「納得感のある人生」を歩むために重要なこと。Pyxis Lab 代表 間瀬尚哉

IT系の会社に就職。同じ仕事を続ける人生に疑問を持ちキャリアに悩む

ーその後はITの会社に就職されたのですね。

はい。大学でITの勉強をするなかで自分には向いていないと思っていましたが、就職したITの会社は社会人の基礎やビジネススキルの土台を身につけられる環境だったため、最終的にはITの会社に就職することを決めました。

ー就職されてからすぐにモチベーションの下がるできごとがあったそうですね。

配属先決定前の研修で、最初に希望していた職種とまったく違う職種に配属され、モチベーションが一気に下がりました。気の乗らない状況でしたが、素敵な人たちに恵まれて希望していなかった仕事にもしっかり向き合えるようになりました。

仕事に向き合うようになってからは楽しく仕事をしていましたが、働き始めて3年ほどで「この先もずっと同じ仕事をするのか」と思いはじめてしまって。仕事は楽しく、メンバーにも恵まれていましたが「このまま進んだら自分はどこに行き着くのだろう?」と不安に駆られ、悩んでいました。

ー悩んだとき真っ先に相談した相手は誰でしたか?

同じ会社の同期に相談しました。

ー悩みを打ち明けたとき、同期の方はどのような反応をされたのでしょうか?

相談した同期は私が思っていることを親身に聞いてくれて、その中で彼なりの考えを打ち明けてくれました。彼も同じような悩みを抱えていたため、お互い意気投合してこれからのことを考えるきっかけになるできごとでした。

ー悩みを相談したあとに取り組んだことはありますか?

自分のこれまでを振り返ったり、意識的に自分を見つめ直す時間を作るようにしたりしていました。

社会人になってからもボランティアで学生のキャリア支援をしていたため、その人の人生と向き合ってサポートをすることが好きなのかもしれないと思うようになりました。興味のある分野であることや学生時代・社会人での経験から、キャリアコンサルタントの資格取得に向けて勉強を始めたのです。

ー資格を取得してからはボランティアではなく、お金を稼ぎながらやっていきたいとは思わなかったのでしょうか?

いきなりお金を稼ぎたいとは思いませんでした。それよりももっと人のために自由に時間を使いたいと思いました。

IT系の仕事だと業務内容が直結していなかったため、まずはより人と関わることができそうな方向に進んでみようと、人事部への異動願いを提出したのです。

自分と向き合う時間を作る

ー会社の人事として働く中で意識していたことはありますか?

会社の人事・採用としての人との関わり方や自分の立ち居振る舞いを意識するようになりました。採用の仕事は学生や転職者の方と向き合いながらも、会社のことも考えるという2つの軸を持って行動しなければならないからです。

学生の頃、採用担当の人事の方はキラキラして見えていましたが、自分が採用する側になると、様々な側面を意識しなければならないことを感じました。学生のときには見えなかった部分を体験できたのは大きかったです。

ー人事での経験から得たものはありますか?

人事の採用でより人と関わる機会が増えたため、自分はこれからどうしていくかをもう一度見つめ直すきっかけになりました。その中で採用の仕事に物足りなさを感じ、物足りないと感じる部分を深く考えるようになったのです。

そこで、より多くの困っている人たちを自分の力でサポートしたいと思い始めて、起業を意識するようになりました。

ー足りない部分を見つけ出すのは難しいことだと思いますが、間瀬さんは意識して自分と向き合う時間を作っているように思います。

そうですね。常に意識しています。

目の前の仕事や人間関係・趣味の時間をとることは取りかかりやすいですが、人生や将来のことについては今日やらなくてもいいやと、いくらでも後回しにできてしまうのです。

私は人の人生やキャリアに関わる中で、自分の人生や将来について考えるのはいくらでも後回しにできることを感じました。だからこそ、自分の中で引っかかることがあれば無理矢理にでも目の前に置いて考えるようにしたのです。

ー人事部で働くなかでより多くの人と関わりたいと思い、転職されたそうですね。

ファーストキャリアから人事の仕事をさせていただいて様々な経験をしましたが、1つの会社の世界だけでなく外の世界も見てみたいと思い転職を決意しました。

ー転職を決めたときから起業や独立することを視野に入れて行動されていたのでしょうか?

そうですね。転職せずに直接起業することも考えましたが、まだまだ自分には足りない部分や知らない部分が多いと思ったため、まずは転職しようと考えました。