迷ったら「やる」TSUMUGU代表・澁谷航平の今を全力で生きるための考え方とは

挫折を味わった高校を卒業後、大学に進学。休学してオーストラリアのメルボルンでインターンを経験する

ーそこから高校生に進学されるわけですが、高校生では何に熱中されていましたか?

インターハイベスト16の実力を誇る強豪校に入ってバスケに熱中していました。

ー部活に入って得た経験にはどんなものがありますか?

高校の部活では挫折を経験しました。このときの挫折は主に2つあります。

1つめが人間関係です。中学生のときは上下関係のない私立の学校に通っていました。そんな僕が公立の上下関係の厳しい高校に入ったため省かれたりしていました。

2つめが思うような結果が出せなかったことです。努力が足りず環境と人のせいにしていました。逃げ道を探しながら3年間やっていたことには後悔があります。しかし、最近自己分析をしたことで「あのときと同じことはしないし、悔しさをバネに変えよう」と考えられるようになり、成長の糧となっています。

ー高校でも英語は続けられていたのですか?

部活では挫折を味わっていましたが、英語は高校に通っても継続していました。

ー次に大学に進学されますが、どのようなことを考えていましたか?

中学生でアメリカに行ったときから興味のあった立命館アジア太平洋大学に入学しました。日本の中でも留学生がとても多い大学だったので、異文化コミュニケーションをたくさんする機会があって。そのおかげで英語力はTOEIC900点以上まで伸びました。

ーそこから海外に留学されるわけですね。

最初は英語のスコアを上げて交換留学生として海外の大学に編入することを考えていました。しかし、当時付き合っていた彼女が僕の交換留学の時期より早くオーストラリアのメルボルンに行くというので、ついていくために交換留学をやめて休学しました。その彼女とはオーストラリアに行く前に別れたんですけどね(笑)。

ー休学してどのようにして海外の大学に行ったのですか?

英語力を使って海外の企業でインターンシップをするというプログラムでオーストラリアのメルボルンに行きました。中学生のときとは違って英語が話せる状態で行ったので自信がありましたが、わくわくとドキドキと不安は感じました。

ーインターンシップをしてみていかがでしたか?

学びたいと思っていたことは学べませんでした。誰でもできるような雑務ばかりで望んだことはできなかったですね。こればかりは会社によるので、僕が選んだ会社が悪かっただけなのだと思います。

日本人の経営者に出会い弟子になる。師匠によって人生の土台が作られる。

ー想像と違う環境でもやもやしていたと思いますが、ここで人生のターニングポイントが訪れたとお伺いしました。

日頃から「僕は経営者になる」と言っていたら、インターンシップをしているときに日本人の経営者の男性を紹介していただきました。インターンシップで学びたいことが学べないと判断したため、この男性の弟子にしてもらおうと思って「弟子にさせてください」と頼みこんだのです。このときにインターンシップをやめて師匠の弟子になりました。

ー澁谷さんにとってどんな気持ちの変化があって行動に移せたのでしょうか?

僕は成長欲があり「自分が今やっていることには意味があるのか」や「これが何のためになるのか」と考えています。意味のないことをしている自分に悔しさを感じて実際に行動に移せたのだと思います。

ー「弟子にしてください」と言ったときはどんな気持ちでしたか?

何をするのかもわからない状態で弟子になったので、少し不安でした。また19歳で若かったにも関わらず、謎の焦りもありました。

ー弟子になってどのようなことをされましたか。

最初にしたことで覚えているのが、カフェの一角に置くハンドメイドの小物を揃えるために、ハンドメイドアーティスト探しから営業、入金まで一連の作業をすべてしたことです。

いわゆるアウトバウンド営業で資料を作ってDMを送り、マーケットに赴いて直接営業もしました。

1ヵ月で10人のアーティストを獲得してくるというミッションでしたが、3週間目で日本に一時帰国しなければならず、獲得できたのは7人でした。

それまではPowerPointやExcelが嫌いで、大学の課題も自分ではしたことがない人間でしたが、師匠のおかげで思考が180度変わりました。

ーインターンシップとはまったく違う環境ですね。

そうですね。師匠は僕がどうしたら成長するかを常に考えてくれていて、僕に対して「愛」を持って接してくれていました。今考えると、ここまで僕のことを考えて接してくれることはありえない話だと思います。

師匠は白黒はっきりしていて、大切にする人はとことん大切にする方です。また僕が師匠に言われたことを忠実に守って行動していたことで可愛がってくれたのだと思います(笑)。

ーどのくらいの期間、弟子として働いていたのですか?

3年半ですね。カフェの営業だけでなく、映像制作や営業のやり方、コンテンツ制作、マインドなどいろいろなことを学びました。

ーどのようなマインドを教わりましたか?

師匠から学んだマインドは2つあります。1つめが最近よく聞く「好きなことで生きていく」は考え方として違うことです。正しい考え方は「自分が本気でしていることが周りから求められて気づいたら好きになっていた」なのです。この考え方が頭の中にインプットされていると「好きなことで生きていく」に踊らされずに今を生きられると思います。

2つめが「損得を考えるな」です。まずは相手がどうすれば喜んでもらえるかを常に考えてGiveをしつづけろと教わりました。

ーその考え方が「目の前のことを一生懸命にする」に繋がってくるのですね。

結局は周りから求められないと好きにならないのです。いまやっていることが好きではないのならそれはがんばりが足りないと思います。周りに見つけてもらって求めてもらえるまで努力してください。