「迷ったらわくわくする選択を」フリーランスベビーシッター増田あくあの後悔しない生き方

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第446回はフリーランスベビーシッターとして働かれている増田あくあさんです。保育士として働いた後、営業職に転職された理由や、フリーランスベビーシッターとして働きながらイベントの企画運営を行われているお話をお伺いしました。

ベビーシッターとして働きながら自主イベントを開催

ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

フリーランスでベビーシッターとして働いています、増田あくあと申します。静岡の伊豆出身で現在28歳で保育士、営業職を経てベビーシッターとなりました。もともと自分の好きなことを仕事にしたくてベビーシッターを副業としていたのですが、ありがたいことにリピーターのお客様が増えたためベビーシッターを本業に、フリーランスとなりました。

プライベートでは20代・30代向けのイベントの企画運営を行っています。家族のようなつながりを目指し、仕事で疲れている人を癒したい、などといったコンセプトに共感してくれた仲間と一緒に活動しています。

ー本業となったベビーシッターのお仕事について詳しく教えていただけますか。

業務内容としては、依頼いただいた日に保育園からの送り迎えや教えて欲しい、やっておいてほしいと依頼された内容を行うのがお仕事です。0歳から小学生のお子様を対象にしています。

副業として行っていた時はベビーシッターのサービス会社に登録していました。リピーターさんがつき、リピーターさんからお友達を紹介していただく機会があった際に直契約となりました。いろいろ考えた結果、既存のお客様との直契約は登録していたサービス会社の営業妨害にあたってしまうので登録していたサービス会社は辞め、個人で挑戦してみることを決意し、フリーランスとなりました。

ープライベートで行われているイベント企画についてももう少し詳しく教えてください!

学生時代にイベントを企画した時、とっても楽しかったんです。例えばプレゼント交換を行うクリスマス会。そんな大人になるとやらなくなってしまうものをあえてやりたいと思い、イベント企画を続けています。

イメージは気軽に相談できるおばあちゃんがいる駄菓子屋さんです。疲れた時に癒される場所、来てくれる人が楽しめるような工夫を行うことを大事にしています。家や職場以外の、居場所を提供できたらいいなと思っています。

 

子どもに関わる仕事がずっとしたかった

ー現在に至るまでのお話も聞かせてください。現在のお仕事を選ぶきっかけとなるような出来事はありましたか。

高校生の時に参加したボランティアで、保育園に行く機会があり、その時に子どもがとてもピュアで無邪気に思うがままの行動をしているのをみて、子どもに関わるお仕事がしたいなと思ったのを覚えています。

高校時代で記憶に残っていることは先生に言われた「たいして頑張っていない子に推薦をあげるほど世の中は甘くない」という言葉です。小さい頃は褒められるのが大好きで褒められるために常に全力で頑張っていたのですが、高校に入ってからは遅刻や学業を蔑ろにしていたことも多く優等生からは遠ざかっていました。先生に言われたその一言で、もっと頑張っていたらまた違った選択肢があったのかなと思ったり、どうせやるなら楽しく頑張って結果に繋げたいと思うようになりましたね。高校時代を全力で過ごさなかったことは実は今でも心残りです。

ー高校卒業後の進路はどのように決められたのですか。

教員になることも憧れましたが、推薦をいただくことができず、金銭的にも厳しいと感じたため、保育士になるための専門学校に進学を決めました。就職という選択も考えましたが、子どもに関わる仕事がしたいという思いがあったので後悔のないよう、自分のしたいことをしようと決めました。子どもたちには後悔のない人生を歩んでほしいという気持ちがあったので、今後子どもと関わるのであれば尚更、私自身がこれ以上後悔のない人生を歩むべきだと思ったんです。

ー専門学校生活はいかがでしたか。

奨学金を借りながら通っていたため、その返済のためのバイトと学業の両立で毎日必死でした。時給1000円程のバイトを6つほど掛け持ちし、最低限の生活費で抑えに抑えた結果、卒業時に奨学金を一括返済することができ、ホッとしたのを今でも覚えています。目標に向かってがむしゃらに動いていく中で、先生方や友人、友人のご家族、バイト先の方々等、沢山の方に助けて頂きました。本当に心から感謝です。そして本気で頑張れば目標を達成できると分かったことが自信にもなりました。

 

保育士から営業職へのキャリアチェンジ

ー卒業後は予定通り保育士になられたものの、その後転職を決意されるんですね。

はい。保育士として働く中で将来のキャリアについて考えるようになり…自分にとって1日10時間程度働いて手取り15万円程度というのが当たり前だと思っていたのですが、とある人にそれは決して当たり前ではなく働く場所を変えたらもっと可能性は広がると言われたことが転職するきっかけとなりました。大好きな仕事で、資格まで取ったし…と迷いましたが、何かの書物で『迷ったらワクワクする選択を』という言葉に影響を受けた事で早く決断して動けたなと思います。

ー営業職への転職を選ばれた理由は何だったのでしょうか。

掲げた目標に対して一番わかりやすく結果がでるのが営業職かなと思ったからです。また、コミュニケーション能力も磨きたいと思っていたので、営業職はぴったりだと思いました。求人広告会社の契約社員として入社し、その後も複数の会社で営業職を経験。その傍らサービス会社に登録し、ベビーシッターとしても副業で働いていました。

