今の瞬間を探求する!辻雄貴空間研究所 笠原大が人生をかけて目指し続けるものとは

半年間の瞑想。自分と向き合う時間の大切さ

ー大学院を卒業された後、大きな転機はありましたか?

日本に帰国して、友達に会うとみんな就活をしていました。就活の話を聞くと「何十社も受けてやっと一社に内定する」といった感じで。私は「絶対にやりたくない」と思い、まったく就活をしていませんでした。

大きな転機があったのは、本屋でGoogleが出版する「Search Inside Yourself 」という本に出会ってからです。実践を通して自分の内側を探る本で、感銘を受けました。本を読んでから、半年ほど瞑想していましたね(笑)

瞑想をしていくうちに、空を突き抜けていく感覚に陥り、自分の中にある無限の可能性を再認識しました。空のように終わりがなく「常に自分は変幻自在なんだ」と体を通して感じたんです。

「世界を変えるために、20代で何をしたら良いのだろう?」と考えた結果「資本主義で生きているからお金の流れを学ぼう」と思いました。

幸運なことに、自分にあった企業を見つけ、応募すると入れました。

ー自分と向き合い、入社したところはどのような会社だったのですか?

「激務」と言われる証券会社の投資銀行部門です。証券会社は、大企業が新しい事業をするとき、債券を発行し、資金調達の手助けをするのが仕事です。

毎日のように日本の金利を見ていました。金利は、日本に限らず海外に影響して変わることもあるので、お互いにどのように影響しあって動いていくのかを学べました。

ー経済や海外のフローを学ばれて、その後は何をされていたのですか?

ラグビーワールドカップ関係の仕事をしました。勤めていた証券会社がラグビーワールドカップのスポンサーをしていました。私は社長と仲が良く「面白いことやろうよ。ラグビーワールドカップのことやったら良いんじゃない?」と言われたのがきっかけです。

ラグビーワールドカップの前と最中に選手や元選手を呼び、イベントを主催していました。

ーイベント運営はいろいろな方と関わり、進めていくお仕事だと思います。何か学んだことはありますか?



「人はお金に動かされるのではなく、人の情熱や思いに動かされる」
ということです。実際にスタジアムにいて、日本が勝ち進んでいくのに比例して、応援する人はどんどん増えていっていると感じました。

人は、生き様や戦いぶり、目に見えない部分に魅了されたり、応援したり、泣いたり、笑ったり、喜んだりするのだと学びました。

日本の伝統文化と自然で世界を変えたい

ー華道の方に進まれますが、どのような変化があったのですか?

デパートを歩いていたら、非常に大きな生け花の作品を見つけ、引き寄せられたのです。言葉では表せないワクワク感とエネルギーを感じ、しばらくその場から離れられませんでした。

作品を作った華道家 辻雄貴さんは、自分のスタイルを極めている方で「循環型アート」を掲げていました。

その頃は新型コロナウイルスの感染が拡大し、自分と向き合ったり、自然に触れたりする時間が増えていた時期でした。銀行部門に勤め、資本主義についてよく考えるようになり「自然が資本主義によって壊されている」と感じていました。

「循環型アート」という面白いキーワードに出会って、自分も何かできたらいいなと思ったのが華道に興味を持ったきっかけです。

作品を作った華道家の方に連絡をしたら「ぜひ一度お話しさせてください」とすぐに返信がきて、関係が始まりました。