成功体験には、新たな懸念も付いてくる。目指したのは「新しい労働のカタチ」
ー事業で良い変化を感じは始めた時期はいつですか?
担当していたテイコウペンギンというYouTubeアニメのコンテンツが伸びた時です。初動は月並みだった数字が、ある瞬間に明らかに跳ね上がりました。
頭の中にアドレナリンが大放出されたのを覚えています。「当たる瞬間はこうなんだ」と強烈に実感しました。
「テイコウペンギン」は社会の理不尽に抵抗する社畜ペンギンのお話。
もともとTwitter漫画家さんの作品のアニメ化ですが、社会の理不尽に抵抗する構図は個人的な思いと重なる部分も多く、かなり愛着を持って毎話の動画を出していました。
その後も順調に伸び、、売上を担保しながら新しい人材を採用し、組織を拡大していきました。
ー会社が変化する中で、林さん自身の中でも変化は起きましたか?
人数が少ないうちは自分ごと化もしやすく、それぞれが「自分と組織の目的のため」に会社というシステムに参加していたと思います。
しかし組織が拡大すると、会社の構造の端っこから「言われたことをやってお金を貰う」という労働の形が垣間見えるように。
『時間=命』を切り売りして労働の対価を得る。その労働の形は、まさに自分が嫌悪したカタチです。「結局、うちの会社でもこの構造が生まれるのか」と嫌気が差し、とはいえ組織を止めるわけにもいかず、悶々とした日々を過ごしていました。
ー新たな変化を起こすために実行したアイデアを教えてください。
そんな中、偶然「ティール組織」という本に出会いました。目から鱗で、「求めていたものはこれだ!」と熱中して読みました。
詳細は割愛しますが、「ティール組織」の思想を取り入れ、人を部品のように扱うのではなく、個人として想像性が発揮できるような組織にしたいと強く思いました。
その方が作品は面白くなり、持続可能性や個人が発揮するエネルギーの観点からするとより合理的であり、好きを仕事にしやすいエンタメ領域で、自社コンテンツを持つPlottならそれが実現できるのではと。
奥野もそういった組織にしたいという想いがあったこともあり、変革を決定。価値観とシステムの両方の側面からアプローチを始めました。
- ミッションを「本気のアソビで世界をアッと言わせよう。」に。
=自分たちが楽しんで遊ぶように働き、世界がアッと言うような作品を生み出す。 - バリューを「心に目を向けよう」「分かち合おう」「やっちゃおう」に。
=まず自分の心に目を向け、メンバーと分かち合い、自律的に行動していく - 組織のOSをヒエラルキーから「ホラクラシー」に。
=自律的な働き方を可能にするために、上司や部下の概念のないホラクラシーの導入。
心から楽しんで働くことで本当に面白い作品が生まれ、ユーザーが楽しんでくれる。結果として組織が大きくなり、多彩な才能が集まり、とんでもない作品が生まれる。
Plottのこの世界観は現在も進捗中ですが、かなりいい方向に進んできたと感じています。
あなたがしたいことは何ですか?「自分の人生を、自由に生きる」ために
ー現在のPlottについて教えてください。
Plottが目指すのは、全員が自律的に働きつつも、同じ方向を向きながら、各々の能力を発揮している集団です。
コンテンツやクリエイティブが好きな人や、人生の目的に据えたいと思っている人であれば、ぜひPlottへの入社を検討してみてください。マッチすれば、遊ぶような働き方が実現できると思います。
ーこれからの林さんがPlottとして挑戦したいことを教えてください。
僕は元々「自由に生きるため」にお金が欲しかった。しかしそのためには、リスクも努力も時間もかかる。
それならば、会社での労働の価値観を「各々のやりたい人生が送れるシステム」にすれば、僕のような遠回りをせずともやりたいことができる人が増え、社会にとっても幸せなカタチになるんじゃないか。
この思想の元に、Plottを理想的な組織に作り上げることを至上命題としています。
その上でヒットコンテンツを生み出し、上場することで社会に「各々が人間らしく働く会社でも資本主義の中で生きていける」というインパクトを与えるのが、今の僕が達成しなければいけないことだと思っています。
ー最後に、U-29世代へメッセージをお願いします!
「自分が何をしたいのか」を強く意識し、大切にしてください。
社会とは「個々人のやりたいこと」の集合体です。自分の意志を持たなければ、すべての行動は「誰かの目的を達成するための手伝い」と変わりません。
人生において最も大きなリスクは「自分の人生を誰かに奪われること」。それを避けるためなら、他のリスクはどれだけ負っても構いません。
自分のやりたいことに向かって挑戦していきましょう!
ーありがとうございました!林さんの今後のご活躍を応援しております!
取材:武海夢(Facebook)
執筆:METLOZAPP(Twitter/BLOG)
デザイン:高橋りえ(Twitter)