直感を信じて、動く!人とまちをつなぐコミュニティマネージャー小林ななみの原点

海外インターン。人生で一番泣いたできごと

ーコミュニティ開発とはどのようなことをされていたのでしょうか?

セブ市は平野部が少なく、郊外から働きにきた人の住む場所がない状態になっていて、私が研究していたロレガ地区では住民たちが墓石の上に家を建てて暮らしていました。そこでは、行政の区画整理ではなく、月1の住民会議が開かれて、どのようなコミュニティにするのか議論されていたり、ご近所さんの子どもたちを自分の子のように育てていたり、住民主体でまちづくりが行われていました。せっかく現地に行って活動していたにもかかわらず、自分は研究するだけで何もできていないことにずっとモヤモヤを抱えていました。

ーどのようにモヤモヤを解消されましたか?

現地で地域活性化活動をしている「WAKU WORK ENGLISH」との出会いでした。

WAKU WORK ENGLISHでは、当時流行っていたSkype英会話事業を行っており、その売上の一部を現地の子どもたちの英語教育に費用を回す、ソーシャルビジネスをしていました。自分がやりたかったことはこれだ!と思い、インターン生として入りました。

インターンでは、地域の子どもたちの親が働けるカフェの経営に携わることになったのですが、売上を上げることができず、カフェは閉店。

そのとき、働いていたスタッフに「全部うまくいかなかったのは、ななのせいだよ」と言われ、自分自身でも何もできていなかったことに、とても落ち込みました。今振り返っても、人生で一番泣いたできごとです。

ー辛いできごとでしたね。深く落ち込んだ理由は、当事者意識が強かったのか、実際経営を任されていたのかどちらでしょうか?

落ち込んだ原因は、現場で携わっているという責任感もありましたし、チームとしてうまく活動できなかったことです。いい場所を作っても、人が来ないと意味がないことを学びました。

海外での経験を生かすために新卒で集客の企画や海外×集客をする人材会社に入社しました。

ー海外という軸は変えなかったのですね?

はい。(笑)

タイのバンコクに2年間駐在し、海外就職の支援、事業の企画、海外で働きたい日本人向けのメディア運用を担当していました。

任期が終わり、日本に帰国。都内に住みながら同じ会社内で、日本で働きたい外国人に向けた人材採用の事業企画を担当していました。

そこでは、インターン時代にできなかった集客について多く学ばせてもらいました。

鎌倉でつながった縁、まちに出ることで広がる人生の可能性

ー仕事を辞めた理由は何だったのでしょうか?

一緒に働いていた仲間が会社を辞めたことが理由です。

以前から自分もまちで働く、まち作りに関わるコミュニティの仕事がしたいと思っていて、新しい道に進みたい気持ちもあり、仕事を辞めました。

辞めてからは、エリアリノベーションや一つの拠点を新しく開発して地域作りの拠点をつくっていくような不動産会社を検討したり、リノベーションスクールに参加したりしました。

その中で鎌倉でご縁をいただき、引っ越ししました。

ー鎌倉へ移住するきっかけとなったご縁とはどんな縁だったのでしょうか?

鎌倉というコミュニティのなかで、友人や大学の先輩がまちのコミュニティに関わる仕事をしており、キーマンとなる人との再会があったことです。

あと、鎌倉はセブ島でのコミュニティと似ているなと思ったこともきっかけの一つです。自分のまちのために何かしたいと思って集まってきている人が多く、そのコミュニティやまちに関わりたいと思いました。

一つの出会いは、何かのきっかけになると思っていて、普段から縁を大事にしています。

ーHATSU鎌倉にはどのようにしてジョインすることになったのですか?

友人がHATSU鎌倉の立ち上げをしていて、誘ってくれたことがきっかけです。

私は、まちのなかに出ると人生の可能性が広がると思っていて、その思いを持った人が鎌倉には多いなと感じました。HATSU鎌倉は”地域とつながる”がコンセプトだったので、起業家をまちが応援していく、という人とまちをキーワードにした仕事だった、ということも理由のひとつです。

ー新事業を始めたきっかけを教えてください。

コミュニティマネージャーをしているうちに、コミュニティキーマンがまちのなかに人をデリバリーする仕事を事業化したいと思ったことがきっかけです。

コンセプトは、まちのなかで頼れる友達を作ろう!です。鎌倉に来る新しい人たちと、すでに住んでいる人たちをマッチングさせるという、マッチングwebサービスを作りたいと思っています。

ワーケーションをしに来た人たちに、地域の人をコミュニティというテーマで紹介したり、コミュニティを軸に観光すること(コミュニティバケーション)をイメージしています。

ー今後の展望や挑戦したいことはありますでしょうか?

自然のなかで家族と過ごしたり、自然とのつながりを大事にした生活をしたいですね。

今行なっている事業の拠点を海外、セブ島、バリ島で海外展開や鎌倉と海外をつなげることにもチャレンジしたいです。

ー最後に、U-29世代へメッセージをお願いします!

「当たって砕けろ精神でいけ!」を伝えたいですね。不安な気持ちになることはあると思いますが、何事も挑戦し続けることが大事だと思います。

また、やりたいことが自分のなかになければ、身近な人に話すこともおすすめです。外に出て友達や上司、スナックのママに話すとか。(笑)

話を自分からしてみると、意外と新しい発見があります。自分から心のうちを開けてみることが大切だと思います。

ーステキなお話ありがとうございました!小林さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:黒沢朝海(Twitter
執筆:福吉奈々子(Twitter
編集:本庄遥(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter