興味のあることを続けると自分だけの形になる。Agriture代表・小島怜の考え方

22歳で起業を決意する

ーコロナの影響もありますが、小島さんはどのような影響を受けましたか。

僕自身も気持ちが沈んでいた時期でしたが、オンラインで英会話を習ったり、散歩に出掛けたりしていました。

ー英会話を習っていたのは海外に行った経験があったからでしょうか。

もともと英語が好きだったこともありますが、学校で習うものと、海外で使った英語はまったく違って素敵だと思ったからです。翻訳機を使わずに話せるようになりたいと本格的に英会話を磨いた時期でした。

将来的にも、いろいろな国に行くだろうなと考えていたので、そのとき英語を話せたら良いなと考えていました。結局その後勉強はやめてしまうのですが、会話ができる程度にまでは話せるようになりましたね。

ー直近で海外に行くことは考えておられるのでしょうか。

直近ではベトナムに行きます。海外はまだ未知なことが多く、僕自身も3年前に行ったきり海外に行けていないので、自分の新たな価値観を見つけに行こうと考えています。

ーこの時期は、気持ちが沈んでいた時期だと聞いていますが、小島さんはどのように乗り越えたのでしょうか。

状況に抗おうとせず、「この際、とことん病んでやろう」と思って過ごしていました。昔からそうなのですが、僕は何事にも期待しない性格です。

この時期は就職活動もしていましたが、進展がなく、2020年5月末、緊急事態宣言が明けるころに危機感が強まります。

よく利用していたカフェのオーナーが集客に困っていると聞いたので、自分でHPを作って集客に貢献しようとしましたが、それも上手くできませんでした。

紆余曲折しながらもweb関連に強いメンバーを集め事業を立ち上げて、2020年11月に法人化しました。その後、僕自身は新規事業を始めたい気持ちが強くなり、別の道を模索し始めます。

大学で農業に携わっていたこと、乾燥野菜に出会ったこと、これらが重なって新しいことを始めようと決めました。

乾燥野菜の認知度を広げるために奔走

ー「OYAOYA」を立ち上げることとなるのですね。

京都らしく「お」をつけ、農家や野菜を一緒に広げていきたいという思いで乾燥野菜を取り扱うブランド「OYAOYA」を立ち上げ、2021年3月に販売がスタートしました。

ー小島さんは人と交友関係を持つことに抵抗感はなかったのでしょうか。

話すことは苦手ではないため1対1や少人数であれば大丈夫ですが、大人数となると頭が回らなくなります。そのため、しっかりと時間をかけて話せるように心がけていました。

僕自身も衝動的な性格ですが「気になったらまずは取り組んでみる」という思いで、積極的に行動していました。

販売当初は売れ行きに悩みましたが、現在は売り上げが伸び続けていき、基盤は固まってきています。ここから軌道をさらに伸ばしていきたいです。

ー小島さんから見て「乾燥野菜」のよさは何なのでしょうか。

半年は常温で保存でき、お湯をかけるだけで使えることは利点です。事業を始めて気づいたのですが、京都の北部は輸送コストが非常に高いのです。

京都の中心部は利便性があるので困りませんが、輸送コストを下げるためには別の形で野菜を運ぶ必要がありました。乾燥野菜はサイズを元の10分の1から20分の1にできるため、輸送コストも抑えることができます。

ー乾燥野菜のポップアップイベントも開催されているとお伺いしました。

京都はもちろん、大阪、東京などでも開催しています。意外と「OYAOYA」ユーザーも多く、リピートしてくださる方がいらっしゃったことは嬉しかったです。その一方で新規ユーザーの獲得が課題となっています。

乾燥野菜の利用方法や、より認知を広げるために、訴求の必要性を感じています。

ー小島さんの今後の展望を教えてください。

「OYAOYA」を立ち上げて2年が経とうとしています。少しずつ京都では広がりを感じていて、事業も形になってきました。フェイズも変わりつつあり、これからはどう伸ばしていくかにフォーカスしていきたいです。

現在の事業を続けること、新たな事業を派生させることも模索していき、最終的には農業の流通に興味があるので大学教授になりたいと思っています。

ーありがとうございました!小島さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:西川莞人(Instagram / Facebook
執筆:林宏紀(Twitter
編集:松村彪吾(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter