ビオンダーズ英会話スクールを経営する「通じんばいガール」大西南帆の使命とは

色々なキャリアの人たちが集まり、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。本日は株式会社South Sail代表でビオンダーズ英会話スクールを経営されている大西南帆さんにお話をお伺いしました。

旅行商社に新卒で入社。その後退職し、英会話事業で起業し書籍「英語は3歳児の話しかたで覚えなさい」を出版された南帆さん。彼女が起業に至った経緯と彼女の使命について語っていただきました。

英語人生の始まりは12歳

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

3ヶ月でペラペラレッスンを提供する英会話スクール、ビオンダーズを経営しています、大西南帆です。サロンは青山にありますが、現在はオンライン中心でレッスンを行っています。また今年の4月28日に「英語は3歳児の話しかたで覚えなさい」という本を商業出版しました。

ービオンダーズはどのような英会話スクールなんですか?

ビオンダーズでは他の人とかぶらない、唯一無二のオーダーメイドカリキュラムをご用意しています。そのため金額・コース内容も個々の希望に調整しており、教科書のようなものはありません。

どういった思いで英語を勉強しようと思っているのか、どういった目標を持っているのかということをカウンセリングで確認し、一人一人のやりたいことにアプローチし3ヶ月で英語が習得できるようにサポートします。開校から4年で指導した生徒はのべ1000人にのぼり、「受験英語」ではなく「国境を越えるツール」としての英会話を指導しています。

ー他の英会話レッスンとはまた違うんですね。最近出版された本はどのような内容なのでしょうか?

3歳児の話し方の特徴は主語を必ず言うことです。そこに英語の話し方のコツがあるという内容を書きました。日本は英語に対する敷居が高い人が多いなと感じているので、その敷居を下げるためにも3歳児の話し方にフォーカスした本にしました。本を購入してくださった方対象の無料セミナーも毎週水曜日に行っており、そこから英会話スクールに通い始めてくださる方が増えています。

ー英語に興味を持ち始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

12歳の時に家族でバリ島へ旅行にいったのが1つのきっかけです。父は英語の先生で、大学時代はフランス語を専攻していたのですがバリ島のレストランで英語とフランス語混じりで外国人家族と話し始めたんです。それを見て、話せる言語が1つ多いだけで人ともっと繋がることができるんだ!と思いました。また、バリ島で泊まったホテルマンがかっこ良くて、英語が話せたら仲良くなれるのにと思ったんです(笑)それがきっかけで英語を猛勉強するようになりました。

ー中高時代はそれでは英語漬けの学生生活だったんですか?

とはいいつつもやんちゃな中学生でした(笑)よく勉強はできるバカと言われていましたね。ルールを守るのが嫌いだったので、校則がない高校に行きたくて英語に限らず寝る間を惜しんで受験勉強をしていました。にもかかわらず高校受験は失敗。大学受験は絶対合格するぞと思って高校時代も勉強を続けていました。

初めての海外留学、親友との出会い

ー高校卒業後は西南学院大学に進学されたんですね!

はい。大学では絶対留学したいと思っていたので留学に強い大学、英語に強い大学を探していました。東京の大学に行くことも考えましたが、福岡から離れたくなかったので西南学院大学を選びました。

ー大学では予定通り留学されたんですか?

まず、19歳の時にサンフランシスコに一人で短期留学をしました。当時は臆病者だったので1人で行く初めての海外に心配していたんですが、案外行けるんだなとわかりました。と同時に思ってた以上に英語が通じなくてびっくりしました。

EFという語学学校に通ったのですが、レベルの高いクラスに入れたものの全然話すことができなくてこれまで学校で勉強してきたことってなんだったんだろうと思いましたね。英語を話すことと、英語を知っていることとは別物だと気づきました。

ー受験勉強の英語では難しかったということでしょうか。

そうですね。それでも、言葉が完璧じゃなくても通じ合える人が見つけられるということも経験しました。留学後も連絡を絶えず取り、今ではビオンダーズに関わってくれているイタリア人の親友に出会えたのもこの留学がきっかけでした。

ー当時の友人と今一緒にスクールを作られているのはすごいですね!

彼女に”I can feel you because you have a special power”と言われたのは今でも忘れられません。言葉は完璧じゃなくてもいいから、伝えたいと思う気持ちがあれば彼女にはなんでも伝わったんです。日本人は完璧な英語を話そうとする人が多いかと思いますが、伝えようとする姿勢と気持ちがあれば通じるということを知ってもらえたらなと思っています。

ー留学は短期留学一度だったんですか?

アメリカの大学に交換留学で行くのが夢だったので大学時代にもう一度長期留学しようと思っていました。帰国後はTOEFLの勉強をがんばりましたが、大学3年の時は落ちてしまい、大学4年でオクラホマ州の大学に交換留学で行きました。

本気でやりたいことのために起業を決意

ー大学卒業後はやはり英語が使える仕事で就活をされたんですか。

はい。旅行のツアーを組み、代理店に売る旅行商社に就職しました。ロンドンと日本に本社がある会社で、現地とのやりとりは英語で行っていましたし、海外研修にも行かせていただいたので1年目はとても楽しかったです。

ただその後、営業力を鍛えた方がいいと判断され営業部に異動となりました。その新しい部署で上司と波長が合わなかったことや、終電までの残業が頻繁にあったことから何のために自分は働いているのか分からなくなってしまったんです。お金だけのために今の仕事を続けたいのかと考えるようになりました。

ー何がきっかけで次のステップを考えるようになったんでしょうか。

有給を取ってカンボジアの学校建設ボランティアに参加したのがきっかけになりました。ボランティアの参加メンバーには会社を辞めてきた人もいれば、バイトでお金を貯めてきていた人もいました。そして恵まれない地域の子供たちが一生懸命生きているのを見て生きているだけで幸せなんだと気づいたんです。

帰国後、自分の本気でやりたいことのために生きようと思いすぐに退職届を出しました。これまで、会社で働かないといけないという固定概念が自分の中にあったので会社で働く以外の道を考えたことがありませんでしたが、違和感を持ったまま働き続けれないと思い退職しました。

ー退職後、独立はどのように進めたんですか?

人脈もお金もなかったのでどこから始めたらいいのか正直分からなかったです。とにかく自分のやりたいことに近いことをやられている方に会いに行ってアドバイスをいただきました。幸運なことに、社会人1年目の時にユダヤ人の方と知り合いビジネスについてよく教えてもらっていました。その彼が教えてくれたことの1つに「自分の使命を見つけなさい」があります。ユダヤ人は13歳で自分の使命を見つけるそうです。

自分なりに自分の使命は何かを考えた時に、国境を超えた世界を作ること、Beyond Bordersだと思いました。そしてそのために何ができるかを考えてところ、英会話事業にたどり着きました。

ーそれで英会話事業の立ち上げを決意されたんですね。

はい。英語を教えるからには話せるようになってほしい、身にならないものは提供したくないと考えました。潜入調査等もした結果、良いと思ったことは取り入れつつ、オーダーメイドカリキュラムにすることにしました。

どんな時も全力で目の前の人と向き合う

ー事業はすぐに軌道にのったんでしょうか。

最初の3ヶ月くらいはうまくいかなかったです。4月に独立し、しばらくはバイトを掛け持ちしながらやっていました。英会話事業1本でいけるようになったのは8月からです。その後、会社員の時の収入を超えたことで現状に満足してお客さんが増えなかった時期もありました。自分に甘んじたらそこで成長は止まってしまうんですよね。

ーその時はどうされたんですか?

自分より成功されている人に会いに行きアドバイスをもらいました。また母から「目の前の人に一生懸命尽くせば神様は見てくれているから、まずは目の前の人を大事にしなさい」というアドバイスももらいました。そこからは常に自分のパッションを伝えて、目の前の人としっかり向き合うことを意識しています。その後法人契約も取れるようになり、企業の社長さんに英語を教えたりもするようになりました。

ー欧州サッカーチーム「レアル・マドリード」での通訳経験もあると聞きましたが。

はい。それは大学時代に牛角で働いていたんですが、その時のお客様から紹介いただきました。たまたまお店に来られていたお客様がJリーグの方で、私が英語に関わる仕事をしたいと言っていたのを覚えてくださっていて連絡してくださったんです。

ーそれはすごいですね。

どんな時も全力でいることって大事だなと思いました。そして自分のビジョンや野望を周りの人に伝えること。自分の夢を言い続けて、やりたいと思ったことに挑戦していれば、ちゃんと周りの人は見てくれているんです。

ー今後の展望はありますか。

事業を海外展開していきたいと思っています。「英語で国境を越える」というビジョンのもと、海外の友人のコネクションなども活かしながら事業拡大を進めていきたいです。また今は英語だけですが、今後は英語以外の言語にも事業を広げていきたいと思っています!

ー海外展開含め、今後の活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

取材:西村創一朗(Twitter
執筆:松本佳恋(ブログ/Twitter