大学6年生・立花慶人が開発したバーチャル自習室サービス「CLOTO」に隠された開発秘話とは

「社会人の自学習を確立させたい」立花が見据える今後のビジョン

ー立花さんが自習にこだわる理由はあるのでしょうか?

「教育の手段や同設計が固定化している社会的課題」を解決したい思いがあるからです。「教育=ゴールに向かって何かをやること」が日本の教育の根底にあると思っていて。この固定化された教育イメージを払拭すれば、より多様的な教育が広まると考えています。

今年は明治時代に学校が設立されて150年の年です。しかし、明治時代から今まで、学校教育で基本的にやっていることは変わっていないんですよ。

ー具体的にどの部分が日本の教育は変化していないと思いますか?

先生達対子ども達という座席の仕組みの中、基本はデジタルが普及しているにも関わらず、紙媒体で学習を進める教育スタイルです。学校に訪れて「懐かしい」と感じる人もいますが、僕にとっては「違和感や不安」でしかありません。

また150年間教育が変化していないからこそ、民間企業から教育改革を起こさないとスピードが追いつかないとも考えています。

ーその中でも社会人の教育にこだわる理由はあるのでしょうか?

今の時代の子ども達は、学校と塾がセットの学習環境が整っていますが、社会人は企業に属してスキルが必要になった際、自分で勉強しなくてはいけない文化があると感じているからです。

でも、社会人で身につけるスキルのための学習って簡単ではないと思うんですよ。とくにエンジニアやデータアナリストなど専門的な学習は、学習内容が難しいからこそひとりで継続するのは至難の技。

そこで、社会人のための学習マインドセットや自分で勉強する方法を形にして、「自学習」というジャンルを確率させたいと思っています。

ー大学を卒業された9月以降、これから目指していきたいビジョンはありますか?

これからも、「社会人の自学自習をサポートできるサービス作り」に従事していきたいと考えています。

少し前までの教育業界は、お金を払って学びを得る時代でした。今も名残はありますが、教育にお金を払うと大学卒業証明書や資格を得られ、就職や昇格へのパスポートにつながっていると思います。しかし、少しづつ自分で自己研鑽をする時代になっていると感じていて。

時代の変化に合わせて、僕達のマインドセットや学習に対しての考え方を変える必要があると思います。その中で僕は、社会人で自学自習をしていく人のモチベーションの維持にも注力したいです。

また、今は大学進学率50%を越えた世の中。高校から大学までストレートで進学するのが一般的です。自分のように志願書を志望校に出し忘れるなんて言語道断ですが、僕のような問題は学生自身が自分でキャリア選択をしていないからこそ起きていると思っています。

何のために何を学びに大学に行くのかを答えられる子はほとんどいないからです。「親が大学行っとけと言うからとりあえず行く」「国語が苦手だから3教科で受けれる私学に行く」そんな子ども達がまだまだ多い気がしていて。

このようなキャリアを考える思考の薄さは、日本全体の学びの質の低下につながっているとも考えます。だからこそ、自分で学びのキャリアを考えて、企業がお手伝いする文化もあって良いのではないかと思っていて。

まずは学びのキャリアサポートをできる第一人者に、自分が目指していきたいです。

ーありがとうございました!立花慶人さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:丸山泰史
執筆:八巻美穂(Twitter / note
デザイン:高橋りえ(Twitter