様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第652回目となる今回は、造園家の水野大地さんをゲストにお迎えしました。
造園業の傍ら、和紅茶のオンラインショップを運営している水野さん。造園家として活動する前は、教育の道を志していたとのこと。教育の道から、現在の仕事に従事するまでの決断に至った経緯についてお話いただきました。
教育現場での気づきと出会い
ーまず始めに、現在のお仕事について、簡単に教えてください。
今は愛知で造園業に従事する傍ら、Leveinという和紅茶のオンラインショップを運営しています。
ー学生時代に没頭していたことはありますか。
中学から卓球を始めました。友達に誘われてなんとなく入部したのですが、すごく楽しくて、没頭していました。
卓球はテンポが速いスポーツなので、全部を目で追うのではなくて、感覚に任せる部分もあって、そういうところが楽しかったです。
ー学生時代は卓球一筋だったんですね。高校卒業後はどんな道に進んだんですか?
教育か建築か迷っていたのですが、最終的には教育系の大学に進学を決めました。
在学中は、叔父が経営している学童保育でバイトしていました。並行して、里親として活動している夫婦の元でも、住み込みでバイトさせてもらっていました。
ー教育と建築の2つに興味をもったきっかけは何だったんですか?
建築というよりかは、インテリアデザインに興味がありました。「キラキラしたイメージがあって楽しそう」という軽い気持ちでした。
教育に関しては、部活後に後輩の練習に付き合うことも多く、「教えるのって楽しいな」というのがきっかけでした。
ー学童保育のバイトを通して学んだことはありましたか。
子ども達の中で喧嘩が起こった時に、どのように対処するべきか、というのはとても悩みました。僕自身すごく悩んでいたのに、子どもたちは次の日には喧嘩したことなんて忘れているんですよね。
毎日喧嘩ばかりするような子たちも、大人になれば普通に働いて、落ち着く子たちがほとんどなんですよね。人に何かを教えたくて教育の道に進んだのですが、大人が何か教えなくても、子ども達は自ら成長していくんだなと思うようになりました。
ー印象に残る出会いはありましたか?
里親夫婦の元でバイトをしている時に、自分の悩みを打ち明けたことがあるんです。その時に「自分にとっての幸せはなにか考えてごらん」と言われました。そんなこと考えたこともなかったので、印象に残っています。
自分が一番幸せに感じるのは、誰かといる時や会話をして笑っている時でした。「みんなが笑っている空間にいることが自分の幸せだな」と思い、今でも忘れないようにしています。
大学を中退し、教育から造園の道へ。
ーその後どのような経緯で造園の道に進むのですか?
21歳で大学を中退をして、話すのが得意になりたいと思って、アパレル企業に就職しました。接客は苦手だと思っていたのですが、やってみるとそれなりの売上を上げることができました。
どういう時に売れていたのかと考えると、「やる気のある時に売れていたな」と思いました。苦手なことでも、やろうと思えば出来ないことはないんだなと実感しました。
その後は建築の方に進もうかなと思い、仕事を探しました。しかし未経験から建築の仕事を始めるのは難しく、色々探しているうちに、造園の求人を見つけました。
建築って広い意味で見れば庭も入るなと思って、そこから造園の道に進みました。
ー庭のどういうところに惹かれましたか?
庭に惹かれたというよりかは、たまたま造園の求人があって、やってみたら自分はこの仕事が向いていると感じたんです。
モノづくり自体が楽しかったのと、人数も少なかったので、任せてもらえる部分も多かったのでやりがいがありました。
造園業から管理職へ。失敗から多くのことを学ぶ
ー造園の道に進んで、今に繋がっている出会いはありますか。
取引先の社長さんに「将来は人の上に立って仕事しないといけないよ」と言われたのが印象に残っています。
その言葉をきっかけに、管理職の仕事をしてみようと思い、ある企業にプロダクトマネージャーとして入社しました。
当時25歳だったのでマネージャーなんてやったことなくて、手探りの状態で仕事をしていました。部下として40歳くらいの人もいたのですが、その人からしたら「何だこの若いのは」と思うじゃないですか。
そういうのもあってなかなか上手くいきませんでしたが、人との距離感や接し方、どういう風に仕事を進めていけばよいのかなど、失敗もたくさんありましたが、学ぶことも多かったです。
ーこのお仕事はどれくらいされていたのですか。
半年くらいで辞めてしまいました。その後はハウスメーカーに転職をして、前職と同じような、管理職のポジションで2年程働きました。
ーハウスメーカーでの仕事はいかがでしたか?
アットホームな感じで、雰囲気はすごく良かったです。上司もすごくいい方で、僕のやりたいことを、好きなようにやらせてもらえました。
集客イベントとして、児童養護施設の子どもたちとクリスマス会をやったりもしました。住宅とは関係ないようなイベントもやらせてもらえて、とてもいい経験をさせてもらいました。