フリーランスの「信頼の象徴」に。穂刈正樹が見据える将来とは

仲間が戦いやすい土俵を作るために

ーフリーランスコミュニティの運営を引き受けようと思った背景は何だったのでしょうか?

「肩書きは信用になり、それが信頼や仕事の依頼に繋がるのではないか」と思ったのがきっかけです。やはり働くうえで所属や肩書きがないと信頼されず、当然企業からの案件もとれません。

学生のときは「学生」がひとつの肩書きでありアドバンテージでした。私に限らず「学生でフリーランス」や「学生で社長」というのは、その物珍しさからちやほやされたり優秀だと思われたりするため、たくさんのチャンスをもらえます。

しかし、いざ卒業して「フリーランス1年目」しか肩書きがなければ、ただのニートと思われかねません。私自身は何も変わっていないのに周りからの評価が一変し、チャンスの数も変わります。それくらい肩書きが大事だと思っていて。

信用の積み重ねが信頼に繋がるため、その「信用」という点でFreelance Nowの存在は大きかったです。結果的に当初の考え通り、肩書きが信用となって私をよい状況に引き上げてくれました。

ー引き受ける際にためらいや不安などはありましたか?

いえ、需要が間違いなくある団体で何かをするというのは難易度がかなり低いのではないかと考えていたので特に不安はありませんでした。

Freelance Nowはその頃から定期的に100人ほどのフリーランスが集まるイベントをしており、企業さんからの依頼も毎日のように来ていたため需要があるのは明らかでした。

また、大学卒業してからの3〜4年で0→1は向いてなさそうだと気づいたことで、1→10の方が戦えるかもしれないという希望があって。何かを一発当てるよりも、確実にできるけど儲かるか分からないほうが、精神的にも向いていると思いましたね。

ー今の働き方はご自身に合っていると思いますか?

そうですね、私自身は魅力的な人たちを支える方が向いていると思います。起業していろいろしているうちに、表に出ない方が向いていると気づきました(笑)。

目立ちたい気持ちがなかったわけではありませんが、外から見て人を惹きつける力が違うなと。例えば福島さんや最近入ってくれた学生兼社長の松崎さんと同じツイートをしても圧倒的に反響が違うんですよね。

人に魅力を感じてもらう力は他の人のほうが高いため、私は物事の大枠や仲間が戦いやすい土俵を作ろうと考えています。土俵が整っていなければ、その魅力的な人がどれほど自分なりに動いたとしてもだめになってしまうので。

ー素敵な考えですね!最後に穂刈さんの今後の展望を教えてください!

29歳になりお金にも時間にも余裕が出てきたため、仲間や近しい人たちがより活躍できる仕組みや集団として戦える体制を整えることで、自分自身も自分に関係している人たちもみんな幸せに生きていければと思います。

かつての福島さんのように、実力はあるけれどそれを活かしきれていない人たちに機会を提供し、お互い支え合えるようになればいいなと。エネルギーのある人たちとゆるく楽しくできたらうれしいです。だからこそ、かつての自分や福島さんのようにくすぶっている方は気軽に私たちに連絡いただけると嬉しいです!

また、これから社会がどれだけ変わろうとも、人との関わりの中でお金を使うことは変わらないと考えています。だからこそ、人と人との繋がりや誠実さを大事にしていきたいです。

ー本日は素晴らしいお話をありがとうございました!穂刈さんの今後の更なるご活躍を楽しみにしています!

取材:和田晶雄(Twitter)
執筆:庄司友里(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter