日本で初めてのソサイチチーム、エルアグア東京を創設
ー帰国してからはどのように過ごされましたか?
帰国してからは飲食店のキッチンやサッカースクールのお手伝いなどをしていました。僕は教員免許を持っていたのですが、ある日突然「非常勤でよかったら入れないか」と電話がかかってきました。非常勤として勤務すると同時に競技復帰することも決めたのです。
最初は働きながら社会人リーグでプレーをしていました。並行してソサイチにも興味が湧き、仕事、サッカー、ソサイチとハードな生活を過ごしていました。
ーソサイチを真剣に始めたきっかけを教えてください。
「ソサイチ日本選抜」のセレクションに合格し、日本代表としてスペイン遠征に行ったのがきっかけです。そこでソサイチの熱量が上がりました。本気で挑戦したいと思い、エルアグア東京を立ち上げたのです。
ー星野さんはソサイチ日本代表として国際大会を経験されています。国際大会で感じたことはありますか?
ブラジルでの試合を通して感じたことは、本当にどのチームもすごい強くて衝撃でした。週に5回はしっかり練習していると聞きました。「日本代表の即席チームでも勝てないよな」と思いましたね。日本でも他国のチームと同等、あるいはそれ以上の熱量を持ったリーグやチームを作りたいと思いました。
ー星野さんはソサイチで日本一も経験しています。ソサイチの全国大会はどんな感じですか?
想像を超える熱量を持ったチームのぶつかり合いのあった全国大会でした。各地域の優勝チームだけが参加できます(関東だけチームが多すぎるので優勝と準優勝チームの2チーム)試合は2日間で6試合行います。なのでチームの一体感が大事だし、人数も大事になってきますね。
ー大会の期間中に選手やチームがアップデートすることがあると思います。星野さんからみて、全国大会中はどんなプロセスでどんな変化が起きるものでしょうか?
全国大会はより気持ちが入ります。勝つために何ができるのかをしっかりと考え、大会を通してチーム全員がポジティブになったのを実感しました。それが日本一を取れた秘訣かなと思います。
大事なのは、自主的に行動すること
ーエルアグア東京の中で星野さんはどういった役割が多いでしょうか?
ムードメイカーでありながら、試合では「戦うぞ」と示せるようなキャラクターな気がします。チームの代表者ですが、自分が全部の役割をすることはありません。良い組織はリーダーが「俺が俺が」という組織ではないので。全員に役割を与えつつ、みんなが気軽に声を掛け合えるチームを作っています。
エルアグア東京が面白いのはキャプテンを1人だけ決めて、それ以外の選手は全員副キャプテン。最初から副キャプテンの役割があるので、いい意味で全員が「俺が俺が」というチームになっています。
ー当事者意識が芽生えやすいですね。
そうですね。自分が脇役だなんて思ってる選手は1人もいないと思います。
大人が子供に、大人が大人に声をかけるときにしっかりやれよと声をかけることはあると思います。しかし、それは管理者側の問題かなと僕は思います。システムさえしっかりしていれば、おのずと実践するし、自主的に行動するような気づきを促すのは大事だと思います。
自分の人生は自分で決める
ー挑戦や何かに取り組むときに途中で壁にぶつかり、諦めてしまう人が多いと思います。星野さんはどのように壁を乗り越えてきましたか?
私は目標設定がしっかりと決まれば、あとは行動するタイプの人間です。自分自身に言い訳をしたくないし、他人のせいにもしたくありません。ベクトルをいかに自分に向けるかで結果も変わってくると思います。
ーなるほど。本当に腑に落ちたなと思うタイミングはありましたか?
膝の靭帯断裂の大怪我から復帰するまでのプロセスですね。 落ち込んでいても仕方がないし、 それでも明日はやってくる。 目標を明確に、地道にリハビリを積み重ねていくしかない。 何事も、凡事徹底が大切であり、 如何にして自分自身をコントロールして挑戦し続けられるかどうかで勝負は決まると思います。
ー星野さんらしい目標の決め方などはありますか?
短期目標と長期目標を設定します。目標にどうアプローチするかに関しては自分自身で考えてから、難しい場合は周りに相談します。ただ、他人には流されないようにはしています。自分が誠意を込めて立てた目標でないと達成できないと思うので。
長期目標と短期目標をうまく使い分けて、目標までのプロセスは相談しながらまずは聞いて、しっかりと受け止めることを普段から意識しています。 あとは、目標達成した後の良いイメージを浮かべることはすごく大事だと思います。
目標が決まらない人は、他人に馬鹿にされるかなと思ってしまう。そこは気にしなくて良いと僕は思います。行動しない人ほど他人を馬鹿にする傾向がある。自分の人生を決めるのは自分なので、自分自身を信じ続けることが大切だと思います。
ー最後に今後の展望をお聞かせください。
1つ目は世界一になること。世界大会での優勝を目指しています。 以前、世界大会に出場した際は世界大会3位で終わってしまいました。限界を超えたいです。
2つ目は全国大会で連覇を達成すること。そうなったときに、より多くの方々にソサイチを知ってもらいたいというのが3つ目の目標です。ソサイチや、エルアグア東京を知って、少しでも試合を観にきてくれる方々が増えれば嬉しいです。
ソサイチはサッカーにもフットサルにも活かせるので、日本サッカー界に貢献したいと思います。サッカー好き、ソサイチ好きが増えたら、日本がワールドカップで優勝する姿が浮かびます。ソサイチを通じて、未来の宝である子供たちを育てて、そのためにも自分が手本であり続けたいなと思います。応援される、そして愛される選手であり続けたい。
ーソサイチで学んだことがそれぞれの競技の新しい学びに繋がる可能性が十分にありますね。星野さんの今後のご活躍を応援しております!改めて本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
取材:山崎貴大(Twitter)
執筆:吉川幸汰(Twitter)
編集:本庄遥(Twitter)
デザイン:高橋りえ(Twitter)