ベネッセ溝口茉莉が『「最新学習歴」を誇れる社会』を目指すまで

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第681回目となる今回は、株式会社ベネッセコーポレーション社会人教育事業部・溝口茉莉さんをゲストにお迎えし、現在のキャリアに至るまでの経緯を伺いました。

社会人向けの動画学習プラットフォーム「Udemy Business」の新研修サービス「Business Online Campus」の立ち上げに従事している溝口さん。幼少期から現在まで続いているライフワークや「教育」・「学び」への想いについてお聞きしました。

ライフワーク「書くこと」との出会い

ーはじめに、自己紹介をお願いします。

この春で社会人8年目をむかえる溝口茉莉です。新卒で入社してから、『ベネッセコーポレーション』で働いています。初期配属から5年間は、中学・高校向けのテストや、教材の編集・開発・販促を担当していました。現在は社会人向けの動画学習プラットフォーム「Udemy Business」のサービス運営や設計に携わっています。

ー幼少期は海外で暮らしていたと伺いました。

10-14歳まで、父の仕事の関係でアメリカに住んでいました。

私の通っていたアメリカの学校では、本を読んで一・二行の感想文を毎日書く習慣がありました。幼少期から「書くこと」が当たり前の習慣に。

ー「書くこと」について、帰国後も続けていましたか?

中学2年生の夏に帰国し、ブログを通じて「書くこと」を続けていました。

きっかけは初めて携帯を買ってもらったこと。

当時、芸能人がブログで発信したり、携帯恋愛小説(携帯で執筆される恋愛小説)が流行っていました。アメリカで出会った同世代の友達らがFacebookで頻繁に発信していたのを見ていたこともあり、私もライトな気持ちでブログをスタート。「今日は部活で〇〇があった」など、日記をメインに発信を始めました。

ーブログを始めて、変化はありましたか?

ブログを読んでくれた友達が話題にしてくれたり、普段は話さない別のクラスの人と仲良くなるきっかけになったりしました。自分の発信が「次の日に誰かとつながるきっかけ」になっていったことがとても新鮮でした。とても嬉しかったです。

このことをきっかけに、社会人になった今でもnote(SNS)を通じて「書くこと」を習慣にしています。

ーまさに、ライフワークですね!

『ベネッセ』との出会いは、親の勧め?!

ー高校卒業後、どのような大学時代を過ごしましたか?

大学時代は、勉強4:アカペラサークル6の割合の日々でした。勉強では、英語の教職とメディア学を中心に学びました。

メディア学を専攻に選んだ理由は、「書くこと」にもつながる「発信」を幅広く学べると思ったからです。「書くこと」といえば文学部を選択する人も多いと思います。しかし私は、文学書など「読むこと」が好きではなく……。メディア学として専攻すれば、「書くこと」はもちろん、映像や動的な制作物を通じて「書くこと」以外にも「発信する手段」を広く学べると思い選びました。

しかしこの進路は親には詳細に相談せずに決めてしまいました。そのため、メディア学を専攻する代わりに、就職活動するときに困らない資格を取ることを強く勧められました(笑)アメリカに住んでいた経験もあったことから、英語の教員免許を取得することにしました。

ー就職活動の際、どのような経緯で『ベネッセ』に入社を決めましたか?

実は、これも母の勧めがきっかけでした(笑)

メディア学を専攻していたので、はじめはマスコミなどメディア系の企業を中心にみていました。母に就職活動の状況を話した時「あなたは教育なんじゃないの?」と言われました。これまで就職活動と教職を切り離して考えていたので、教育系の会社はそもそも選択肢にはいっていませんでした。

その後、教育業界の会社も見るようになりました。振り返ると私自身、アメリカで特殊な教育を受けてきた経験もあり、段々と教育業界に興味を持つように。結果『ベネッセ』にご縁があり、入社を決めました。

学校現場での気づき。教育で子どもを変えたいなら、私たち大人も変わらなければ…?

ー入社後、どのような業務に携わりましたか?

初めての配属は、岡山県の本社にて、英語教材を扱う部署でした。海外と連携する業務が多く、「アメリカで身につけた語学力を活かせる!私にしかできない仕事だ!」とやりがいを感じていました。

そんな岡山での3年間を経て、その後は東京の進路教材を扱う部署に異動しました。

ー進路教材を扱う部門では、どのような業務をしていましたか?

日本全国の学校を周り、先生に学生の進路に関する課題を伺い、教材に落とし込むという仕事をしていました。

「子どもたちが楽しく進路に向き合える教材を作りたい!」と熱い思いで学校に訪問していたのですが、現場の先生方は授業外の仕事も含めとにかく忙しそうにされていて……。子どもたちの可能性や夢を信じ、未来をサポートしたいと思っていらっしゃる一方で、しっかりと生徒と向き合う時間をなかなか取れていない現実に気づかされました。

この経験から、「子どもたちは、先生や周りの大人の姿を見て成長する。そんな子どもたちの未来を支援したいのならば、先生方に限らず、まずは我々大人が変わらなければならないのでは?」という想いが生まれ、「大人の生き方・教育」を意識するようになりました。