心の温度が上がるコミュニティの探し方とは。副業イラストレーター馬場史織

友達からの依頼をきっかけに、自分らしさを発揮できる仕事に出会う

ー先ほど、馬場さんは昔からクリエイティブな作業が好きだとおっしゃっていましたが、新卒ではエンジニアを選択していますよね。

学生時代に漫画やイラストでお金は稼げないと聞き、イラストレーターの道を諦めてしまったのです。

昔から物語を考えたり、絵を描いたりクリエイティブな作業が好きで、高校生の頃は自分で描いた絵をpixiv(主にイラストや漫画を投稿したり、閲覧できるSNS)に載せて楽しんでいました。でも、稼げないなら趣味に留めるしかないな、と。

新卒ではIT系の会社に進みました。ですが、ずっと絵を書くようなクリエイティブな作業が好きだったので、アイディアを出したり、自分の発想を活かせたりする仕事にチャレンジしたい、と考えるようになったのです。

ーその後、一度は諦めたイラストレーターを副業で始めますよね。きっかけは何だったのでしょうか。

26歳のとき、幼馴染からイラストの仕事を頼まれました。その幼馴染は動画や音楽を制作しており、挿絵としてイラストを描ける人を探していたようで。そこで、私が昔から趣味で絵を描いていたことを思い出してくれたようなのです。

初めて趣味ではなく、“プロ”として受けた絵の仕事。すごく緊張しましたが、私が納品した絵を見て幼馴染がすごく喜んでくれて……。その仕事のおかげで、誰かのために絵を描くのは楽しいと感じ、もう一度イラストレーターを目指そうと思うようになりました。

好きなものを発信することで、新たな繋がりが生まれた

ー中高生の頃は自分の居場所がないと悩んでいた馬場さんですが、大人になった今は自分にとって心地いい場所をたくさん見つけていますよね。居心地がいい場所を見つけるためには、何が大切だと思いますか?

自分に合っている環境かを知るには、実際にコミュニティに出入りして見極めるしかありません。その際、「自分の心が温まるか」が大事な判断ポイントです。そこにいることで頑張ろうと思えたり、優しくなれたりとプラスの変化があれば、自分に合っている場所だと思います。

置かれた場所で上手くやろうとするのも素敵なことだと思いますが、合わない場所だと時間をかけても上手く行かず、頑張りすぎて心身ともに病んでしまう人もいます。しんどいと感じたらその場を離れるのも選択肢のひとつだと思いますね。

ー馬場さんの場合はイラストのように、居場所や新しいコミュニティを探す際は何か好きなことがあった方がいいと感じますか?

会話のきっかけにもなるので、もし趣味や好きなことがあれば積極的に発信するといいと思います。自分だったらイラストのように、好きなことを発信していると「どんな人」なのか認識してもらいやすくなります。

学生の頃は、イラストが趣味だと言うと「オタクっぽい」と線を引かれてしまう気がして、周囲には隠していました。しかし発信するようになってからは、知り合いから「イラストを描いてくれないか」と声をかけてもらうことが増えたのです。

趣味を周りに伝えたことで、仕事に繋がったり新しい人と出会える機会が増えたりしたので、得意なことや好きなことを発信してよかったと感じました。

ーもともとは発信が怖かったのですね。怖くなくなったきっかけは何だったのでしょうか。

これも、自分にとって居心地のいいコミュニティを見つけたからなのです。Webデザインやライティングスキルなどを学べる女性向けのキャリアスクール「SHElikes」に入会したことがきっかけですね。

SHElikesでは、自分のできることややってみたい仕事を積極的に発信している受講生がたくさんいました。その影響を受け「発信するのはタダだな」と感じ自分も発信するようになりました。

好きなことを「好き」と発信することで、誰かにとって価値のあるものだと気づくことができ、今では仕事としてイラストを描いています。もしSHElikesに所属していなかったら、今でも「絵を描くのが好き」と周囲に言えず、趣味でひっそりと描き続けていたかもしれません。

所属するコミュニティによって、自分の価値観が広がります。未来のためにも、自分の心の温度が上がるコミュニティを見つけられるといいですよね。

自分の心の向きに合わせて、居場所をカスタマイズしていきたい

ー最後に、馬場さんの今後の展望をお聞きしたいです。

自分のやりたいことや良さを活かせるコミュニティを、これからも探し続けていきたいと思います。気の合う人と暮らしたり、京都に戻って自然や文化に触れたりした暮らしも楽しそうです。

イラストレーターやライターとしての仕事も広げていきたいので、自分の心の向きに合わせて居場所をカスタマイズできたらいいですね。

ー馬場さんの今後のご活躍を応援しています。本日はありがとうございました!

取材:山崎貴大(Twitter
執筆:きどみ(Twitter
編集:仲奈々(Twitter
デザイン:安田遥(Twitter