今の瞬間を探求する!辻雄貴空間研究所 笠原大が人生をかけて目指し続けるものとは

ー循環型アートは具体的にどのようなものなのですか?

自然の中で価値のなくなった植物を素材とし、作品に変えるものです。竹林や森林を訪れ、生えている植物を集めて大きな作品にしたり、舞台の空間デザインに利用したりします。

日本は高齢化社会の進行とともに、手付かずの竹林や森林が増えてきています。1種類の植物が多くなると、自然のバランスが崩れたり、土砂災害の原因となってしまいます。

循環型アートの作品は自然のものでできているので、粉々にするとコンポストになり、使った後もリユースできます。コンポストを農家の方に渡して、サイクルを循環させていくイメージです。

環境に良く、価値がなくなってしまったものに価値をつけて、循環させる。誰も目をつけていないものに目をつけて、お金になるのは面白いです。

ー笠原さんご自身は華道をされるのですか?

私はたまにする程度です。会社の代表である辻雄貴が作品を作っていて、私は経営戦略や事業促進に携わっています。

私は、日本の伝統に循環型の思想が隠れているのを知りませんでした。日本の昔の生活に循環型の思想が隠れているのが面白かったです。無駄のない、もの作りが何代にも受け継がれ、大切にされているものが多くあります。

日本人がもともと持っていた、価値のないものに価値をつける思想をよみがえらせたいです。プロダクトの奥深くにある思いや考えが広まったら面白いと思います。

過去にとらわれず、今の瞬間を生きる

ー今の瞬間を大切にされている笠原さんですが、今後の展望はありますか?

世界を変えたいです。自分の信じるものを通して、何かひとつでも気づきを与えたいと思っています。

生け花の思想は、価値のないものに価値をよみがえらせたり、物を大切にしたり、人と人との繋がりがあったりと多面的です。私たちの活動を通してさらに広まってほしいです。

個人的に作っているコンブチャも世界に広めたいと考えています。日本人のフレンチシェフとコラボして、コンブチャに日本の要素を取り入れた料理のペアリング用ドリンクを計画しています。来年はフランスでラグビーワールドカップが開催されます。私がイギリスに行ったきっかけでもある、憧れのJonny Wilkinson選手と対談してコンブチャを広めたいです。

ーなぜコンブチャを広めようと思ったのですか?

私は自分のWell-being(ウェルビーイング)を探していて、コンブチャは健康に良いと思いました。コンブチャは身体の健康で、腸内環境を改善するだけではなく、メンタルやマインド、見えない部分も改善する可能性が秘められていると思っています。

日本はうつ病やメンタルの病気が多いので、それを解決したいです。コンブチャが飲料になるだけではなく、社会問題を解決するツールになったら良いです。

Jonny Wilkinson選手もワールドカップで優勝した後、うつ病を発症しています。うつ病を乗り越え、自信の体験を発信している方と対談したいです。

ー最後にテーマに込められた思いを教えてください!

過去の経歴や経験から物事を考える人が多いと思いますが、私は過去に目を向けたくないです。「今の瞬間に何を感じ取り、何に心を動かされるのか」それだけです。

今の瞬間を忠実に生きたとき「自分の想像を超えた世界に出会えるのではないか」と思っています。

日本の社会は流されやすかったり、一歩踏み出しづらかったりしますよね。社会的に正しいことは何か、大衆が考えていることを無視し続けられるかを考えています。

ーありがとうございました!笠原さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:渡邊眞雪(TwitterInstagram / Facebook
執筆:後藤優奈(Twitter
編集:本庄遥(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter