悩める子どもの居場所をつくる。草薙カルテッド・一岡柊希の無理をしない生き方とは

イベント企画を通じてやりがいを見つけた大学時代

ー不登校期間を経て大学に進学されましたが、大学時代に特に力を入れて取り組んだことはありますか?

コロナ禍で学園祭が中止になった大学3年生のときに、草薙の周辺地域や他大学と連携してイベントを企画したことですね。

パフォーマンスの場がなくなった大学のクラブやサークルの声を受けて、学園祭に変わるプチ文化祭のようなイベントを企画したときに、ご縁があって実現したのが草薙というエリアでした。

さまざまな制約がある中、どうやって企画を実現するかを考える時間は楽しかったです。

ーイベントの企画運営を通じて、新たな気づきや発見はありましたか。

イベントの企画経験を含め、自分の過去を振り返って残りの大学生活で何ができるかを考えたときに、寺子屋のような居場所づくりに興味が湧いたんです。

そこで、静岡県内にある寺子屋を探しまわり、僕の理想だと感じる寺子屋に出会えました。お寺が運営する本格的な寺子屋だったのですが、子どもの意見に耳を傾け、否定せずに見守る姿勢を徹底する姿に感動しました。

僕もいつかあの寺子屋のように子どもたちが過ごせる場づくりをしたいです。

ー就職活動では、どんな軸や考えを持って企業を選びましたか?

僕はいわゆるスーツを着た就職活動はしておらず、会社の理念や価値観に共感してできるかどうかの感覚を大切にしていました。

草薙カルテッドに対しては、街づくり自体への興味よりも、ルールに縛られない自由な雰囲気や活動への想いにピンとくる部分が多かったんです。学生時代から間接的に運営に携わってきた経験もあり、草薙カルテッドへの参画を決めました。

ー子どもの居場所をつくる選択肢として、教師になる考えはなかったのでしょうか?

大学受験をするにあたり教師になりたいと考えた時期もありました。でも、教師として担任クラスの生徒に寄り添う形以外にも、子どもが安心していられる居場所は作れると気づいたんです。

教師になることは、夢をかなえる手段のひとつでしかない。寺子屋のように子どもが集まれる場づくりができる活動を追求した結果、現在の仕事に辿りつきました。

自分の信念を信じて。つながりを生む場づくりに込めた想い

ー草薙カルテッドに参画して携わったプロジェクトについて教えてください。

企業と学生、企業同士など立場を超えた交流をもっと増やしていきたいという想いのもと、月1回ほどのペースで地域の方々をお呼びして、対面でのワークショップを開催しています。

何か新しいことをやりたいと思っても、知らない人同士の連携ではコミュニケーションが取れません。新たなつながりを持つきっかけとなる場の提供に力を入れています。

ー22歳ですでに多くの経験をされている一岡さんですが、今後の展望を教えてください。

まず、静岡県内でのコミュニティづくりに注力したいです。就活中の学生や社会人1年目が集まって特有の悩みや葛藤を共感しあえるコミュニティや、静岡を盛り上げる企画を考える場を作りたく、友人と画策中です。

将来的には田舎に住んで、子どもたちの居場所となるような寺子屋を運営したいですね。

ー最後に、自分らしい生き方やキャリアに悩むU-29読者へメッセージをお願いします。

人生には、小学生や社会人1年目などそれぞれのタイミングで悩みや葛藤があると思います。大きな悩みでも小さな悩みでも、解決せずに済ますのではなく自分の中でなぜそう思ったのかを突き詰めてみてください。

辛いことや大変なことに直面すると逃げたくなる場面もありますが、自分の抱える問題にしっかり向き合うことが大切です。できることなら、自分の中から出てきた感情を対話を通して言語化する機会を持つことをおすすめします。

「自分の言動に間違いはない」と信念を感じられるなら、嫌なことはしなくていいし、ときには逃げてもいい。環境を変えることで新たな出会いも生まれるので、逃げた先で新しいことにどんどん挑戦すればいいと思います。

ーありがとうございました!一岡さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:山本佳奈(Twitter
執筆:石崎リカ(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter