大学2年で妊娠。学生ママを経験した吉永里美の、人生の可能性を広げる考え方

子連れ就活のきっかけは、1つの記事との出会い

ー就職活動について教えてください。

子どもがいる状況で、就職活動をするかどうか迷いましたが、ある記事との出会いをきっかけに就職活動することを決めました。普段から「子持ち 就活」というワードで検索していて、ある日学生ママで就職活動して、実際に企業で働かれている方の記事を見たんです。

その記事を紹介していたのがたまたまユニキャリ創業者の西村さんで。すぐに連絡してお会いしました。西村さん自身も学生パパの経験があり、子どもを産んでからも社会に出て自分らしいキャリアを築いていると知り、勇気が出たんです。

ー偶然の出会いから、視界がパッと広がったんですね。就職活動中、どのような基準で会社を選んでいましたか?

最初は理念に共感できるかどうかを基準に見ていましたが、途中からは現実的に考えるようになりました。当時は大学までの通学で片道2時間、往復で4時間もかかっていたので、通勤時間はできるだけ短い方がいいと考えていたんです。

「通勤の時間は仕事に充てたい」というように、育児を経験したことによって時間の使い方をよりシビアに考えられるようになりましたね。

第2子出産をきっかけに、パラレルワーカーに

ー大学を卒業し、実際に働かれてからのお話をお聞かせください。

社会人2年目に突入した頃、2度目の妊娠が発覚しました。1人目のときは産むことに迷いがなかったのに、2人目のときはとても悩みました。

今まで内勤でしたが、自分の希望で営業へと異動するタイミングだったんです。これからもっと頑張らなければいけない中での育休・産休への不安とともに、会社からどう思われるんだろうという不安もありました。

夫婦でよく話し合い、やっぱり生みたいという結論に至ったうえで上司に相談すると、「もともと1人目がいる状態で入社してるし、若いうちに出産・育児のライフイベントを進めて、その後自分が仕事を頑張りたいと思うなら、いくらでも頑張れると思うよ。」と言ってくれたんです。とても安心感のある言葉で、支えられました。

ー入社されたときに、お子さんがいることは伝えていたんですね。

はい、すべて伝えていました。最初は、新卒で子持ちなんてどんな子なんだろう、と会社で噂になってたみたいです。

私も会社側も、「子持ちだからできない」という意識がなかったので、やりたいこと・やってほしいことをきちんとすり合わせできたのはよかったですね。1年目はまだ成果をあげられるレベルではないので、どういうマインドで仕事に取り組んでいるかを見てくれていたことも、私にとっては救いでした。

ー上司に妊娠を伝えてから、心境の変化はありましたか?

上司に話す前はとても不安でしたが、話してからは産休・育休がどんどん楽しみになっていって。普段仕事と育児を両立していると、自分の時間はまったく取れませんでしたが、これからは取れるんだ、と前向きな気持ちになったんです。育休に入る前から、あれしようこれしようとワクワクしながら計画を立てていました。

子どもを産む前は、子育ては子どもが大きくなればなるほど楽になると思っていたのですが、実際に産んでみて逆だと知ったんです。子どもが大きくなると目が離せなくなるし、自我が芽生えると寄り添ってあげる必要があるので、より体力的にも精神的にもハードになりました。

その経験から、月齢が低いうちにやりたいこと・できることをした方がいいと思えたので、1人目を産んだ経験は私にとって大きいですね。

ー育休中はどのように過ごしていましたか?

大学時代にデザインを学んでいて、ずっと興味は続いていたので、Webデザインを学びました。Webデザインは自走することが大事なのですが、1人で学んでいるだけでは楽しくないし続かないことがわかったんです。

その後、「マドレボニータ」という産後ケアを行っている団体でレッスンを受けつつ、広報やSNS周りのお手伝いを始めました。その他にも「育休コミュニティMIRAISという育休中のママが参加するコミュニティに入り、広報やプロモーションの活動をしていました。

ーまさにその時期に、パラレルキャリアを歩み始めたんですね。

そうですね。社外にも目を向けるようになったのは、2人目の育休がきっかけです。育休コミュニティMIRAISに所属していた頃、有意義な育休を過ごすために自分のテーマを設定する機会があって。そこで私は、「人生の選択肢を増やす」というテーマを設定したんです。

人生の棚卸しをしたときに、学生出産や子連れ就活の経験を思い出して。今までの選択が正しいかどうかはやってみないとわからないし、選んだ道を正しくしていこうと思っているのですが、選択肢を知らないと選べないし、目の前のことができないと決めつけちゃうと思うんですよね。

私自身、子どもがいることを理由に選択肢を狭めることはしたくないですし、自分や誰かの経験を発信することで他の人の選択肢が広げることが、私の人生のテーマです。