様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第271回目となる今回のゲストは、就活Youtuberであり、株式会社Diary(ダイアリー)の代表でもある福田駿さんです。
「地方と都会の行動格差をなくすこと」をテーマに、オフラインでしか知れない情報をYouTubeで発信している福田さん。2019年2月に株式会社Diaryを設立し、これまで40社以上に採用PR動画の制作を行ってきました。
そんな福田さんが『しゅんダイアリー』や株式会社Diaryでの活動を通して、就活生に今伝えたいことをお伺いしました!
毎朝ドリブルで登校。完遂にこだわったバスケ部時代
ーまずは簡単に自己紹介をお願いします。
現在金沢大学の4年生で、Youtube活動を行っている福田駿です。『しゅんダイアリー』というYoutubeチャンネルで、就活生向けに情報発信をしています。
また、2年前に株式会社Diaryを設立しました。就職活動における地方と都会の情報・行動格差を埋めるため、採用動画コンテンツの発信や企業のPR・広報活動のお手伝いをしています。
ー本日は、Youtuberになることや起業を決心した経緯を伺えればと思います。福田さんの価値観がどのように形成されたのか知るため、小中学生時代のお話を聞かせてください!
小学校はひと学年18人ほどの小さな学校で、6年間同じクラスだったので全員家族みたいな感じでした。リーダー気質はそこまでないと自覚しつつも、いつも前に出ていた記憶があります。小学時代はクラス委員長、中学時代はバスケ部キャプテンに自ら名乗り出ていましたね。
ーそこまでやりたいと思ったのはなぜ?
小学校のクラス委員長は、目立ちたいという気持ちが大きかったからです。中学校のバスケ部キャプテンは、誰よりも練習していてチームのことも考えているという自負から、自分がやらなきゃという当事者意識を持っていたからですね。
ー中学時代、誰よりもバスケに熱中できたのは、単純に好きだったからですか?
誰よりもうまくなりたい、強くなりたいという気持ちがあったからです。最初はとにかく自分が強くなりたいと思っていたのですが、バスケはチーム競技なので、自分1人では限界があると思うようになって。徐々にチームを強くしようという意識へと変わりました。
ーよりチームを巻き込みながら、みんなで高いフェーズに行きたいと思っていたのですね。具体的にキャプテンとしてどのように行動していたか教えてください。
顧問の先生も経験者もいなかったので、本を読んで勉強したり、土日に市民体育館で毎日練習したりしていました。
ーチームのみんなはついてきてくれましたか?
自分は本気でやっているのに、軽い気持ちでやっている子もいて、最初は思い通りにならなかったです。なのでまずは私自身が努力するしかないと思って。毎日夜の10時まで練習して、朝はドリブルしながら登校してました。
すると短期間で私がどんどん上手くなっていく姿を見て、1人、2人と仲間が増えていったんです。誰よりも上手いかどうかより、姿勢を見せることが大事なんだと学びました。
ー福田さんの愚直に努力する姿を見て、周りが感化されていったのですね。
昔から、一度やると決めたら最後までやらないと気持ち悪いんですよね。それを他人に強要するべきではないし、価値観の違う人がたくさんいることはわかっていて。それでも決めたことはやる、1人になってもやり続けると決めていました。
早稲田受験に失敗するも、仮面浪人で景色が一変
ー高校に進学されてからのお話も聞かせてください。
高校時代は勉強の日々でした。本気で馬鹿なことができそうで、東京へのあこがれもあったので早稲田大学を目指していて。18時間勉強していた時期もありましたね。
ー18時間も……!すごい……!!
それでも早稲田大学には落ちました……。実は18時間勉強したのは、受験直前だけだったんです。努力の方向性を間違えてましたし、中途半端だったことにモヤモヤして。このままでは終われないと思い、国立で合格した金沢大学に通いながら、早稲田を目指して仮面浪人することを決意しました。
ー仮面浪人時代、どのように過ごしていましたか?
バイトをして受験料を貯めつつ、勉強していました。1年間ひたすら勉強したものの、再び早稲田大学に落ちてしまって。ショックではありましたが、お金を稼ぐことの大変さ、応援してくれる人の優しさ、1時間勉強したり寝たりできることのありがたさを強く感じた期間でもありました。
ー1年間必死で努力したからこそ、お金や人や時間の重みを実感できたのですね。仮面浪人をして落ちたときの気持ちは、最初に落ちたときとは違った?
考え方や見える景色が、1年前と仮面浪人後ではまったく違いました。1年前は合格・不合格がすべてだと思っていたのですが、仮面浪人を通して、自分で決めて進んでいくことが大事なんだと気づきました。1年間勉強をやり切ることができたという自信から、モヤモヤが取れて次のステップに進もうという気持ちになれたんです。
仮面浪人中、毎日「自分は何がしたいのか」、「何で勉強しているのか」を考えていて。大学受験がすべてではなく、人生の選択肢はひとつじゃないという考えに変わっていきました。
就活Youtuber『しゅんダイアリー』の誕生
ー当時、福田さんが人生の選択肢として考えていたことを教えてください。
Youtube活動という、受験とは違うフィールドで上を目指すことです。実体験である仮面浪人の動画をアップして、大学生Youtuberとして活動していました。
ーなぜYoutuberを選んだのでしょうか?
Youtubeが純粋に好きだったのもありますし、これだったら自分でもできるかもしれないと思ったからですね。仮面浪人後の受験は不合格で結果を出せずに終わってしまったので、せめてYoutube活動では結果を残そうと覚悟を決めました。
ー現在登録者数が4万人ほどいるので、すでに結果が出ている気がしますが。
4万人のYoutuberなんて山ほどいるので、まだまだですよ。あと、大事なのは数字だけではないと思っていて。最初は自分が有名になりたい、目立ちたいという気持ちが1番強かったですが、仮面浪人を通して考えが変わりました。
私と同じように仮面浪人していたり、受験に対して悩みを持っていたりする人が意外と多いことに気づいて。頑張りたいけど何をすればいいかわからない人に向けて、情報を発信しようと決心しました。自分だけでなく、他人にも目を向けられるようになりましたね。
ー現在は就活に関するコンテンツをアップしていますよね。
はい。私自身が就活生になったタイミングで苦労したので、就活Youtuberとして就活の悩みを解決する動画を作り始めたんです。
ー著名人の方々にインタビューしている動画を見ました。どのようにアポイントを取っているのですか?
お問い合わせフォームやFacebookメッセンジャーから直接連絡してました。基本的に知らない人にいきなりメッセージを送るのは怖くて。嫌われたらどうしようと思うのですが、それはやらない理由にはならないので、ありったけの勇気を振り絞ってメッセージを送ってましたね。
ーやらなければいけないという責任感に突き動かされていたのですね。
そういった小さな壁をいくつも乗り越えたことで、ありがたいことにチャンネル登録者数や再生数は伸びていますが、今後も現状に満足することはないと思います。目標を達成しても、また新しい目標が出てくるので。個人としてのYoutube活動だけでなく、株式会社Diaryでも結果を残したいですね。
就活生にあと一歩、踏み出す勇気を与えたい
ー株式会社Diaryでは、どのような想いで活動していますか?
主体的に行動し、楽しく働く人を増やすことを目指しています。周りには仕事が楽しくないという人や、仕事に誇りを持っていない人が多くて。人生の約3分の1は働く時間に費やすと考えると、我慢して働くのではなく、働くことって楽しいと思って日々過ごしたいですよね。
ー楽しく働ける人を増やすために行っていることを教えてください。
自分が石川県出身ということもあって、地方にいる就活生に対して情報を発信しています。今はオンライン化が進んでいるので、地方でも都会と同じように情報を取得できる機会はありますが、機会が均一化されても行動の格差は依然としてあるんですよね。
いろんな選択肢を検討して、主体的に答えを選んだ方が納得感を持って生きれると思うので、キャリアの選択肢が増える動画を発信して「自分もやってみようかな」と思うきっかけ作りをしたいです。
ーオンライン化が進んでいるとのことですが、リアルとオンラインの差をどのように捉えていますか?
非言語でのコミュニケーションがゼロになったことで、対面では伝わっていたことが伝わりづらくなっています。そのため、言語化力の重要性はかなり高まっていますよね。就職活動においても雰囲気や人柄は伝わりづらいので、言語化する力は必須です。
ただ、リアルな場がなくなったことで地方学生にとってはプラスな面もたくさんあって。どこにいても面談や面接ができ、格差がなくなったのでチャンスです!
ー地方でも情報取りやすくなった今、どんなことをより伝えていきたいですか?
今後は対面でしかできないことを発信していきたいと思っています。OB訪問やオフィス訪問など、本来であれば就活生がオフラインでやってみたかったことを、代わりにやっていきたいです。
ー最後に、就活生やU-29世代へのメッセージをお願いします!
人生は仕事がすべてではなく、プライベートも大事なので、そんなに頑張らずゆるく生きるのもありだと思っていて。ただ、この長い人生を生きていくうえで、いろんな選択肢を選べる状況の方が楽しく生きれると思うんです。
例えば、新卒から仕事に力を入れずにプライベートを優先していたら、30~40歳になっても自分に力がついていないので、やれと言われたときに「嫌です」と言えない状況になると思うんですよね。
だから20代のうちに仕事に邁進して、一緒に影響力や牽引力をつけていきましょう!
ー現状に甘んじることなく、周りを巻き込みながら前進していく姿は、多くの方に勇気を与えると思います!福田さんの今後のご活躍を応援しています。本日はありがとうございました。
福田さんのYoutubeチャンネルはこちら!
取材者:吉永里美(Twitter/note)
執筆者:もりはる(Twitter)
デザイナー:五十嵐有沙 (Twitter)