様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第666回目となる今回は、株式会社トリピ代表・加藤さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。
医学部を休学して上京し、今は宿泊ギフトサービスをはじめとした3つの事業を展開している加藤さん。今までの経験を通じて、どんな状況でも自分を信じて行動していくことの大切さを話してもらいました。
21歳で大学を辞め、3つの事業を展開
ー初めに自己紹介をお伺いしてもよろしいでしょうか。
現在、株式会社トリピという会社の代表取締役をしています。株式会社トリピでは宿泊ギフトサービス『StayGift』や法人向けのデジタルマーケティングサービス、女子旅メディアなど大きく3つの事業を展開しています。
まだまだ小さい会社でフルタイムのメンバーは僕含めてたったの4人です。異例の体制の会社で、いろいろな働き方をしている兼業メンバーが37人くらいいます。21歳で大学を休学して上京し、悪戦苦闘しながら今に至ります。
ーいくつか事業内容がありますが、宿泊ギフトサービス『StayGift』はどのようなサービスですか。
これまで、宿泊体験をギフトするには、カタログギフトか金券しかありませんでした。例えば、ネックレスをあげるときにティファニーのカタログギフトや金券をギフトすることもあるでしょうが、実際はどのネックレスがいいか、一つ選んであげてギフトすることが多いです。
まさにそれをできるようにしたのが『StayGift』です。ホテルに宿泊できるチケットをギフトできるサービスで、オンラインで簡単にできます。
ーメディアはどんな方に向けて情報を発信していらっしゃるのでしょうか。
コンセプトとしては、女子旅のスポット探しに便利なメディアの位置づけです。おしゃれなカフェやインスタ映えするホテルなどの写真を掲載しているメディアです。
浪人して医学部を目指すも、違和感を覚える
ー18歳のときの状況をお伺いしてもよろしいですか。
高校生活が終わり京都大学に合格しましたが、元々医者志望でした。でも医学部医学科に合格したわけではなく、別の学科に合格したのです。私立大学には入れなかったので国立大学の医学部に入る必要がありましたが、センター試験に失敗しました。
合格実績を残したいと思い二次試験で挽回できる京都大学に合格しましたが、医学部に入るため入学せず、2年浪人しました。
ー医者を目指していたのは理由があったのでしょうか。
大きな価値を生み出したいと思っていました。周りの大人は「医者や社長が一番すごい」という意見が多かったので、医者を目指していたのです。ずば抜けたものを何も持っていなかったので、目指すこと自体を馬鹿にされていました。
ー浪人期間はどのような状況だったのですか。
18歳のときは医学部しか考えられませんでした。1浪目はまだE判定だったので雑念に紛らわされつつも頑張っていたのです。しかし、いざ医学部に合格できると確信できたときに、「やっぱり医学部じゃないかもしれない」という疑念が確信に変わり始めました。
その後無事医学部に合格したものの医学部入学をやめようと思いましたが、祖父母や家族に浪人時の費用を出してもらっていたという後ろめたさが強かったために、反対を押しきれずとりあえず1年だけ行くことにしたのです。
Twitterで情報を獲得し、上京
ー20歳で合格したあとはどのように過ごされていたのでしょうか。
2年生に進級するタイミングで挑戦しようと思い大学を休学して上京しました。Twitterで実際に起業している人を見て「これなら自分でもいけるんじゃないか」というのが最後の後押しです。Twitterがなかったら上京していなかったと思います。
書店に並ぶような有名な起業家しか知らなかったので、まずは有名な起業家をフォロー、その後その人がフォローしている起業家をフォローしていました。
ー休学して東京に行くことを決意しましたが、スムーズに決断できたのでしょうか。
医学部入試前からそうしたいと思っていたので、大きな決断ではありつつも自然な選択でした。休学は無料ですし、失敗しても海外留学するよりずっと学びになると考えました。
親や親戚は猛反対していましたが、入学前から宣言していたこともあり、なんとか押し切りました。当然ながら、お金の援助は全く得られなかったので、とにかく安いところへの入居です。
でも都心に住まないと意味がないと思い、渋谷にある起業家シェアハウスに連絡しました。空きがあると聞き、スーツケース一つで上京したのです。