自分の強みと未来の可能性に気づく
ーいざ動いてみたものの、いきなり壁に直面してしまったと…。そのような状況を、どのように打開されたんでしょうか?
その頃、内閣府事業OB/OGである仲間が団体を立ち上げようとしていたんです。
家とオフィスを往復する毎日ではなく、学生時代のように青春したい!という人が数人いて。懐かしの仲間からの声掛けで、メンバーになることを決めました。
組織を作りながら、コーチングの知識も活用していきたいと思い、活動を始めました。
ー加藤さんがまさに動き始めたタイミングに、良い機会に巡り会えたんですね!コーチングはどのように活用されたんでしょうか?
コーチングは、基本的には1対1で相手の内省を手伝うのですが、私はKOREWOKINIのコミュニティ全体を活性化したいと考えました。
なので、コーチングの手法を取り入れたワークショップを考えて、立ち止まって自分のことを考えてもらう機会を設けることをしました。
ー新鮮な取り組みですね!やってみてどうでしたか?
当時は何もわからず、なかなか苦労しました。
チームのリーダーがイベントをやるぞと決めたタイミングで、40~50万の会場を押さえて、そこから広報を始める、という。やるしかない環境にはありました。
イベントには200人来ていただいて、私ともう一人の子の2人でファシリテーションをしました。
当日は、私がもう一人の子のマイクの線を踏んでしまって、その子が動けなくなってしまうというアクシデントも。それくらい緊張していました(笑)
ーまさに青春の1ページのようなエピソードですね…!
それまでの自分には、とにかく自信がありませんでした。
それが、KOREWOKINIで異なる属性の人々と協働したことで、自分の強みはこれかも、と気付くことができたんです。
人に共感する力や、一つの物事を探求して最後まで突き詰める力が、自分の強みだと感じています。
ー自分の強みに気づけると、少しずつ自信も持てるようになりますよね。
それまでの自分は、人よりできないのが当たり前と自分を卑下していました。メンバーとの協働を通して強みに気づき、それらをもっと伸ばすような働き方をしたい、と思うようになりました。
他にも、タイやミャンマーでの学びであった「今」を楽しむ、ということがようやくできるようになって。
コーチングで今この瞬間に集中することを学んできたので、実践していたというのもあります。ですが、それ以上にKOREWOKINIのメンバーと0から1、1から100を作っていく経験ができたのが大きかったです。
今この瞬間に何かを生み出せれば、未来は変えていけるし、自分たちの手で作れるんだ、ということを感じました。
未来に漠然とした不安を抱えていた自分にとって、大きな発見でした。一人では気づけなかったことなので、みんなには本当に感謝しています。
ー仲間と一緒だったからこその気づきがあったんですね。昨年は、大きなプログラムを立ち上げられたんだとか。
内省とアート思考を取り入れた「Korecolor(コアカラー)」ですね。
自分のコアを見つけて、これからの未来を描いてもらうことを狙いとした、3ヵ月にわたる自己発見プログラムです。
それまでは単発のものばかり企画していたのですが、こちらは全6回のプログラムで、2週間に1回のペースでやっていました。
1回終わる度に次を考えて、ということを繰り返していたのでかなり大変でしたが、良い取り組みになったと思っています。
ーKorecolorを作りたいという背景は何だったんでしょうか?
人の個性や思い、願いにそれぞれが気づく場を作りたいという、原体験を機に抱いた思いを実現するためでした。
自分はコーチングで1対1でやってきましたが、KOREWOKINIでは深くじっくり内省する場を作れていなかったので、みんなでやりたいと考えました。
自分の強みってなんだろう、と悩む人は多いと思うんです。でも、すでに持っているのに気づいていないだけで、必ずみんながもっているもの。
異なるバックグラウンドをもつ人たちと活動してみることで、得られる気付きを狙っています。
ー強みや自分の感情に気づいてほしい、という願いがあったんですね。逆に、自分の弱みとはどう向き合っていけば良いんでしょうか?
私も弱みとは今も向き合い中ですね。例えばですが、朝が弱いのが弱点で(笑)
でも、そんな弱みをフォローしようとしてくれる人もたくさんいて。周りの方々に支えられているなということを感じます。
強みを持っている人と何かをする、というのも良いかもしれないですね。
自分軸で生きる人を増やし、個が輝く組織をつくる
ー現在はどのような活動をされているんですか?
コーチングをやっているなかで、人が変化する感動的な姿に何度も立ち会ってきました。
でも、会社で過ごしているうちに元の自分に戻ってしまった、という人も少なくなくて。そ
一般的には、ワークライフバランスと呼ばれますが、私は「ワークライフ・インテグレーション」と呼んでいます。仕事の自分して、またプログラムに帰ってきてしまう。
会社員にとっては、仕事の環境がその人を作っていると思うんです。実際、プライベートと会社での自分を変えている方が多いように感じます。
現在は、会社員の方々が本来の自分のまま働けるように、Korecolorのプログラムを企業向けに開催しています。
ーワークとライフの融合ですね。実践するにあたって、一番大事なことは何ですか?
とプライベートの自分を、切り分けるのではなく融合すべき、という考えです。
そのためには、まず自分はどんな存在なのかを知っておく必要があります。
好きなものって、共通要素があると思うんです。
自分は何にワクワクして、何に感動するのか、仕事やプライベートという枠を外して考えてみてください。見つかったものを言語化してみて、仕事に当てはめ直していくことで、自分軸をもって働けるようになると思います。
また、私自身もワークライフ・インテグレーションを実現したい、と思い転職をしました。
ーかねてから準備されていた転職も乗り越えられたんですね。これから挑戦したいことについて教えてください!
一人ひとりの可能性を大きくした上で、チームで何かしたいです。
今は、個人に向けてはできているものの、集団へのアプローチができていないと感じています。
そのために、現在は組織開発について学んでいます。
生き物である人間が集まった時に、どういう仕組みを作るのが良いかを日々考えています。
それぞれの色をもった人々が集まることでさらに輝きを放つ、そんなチームづくりをやってみたいですね。
ー最後に、U-29世代の皆様へメッセージをお願いします!
何を楽しいと感じて、何にワクワクするのか、自分の原点についてぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
日々やること(Doing)だけでなく、在り方(Being)を意識してみることで、仕事でもプライベートでも充実した自分らしさを得られると思います。どんな姿でいたら周りにも良い影響を与えられるか、を考えていただきたいです。
私もまだまだワークライフ・インテグレーションを実践中です。仲間になってくれる方がいれば、ぜひ一緒に頑張りましょう!
ー加藤さんのこれからの挑戦も応援しています!お話ありがとうございました!