「終わり」を意識した2度の経験が原点。行動し続けるリチカ・CS 大島 翠の価値観

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。特別回となる今回は、株式会社リチカ・カスタマーサクセス(CS)の大島さんにお話を伺います。「終わり」を意識した2度の経験から常に行動し続けてきた大島さんが働く上で大事にしている価値観について伺います。

メンバーに惚れて、ラジオ業界からスタートアップへ

ーまずは今の会社に入社するまでの経緯を教えてください。

リチカに入社する前は、全然畑の違うラジオ業界にいました。父と2人暮らしをしていた子供の頃から父が家にいない時にラジオを聴くようになりました。大学2年生の時には、思い切ってラジオDJにDMを送ってみたところから業界で働くきっかけを得ました。大学2年から4年の終わりまでラジオのADとして働き、その後株式会社インターFM897へ入社します。

営業職をしながら番組の制作にも関わることができる環境だったため、私から積極的に新しい企画を提案することもありました。しかし、ラジオ業界の環境、事情もあり、なかなか実施まで至らず…。私の中のリスナーとしての気持ちや実際にリスナーの立場に立って企画したものだったのですが、それを形にできるチャンスを掴めない現実にもどかしさを感じていました。そこから次第に心がラジオから離れていっているような気がして、ずっとラジオが好きだったからこそ、ラジオを嫌いになる前にラジオ業界から出たいと思ったのが転職を決めたきっかけです。

ー何がきっかけでリチカと出会ったのですか。

転職活動中に、「ラジオ以外で何が好きだったか」「どんな業界で働きたいか」と考えた時に思い出したのが音楽でした。しかし、中途で正社員採用をしている音楽業界の求人が見つからず、音楽メディアをはじめとした関連した仕事まで幅を広げて転職先を探していました。今思い出してもすごい偶然ですが、選考を受けていた音楽メディアの会社の方がリチカに転職されることが決まっているとのことでリチカを知りました。さらに、その方がリチカ代表の松尾を紹介してくれたんです。その時はまだ会社や事業に関して理解が浅い状態で会ったのですが、たしか一言目からお互いの好きな音楽の話をずっとしていたと思います。会社の話は、最後に少しだけ(笑)

ー入社を決めた理由は何だったのでしょうか

ラジオ業界で働いていた時に人間関係の構築に苦労したこともあり、次は人がいい会社で働きたいという思いが強くありました。松尾と話す中で、人がいい会社って松尾のような人がいる会社なのかも、としっくりきたタイミングがありました。

また、入社前から毎月行われるMonthly Switchに参加させていただき、社員の方々と話す機会をいただきました。話す中で本当にいい人しかおらず、この人たちと一緒に働きたいと思うようになりました。会議に参加するうちにリチカのことが徐々に自分事化され、入社が決まる前から「この会社のために何ができるだろう」と考えたようになっていましたね。プロダクトが何であっても、きっとリチカで働いていただろうなと思うくらい、一緒に働いているメンバーが今も変わらず大好きです!

 

視点が変わった一言。「理解してから理解されろ」

ー現在のお仕事内容について教えてください。

自社マーケティングの手段として動画を活用している事業会社の方々を、カスタマーサクセスとして支援しています。広告運用・SNS運用などのインハウス化支援をサポートしていて、クリエイティブ面での支援はもちろん、他事例を活用したナレッジのシェアも行っています。

ークライアントがリチカを選ぶ理由は何なのでしょうか。

リチカのサービスの特徴は安価で、誰でも簡単に動画が作れること。担当しているクライアントの業界や規模は様々なのですが、広告やSNSに使用する動画の制作費を抑えたいという意図は共通していると感じます。外部に委託する動画制作費を抑え、コスト削減し、媒体費用や広告出稿費へ展開し成果の最大化することが目的でリチカを使用していることが多いです。

また、外部に制作を委託するのではなく、自社でナレッジをストックし、将来的な事業の成長に繋げたいと考えられている方も多いですね。

ークライアントとしては、非常に心強いですね。

カスタマーサクセスとして、クライアントの課題解決に向けて伴走し、一緒に目的を達成できた瞬間はやりがいを感じます。最近では、金融関係の大手の企業を担当した際には、Twitterアカウントの立ち上げから伴走させていただき、フォロワー3万人という目標とそれに伴う目的を達成する瞬間に立ち会うことができました。

目的を達成するためのプロセスでは、クライアントの目線で常に物事を考えることを徹底しています。例えば、意思決定のスピードだけでも、会社によっては1つのことを決めるのに数ヶ月かかることもあれば、その場で決まる会社もあります。そうした際、自分が進めたい速さ、進めやすい方法ではなく、その会社に合った形で提案したり相手が進めやすい速さで伴走することが大事になります。そうした配慮を適切に行うためには、コミュニケーションをとる中でクライアントの会社をことを知り、理解しようと心がけています。

リチカでは、こうした姿勢の重要性を「相手志向」というバリューで表現しています。カスタマーサクセスにとって、とても大事なバリューの1つ。最近は、こうした文化を新メンバーにどう伝えていこうか、と考えることも増えました。

ー組織目線も持って働いているのですね。

数えてみると、私は11人目に入社を決めた社員で、現在70名ほどいる組織の中でも社歴の長い方なんです。リチカの初期を知っているメンバーとして、会社の文化を新メンバーにどう伝えるか、社歴の長い自分の発言がどう捉えられるかなどは考えるようになりました。そういう姿勢を意識している背景には、松尾がよく語る言葉があります。

「理解してから理解されろ」

新メンバーがジョインした時も、新しいお客様とお会いする時も、まずは自ら相手を理解することから始めています。

 

「終わり」を意識した2度の経験から生まれた価値感

ー仕事に打ち込む中で、苦労されたことや大変だったことはありましたか。

これは皆さんも日々向き合っていることだと思いますが、常に学び続けることを求められるのは時々大変だと感じることはあります。成長がはやいスタートアップ業界にいるということもあり、常に新しい業界と新しいニーズに向き合う必要があるので、経験したことがない案件やテーマと向き合う際には新入社員の頃に戻ったような気分になるんです。それが大変だと感じ、安定を求めたくなる自分が顔を出すこともあります…。

ただ、だからこそやりがいに繋がる面もあり、止まることなく階段を登り続けてきたからこそ出会えた人もいました。そう思えば、やはりこれからも学び続けていきたいと思っています。

ー安定を選ばず、常に挑戦を続けることができるのはなぜですか。

私には、「終わり」を意識した経験が2度あるからかもしれません。

1回目は小学生だった時に父が経営していた会社が倒産した場面。父が自己破産し、不自由のなかった生活が突如変わったことで、人生が急に変わることもあるのだと知りました。また、父はその後会社員として働き始め、それからもずっと言葉と背中で「行動し続ける大切さ」を教えてくれました。経営者として、会社員として…ひいては社会で1人の働き手として求められることをリアルに学ぶことができたのは大きな経験でしたね。その一つ一つを今でも思い返し、意識し、真似をしていると感じる瞬間もあります。

2回目が大学の時に友人が交通事故で亡くなった場面です。昨日までそばにいた友人の人生が突然終わったことで、改めて「終わり」を意識しましたね。それ以来、やりたいことはやるということと、行動し続けることを意識しています。

ー大島さんが今やりたいことや今後挑戦したいことを教えてください。

今一番やりたいことは、マンションの一室から始まったリチカをここまで支えてきてくれた初期メンバーへの感謝の気持ちを何らかの形で返すことですね。

もっというと、ゆくゆくはカスタマーサクセスといえば、リチカと言ってもらえるように認知を上げていきたいとも思っています。「クライアントの目的達成のためにできることがあれば、動画制作の域を超えて支援していきます。

これからも私たちを選んでくれたクライアントの期待に応えられるよう、目の前のクライアントに対して全力で向き合い続けます!

 

取材/編集:山崎貴大( Twitter
執筆:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:藤井蓮