普及活動やスポーツイベントを企画して参加者の幸福度を高め、生活の質を上げたいと考えています。最終的にはメディシェアJAPANを日本一の医療業界のオンラインサロンにしたいです。
ー吾妻さんが今後描きたいキャリアを教えてください。
予防に特化したクリニックを増やしていきたいです。これまでは医療従事者向けの活動を数多く行ってきましたが、病院でのアプローチも必要だと感じています。例えば、膝の手術を行った場合、150日しかリハビリテーションは受けられません。
医療保険では自宅に復帰した際や、予防のアプローチまで完全にできないこともあります。そういった方々を救うのが保険外、いわゆる自費と呼ばれるサービスで、従来の医療保険内のサービスと両方を提供する必要があると感じたのです。
病院で行えるのが理想ですが、現状は医療保険と自費サービスが分かれてしまっているのが現状です。
メディシェアJAPANとしては個人のつながりを広げてきましたが、一方で医療業界そのものも変える必要があると感じています。これができれば予防にもなるし、患者様のためにもなる。僕たちの働き方も変えられると思っています。
ー最後に、20代の方々に向けて一言お願いします。
これから行動していきたい人、行動しているけどどうしたらよいかわからない人の2通りの人がいると思っています。
これから行動していきたい人は、とりあえず習慣、環境を変えることが大切です。些細なことでも構いません。
いつも右足から靴下を履いているのであれば左足から履いてみる。通勤や通学でいつもと違う道を歩いてみるなど、ほんの少しの変化をつけることで、少しずつ行動することが当たり前になってきます。とりあえずやってみることです。
一方で、すでに行動しているけどどうしたら良いかわからない人に対しては「一度止まりなさい」と伝えています。常に情報が入ってくる社会で焦ってしまうと自己肯定感が薄れてしまうからです。
自分の中で「自分の幸せは何だろう」「何がやりたかったのだろう」と内省して、何をするのが幸せなのかを考え、自分と向き合ってほしいなと思います。
ーありがとうございました!吾妻さんの今後のご活躍を応援しております!
取材:山本佳奈(Twitter)
執筆:林宏紀(Twitter)
編集:松村彪吾(Twitter)
デザイン:安田遥(Twitter)