雑誌制作に至るまで!『学生団体Knows』代表・金子新太郎の人生を変えた転機とは

心機一転!雑誌を通じて他者への貢献を目指す

ーシンガポールに行けないことが決まり、その後の目標はどうしましたか?

道東(北海道の東エリア)に行った時、道東でまだ知られていない「人や場所の魅力」を伝えるローカル雑誌に出会いました。

その雑誌を読んだ時、「まだ知らない魅力」から感化されることは、自身も経験したように「人生を変えるきっかけとの出会い」と近しい感じがしました。雑誌を通じて「北海道にいる学生の活躍」を伝えることで、「何とか自分を変えたい」と思っている人たちが感化されるきっかけを提供できたらいいなと思ったのです。

このアイデアが出てからは、「シンガポールではなく、北海道で雑誌を作ろう」一気に方向転換できました。

ー初めて雑誌を制作するにあたって、どのように行動しましたか?

雑誌の作り方も知らず、インターネットで調べることから始めました。あわせて、経営者や社会人の方にアドバイスをもらいました。幸いにも、1回目のベトナム渡航の中止が決まったあとは人脈を広げる活動もしており、役に立ったのです。さらにご縁がつながり、道東のローカル雑誌の編集長とも会えることに!その編集長に「大学生バージョンを作りたいです!」と相談して、雑誌の作り方を教えてもらえました。

ー雑誌の制作を進めていく中で、「自分の力の小ささを痛感した経験」があったと伺いました。その出来事について、教えてください。

雑誌の知名度をあげるために「学生エバンジェリストアワード」というコンテストに出ていました。「学生エバンジェリストアワード」とは、学生の活動の社会的意義にフォーカスしたコンテストです。

制作していた雑誌は、「3日でクラウドファンディングの目標額を達成」していたこともあり、地元の新聞紙や他のメディアに取材されていました。コンテストも最終審査まで進み、思い通りの賞がとれると期待していました。そんな気持ちで表彰式に参加したにもかかわらず、想像していた賞をもらうことができませんでした。

とても悔しくて、審査員にもアドバイスをもらいに行ったほどです。自分も受賞した学生のように、もっと上を目指したいなと思いました。

ー金子さんの「上」とは、どこを目指すことですか?

僕の中で「上」とは、社会や周りの人に対してどのくらいの価値を提供できるかが基準になっています。『Knowsノース』の活動は北海道の学生に、まだまだ広まりきっていません。そのため、幸せや価値を提供しきれていないと思っています。受賞した他の学生は、自分よりも大きな範囲で、大きな幸せや価値を届けていると感じました。僕も、そのくらい大きなことがしたいと野心を感じた瞬間でした。

一つひとつ積み重ねで、自分の理想は見つかる

ーこれらの経験を通じて、今後も大事にしたい価値観はありますか?

意識し続けている価値観が2つあります。

一つ目は「とにかく行動する」ことです。これはベトナムインターンシップの事前研修の出会いから意識しています。当時何もしてこなかった自分より、さまざまな行動や経験をしてきた学生に出会ったことで、「だらだらしている暇はない」「とにかく行動して、彼らに追いつきたい」という意識が生まれています。「とにかく行動する」を達成するために、一時期は「迷ったら3秒で行動する」というマイルールを決めていました。

二つ目は「他の人に与える」ことです。これまで「与えられるのが当たり前」で、自分から働きかける意識をしてきませんでした。しかし、経営者のように「生み出していく」人たちと出会う中で、これからの人生「与えられる側」と「与えることもできる側」のどちらにやりがいがあるか、意識するようになりました。すると「与えたことは、結局自分に戻ってくる」ことに気がつきました。「自分が誰かに与えることで、自分も幸せになれる」と気づいてからは、「与えること」も意識するようにしています。

ー最後に、U29世代にメッセージをお願いします。

大学生の出会いを振り返ると、1年生の時に経験したベトナムインターンシップの事前研修での出会いは、人生が180度変わる経験でした。しかし、人生にとって大きな出会いがあったとしても、急激に自分が「進化する」ことはないと思っています。進化するためには、一つひとつのきっかけを掴みに行き、少しずつ変わることが必要だと思います。

大きく変わろうと焦るのではなく、一つひとつの出会いを大切にして、一歩ずつ自分をアップデートしてください。そうすれば、理想の自分に近づけると思います。

ーありがとうございました!金子さんの今後のご活躍を応援しております!

取材:黒澤朝海(Twitter
執筆:長瀬ちか(Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter