情熱は行動の原動力となる。ベーシック・藤田てるみが考える、人生の歩み方とは

ビジネスの世界に可能性を見出し、営業職へ転身

ー転職したきっかけを教えてください。

プロダンサーになることが難しいと感じていたときに、ダンスの先生が元リクルートの方で、営業職だったことを知ったのです。

その方や、ダンス仲間の話を通じてビジネスへの興味が深まるなかで、良い製品やサービスがあったとしても、営業がいなければ売れない、つまり営業が全てのビジネスの基礎なのではないかと思ったことが転職のきっかけです。

営業職に興味を抱き、人材派遣会社の営業職となりました。新しいことへのワクワク感を抱きながらも、当時はひたすら飛び込み営業の毎日でした。体力と精神面の勝負で、1日70件もの飛び込み営業を行うこともありました。

根性が必要な仕事でしたが、転職して初年度の新入社員の中で表彰を受けることができました。

ー異業種で仕事をするにあたり、どんな要素がこの結果を生み出したのでしょうか。

結果を出している人の真似をすることです。あとは根性と、自分に合う効率の良い方法を見つけるために、工夫しながら考えつづけることですね。

自分と向き合うため、一度仕事から離れる決断をする

ー順調にお仕事をされるなかでご自身はどのように考えられていたのでしょうか。

4年間営業をしましたが、初年度に表彰されたことで、若干燃え尽きてしまっていました。

そこから最年少でリーダーを務めたことはプラスになりましたが、1年半ほどでやりきったように感じてしまって。そこから徐々に転職を考えはじめました。

当時は明確にやりたいこともなく、息子を出産する時期とも重なったので、一度仕事から離れ、1年半ほど育児休暇をとることにしました。

ー仕事に情熱を傾けていたなかで、今後について一度立ち止まった理由は何だったのでしょうか。

人材紹介をするにあたって、勢いで転職を決めてミスマッチが起きるケースを多く見てきました。そのため、自分で本当にやりたいことが決まるまでは動かない決断をしました。人生で初めて立ち止まった時期でした。

私は仕事を休んでいる期間中、自分と向き合おうと決めます。書くことが好きだったので、ノートに「今後やりたいことは何か・自分に向いていることとはなにか」などを書き出し、自分に向いていることや自分の強みが発揮される環境を考えました。

そして、子どもを保育園に預けられる目処が立ったことと、会社がこれから新規事業を立ち上げていく話を聞き、自分が今後やってみたいことと合致したため、仕事に復帰することにしたのです。

ー冷め切った熱をもう一度温めることは労力が必要に感じますがいかがでしたか。

育児をするなかで、育児一本ではなく、仕事にも注力したいという気持ちが徐々に強くなったので、苦痛ではありませんでした。むしろ時短勤務ではありましたが、仕事ができる喜びを感じました。

仕事をするにあたって、必要なことは合間で勉強して、アウトプットをし、事業をどうすれば軌道に乗せられるか日々話し合いました。

新規事業とはいえゼロからの立ち上げではなく、1つのお客様へ提供していたサービスの枠組みを他社へ展開していくプロジェクトでした。

私がサービスを企画するわけではなかったのですが、販路やどこにリソースをかけるかなど、まだ定まっていないことが数多くありました。

私はこれをチャンスと捉え、チームの方向性を定めるため積極的に発言をしました。苦戦はしましたが、仕事から復帰し、チャレンジできたことは良かったと思います。

しかし、やりがいを感じる一方で、次第にマーケティングを突き詰めたい気持ちが強くなりました。中でも特にWebマーケティングに興味を持っていたので、自分のやりたいことにマッチする環境、会社を探すことにしました。

ーWebマーケティングの何に惹かれたのでしょうか。

営業は営業担当やトーク力で商品やサービスが売れることがありますが、最近は法人間の取引でも買う側が事前に情報を調べて買うパターンが増えています。

良い商品やサービスを、正しく訴求できていれば営業の人の良し悪しで選ぶことはないはずです。企業同士の正しいマッチングができたら良いなと思い、Webマーケティングに興味を持ちました。

当時所属していた人材会社で、データの活用化や、Webマーケティングを活かした売上拡大の仕組みを提案してみたのですが、業界の特性もあってすぐに変わることは難しく、時代の変化に対してより柔軟に対応できる会社に転職することにしました。