ー営業として働く中で学びはありましたか。

『改善のスピードを速くする』『その道のプロから学ぶ』この2点です。うまくいかない時は本を読んだり、Yその道で上手くいっている人から素直に学ぶ姿勢が大事だと学びました。慣れてきたり、ちょっと結果が出てくると忘れてしまいがちですが、常に謙虚に、上手くいっている人から徹底的に学ぶ事を今でも大事にしています。

 

人を集めるのではなく人が集まってくるイベントを目指して

ー現在行われているイベントの企画運営はどういった経緯で始められたのでしょうか。

イベント事業をされている方とお話する機会があり、その方に何が好きで何が得意かと聞かれたんです。私は人を喜ばすこと・人の役に立つとが好きで、人と話すことが得意だとその時に気づき、その方にお声がけいただいたイベントに参加してみることに。その時のイベントがとても楽しくて、こんな空間を作っている人はすごいなと思ったと同時にこれを自分もやってみたいと思ったことがきっかけとなりました。

イベントは人を集めるのではなく、自然と人が集まってくるのが理想です。人が集まる場を作れる人を目指してイベントの企画運営を始めました。また来たいと思ってもらえるイベントを作ることができれば、参加者がどんどん増えていくと思い、挑戦してみることにしました。

ー初めてのイベント企画運営はいかがでしたか。

最初は小さく始めると良いとアドバイスをいただいたので、初めは6~8人規模の飲み会のようなイベントを開催しました。なかなかうまくいかないことも多かったので、他の方が企画運営されているイベントにもよく足を運ぶようにしていました。

その後少しずつイベントを大きくしていき、コロナ前は40-50人規模のイベントまで拡大できました。この時点で1人で全て行うのは無理があったため、料理が得意な人や音響が得意な人、盛り上げ上手な人など仲間を募り、一緒に開催するようになりました。現在はコロナの感染状況をみながら、20人以下規模のイベントを開催しています。

ーイベント企画運営を続けるポイントなどはありますか。

原点を忘れないようにすることでしょうか。実は一時期イベントの開催を中断していた時期がありました。イベントの規模が拡大するに伴って、一部の参加者が楽しめていない状況ができてしまったことや参加者からいただく改善点が多岐に渡りどこまで改善するかで迷ったことが主な理由です。どうすればいいかわからなくなったので一度リセットするつもりでイベントを中止にしました。何のためにイベントを行っているのかという目的がわからなくなってしまっていたのだと思います。

その後、全てを自分でするのではなく誰かに助けてもらいながらイベントを行うことやコンセプトやビジョンを決めることでそれに共感して来てくれる人が集まるようにすることを決めました。また、共感して来てくれた参加者が自然と一緒にイベントを作り上げてくれるようになることを目標としました。その結果、イベントのクオリティや参加者の質などが保たれるようになり、参加者全員が楽しめるイベントになっていったと思います。

 

後悔のないよう今を大事に、笑顔で、全力で!

ー最近ではフリーランスになるか、企業に所属するかで迷っている人も多いことかと思います。フリーランスとして働くことは増田さんにとっても大きな決断だったかと思いますがいかがですか。

働き方が大きく変わるので不安はめちゃくちゃありました。でも最悪のケースが起こった場合の対処方法を考えたことでフリーランスを選ぶことができました。チャレンジするか迷っている人は最悪のケースを考えてみたらいいと思います。例えば金銭的不安があるのであれば、事前に貯金をしてから独立したり、仕事がなくなったらバイトはここでしようと決めておいたり、困った時はこの人に相談すると決めておいたり…そうすることでちょっとした安心感はでてくると思います。私の場合はシンプルに、最悪の場合は保育士に戻ろうと思ってましたね。

ーなるほど。

あとはやっぱり私の場合は後悔しない生き方をしたいという思いも後押しになりました。いつ人間死ぬか分からないので、仕事に限らず、常に後悔のないように過ごすことを大事にしています。会いたい人には会いにいき、感謝している人には感謝を伝える。もちろん親孝行も全力です!

ー最後に今後の展望や目標などがあれば教えてください。

全ての人に敬意と感謝の気持ちを持って、いろんな人から素直に学びながら成長していきたいです。誰かに何かを与える人でありたいし、与えてもらったことを感謝して誰かに返していける人でありたいと思います。

まずは、ベビーシッターとして目の前のお客様の期待を超えること、喜ばせることを全力で頑張りたいと思います。ご縁があって、有難いことに今後全国展開をしていく飲食事業にも携わらせて頂く事が決まりました。 子ども~シニア世代まで、世代を超えた温かい交流の場を創ることで、一人一人が自分自身の住んでいる街が好きになり、大好きな人が増えていく。 そんな地域活性化にも繋がっていくような店創りをしていきます! 第1店舗目のオープン日も決定、荒川区の雰囲気の良い下町に12月にオープンします! 想いの詰まった素敵なお店を今後全国に広げていくので、楽しみにしていて下さい♪ お店に遊びに来て下さったら、飛び上がって喜びます(笑) 引き続き、自分がされたら嬉しいことを積極的に行っていきたいと思います。 1人でも多くの人が笑顔になれる、元気になれる場を創り続け、自分自身が一番元気に笑顔で!日々を全力で過ごしていきます!

インタビュー:あおきくみこ(Twitter/note)
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:高橋りえ(Twitter