ROYが旅を通して学んだ、自ら意思決定し、何事にもポジティブに挑戦する生き方とは

新しい旅の形としてゲストハウス開業に行き着く

ーその後独立したそうですが、どのような転機があったのですか?

インターンの2年間、北海道からリモートで働いていたこともあり、時間や場所に囚われず働くためのスキルを完全ではないながらも身につけつつありました。

自分の事業をやりたいから独立するというよりは、挑戦する予定だった自転車世界一周旅ができる働き方を考えた結果、フリーランスとして働く決断をしました。

ー独立後コロナの影響で旅もできなくなり何か心境の変化などはあったのでしょうか?

コロナの影響もあり予定していた世界一周の旅ができなくなりました。ただ、悩むタイプではないので、仕事をしてお金を貯めてコロナが収まったらまた行けばいいかという感じでしたね。

その後、前職の繋がりでありがたいことにカメラや写真、映像系のお仕事をさせていただくようになりました。旅を広めるために仕事をしていたのですが、そのための行動はできていなくて。

独立して生活できるまでにはなったものの、自分が本当にやりたいことや軸はなんだろうと考えるようになりました。

ーそれから北海道安平町でゲストハウス開業に至ったのはどうしてなのでしょうか?

ある程度コロナが落ち着いたころ、「ようやく旅ができる!」とワクワクしながら日本を旅しました。そこで目にしたのは、かつての自分が好きだった旅の形とは全く異なった、「人と人が関わらない旅の形」でした。

「あれ、僕の好きな旅ってこんなんだったけ…?」と違和感を覚えました。

そこから「自分に何ができるだろう?」と考えたときに、多様な人が集まり、その人たちがつながる空間が好きなことに気づくのです。自分はコミュニティマネージャーやイベント事業なども行なっており、過去の経験を活かした事業ができないかと考えた結果、ゲストハウスがぴったりだと思いました。

また、せっかくなら自分の大好きな地元の北海道を盛り上げようと思い、東京から戻ることを決めたのです。北海道のどこにゲストハウスを作ろうか探している時に、安平町の地域おこし協力隊を募集している起業家育成プログラムを知人が行なっていると聞き、現在に至ります。

ーゲストハウス開業に向けてどうでしょうか?

安平町の行政のフットワークも軽く、役所の方も「協力できることあるならなんでも言って」と協力的です。また以前、北海道で震災が起きて影響があった町の1つでもあるため「活性化させる為に新しいことをどんどん取り入れていきましょう」という姿勢で、とてもやりやすいです。

ー現在準備中のゲストハウスについて教えてください

ゲストハウスの名前は「VACILANDO(バシランド)」と言います。スペイン語で「どこに行くかよりも、どんな経験をするかを重視した旅をする」という意味です。偶然本で見つけて、今の時代の旅に必要だなと思い名付けました。

また、ゲストハウスの空間作りは非常に難しいと思っています。最初に泊まってくれる人同士が仲良くなるまでが難しいと思うので、交流できる仕組み・ルール設計や、リビングのデザインや家具などにこだわって人との繋がりができる空間を目指して進めています。

ー改めて旅の魅力はなんだと思いますか?

自分が旅に行くきっかけもたまたま居酒屋で飲んでいるおじさんと話して旅に興味を持ったので、やはり人との出会いだと思います。今となっては名前も連絡先もわかりませんが、いつかお礼がしたいですね。あのときのおじさんも、まさか自分の人生がこんなにも変わっているとは知らないと思います(笑)。

そのような一期一会の出会いや、チャンスをたくさん増やしてくれるのが旅の醍醐味だと思います。

ー今後やっていきたいことや実現したいことはありますか?

今後のキャリアに悩んでいる人が来ていただき、そこで様々な人に出会い、話を聞いて「このような生き方があるんだな」や「こういう事業が面白そう」などと気づくきっかけにしてもらえるような場所にしていきたいです。

ーありがとうございました!ROYさんの今後のご活躍を応援しております!

ROYさんは現在、ゲストハウスの開業にむけて8/7までクラウドファンディングを実施中です。

>>「北海道安平町にゲストハウスを作りたい!」クラウドファンディングの詳細はこちら

取材:和田晶雄(Twitter
執筆:嵩原陽(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter