「時間と場所に縛られない働き方」を求めて、3年間頑張った結果

ライターのオバラ ミツフミです。

大学3年生のころに「ライターになろう!」と決めた日から約3年が経ち、現在は執筆で生計を立てられるようになりました。雇用形態は、企業に属していない、フリーランスです。

お金がなさすぎて友達との飲み会にも行けず、昼飯を同級生にご馳走してもらっていた時期もありましたが、目標をぶらさずに頑張ってきた自分に感謝です。

よく同級生に「フリーランスって、決まった時間に会社に行かなくてもいいんでしょ?」「それでいて結構稼げるんでしょ?」と質問をされます。

たしかに僕は定時に出社していませんし(そもそもオフィスがないのでカフェで仕事をしていますし)、仕事の量をコントロールすれば収入も上げられます。なので、正直にそう答えます。

すると、必ずと言っていいほど、「超うらやましい!」と言われます。ちなみに、僕もそう思います。満員電車に乗ることもそうないですし、仕事 → 飲み会 → 仕事…と自由に一日のタイムテーブルを組めるので。

とはいえ、仕事が楽だと思ったことは一度もありません。好きなことを仕事にしていますが、体力的に超しんどい。一人孤独に徹夜作業をすることも少なくないですし、「明日仕事がなくなる」恐怖もあります。メンタルがヘラる機会も少なくありません。

先日、複業研究家の西村創一朗さんが上記のツイートをされていましたが、まさにその通りだと思います。

「固定給ではなく成果給がいい」と思って始めた美容酵素の営業代理店時代は、成果が出せなくて半年で数万円程度の収入しかありませんでした。

「時間と場所にとらわれず働きたい」と思って始めたライター業は、1記事400円程度からのスタートでした。

……「自由」の代償は、想像以上に大きかったです。今は収入が安定してきましたが、旅行に行っていても、家に帰っても、国民の祝日でも、仕事をしない日はありません。

「時間と場所に縛られない」ことを目的にしていましたが、何時でも、どこにいても、仕事が付いてきてしまいます。結果的にそのスタイルが自分に合っていると分かったのでこの仕事を続けていますが、実際問題、描いていた「理想のライフスタイル」は実現できていないと思います。

“How”は、大上段の“Why”から考える

ではなぜ、「理想のライフスタイル」が実現できなかったのに、仕事を辞めることなく続けられてこれたのでしょうか。

内省をしてみると、「常に目的と目標が合ったからではなか?」という結論になりました。

「理想のライフスタイル」が実現していなくても、「フリーランスのライターになる(=定義は「月に50万円を稼ぐ」ことでした)目標を忘れたことはなく、毎月試行錯誤していました。

また、取材をするうちに価値観が研ぎ澄まされていき、目標の大上段にある目的もはっきりとするようになってきました。

僕は昔から「君のおかげで」と言われることが好きだったんです。取材原稿が公開されると「オバラの記事のおかげで、仕事をもっと頑張ろうと思ったよ」と連絡が来たときに、そのことを思い出しました。

「Why → How」の理想的な順序とは異なりますが、「自分は半径5メートルにいる人たちを幸せにすることに幸せを感じるのだ!」と、自分の幸福の定義を再確認できたのです。

人生の目的を達成できる仕事は何か……と考えるようになったので、「理想のライフスタイル」という浅はかな、勘違いしていた“目的”のことなんか頭からスッポリなくなり、ひたすらに仕事が楽しくなってきました。

目的ドリブンな仕事に、言い訳はできない

以上の出来事から、僕の経験上「目的ドリブン」な仕事を一生懸命に頑張ることが、幸せな働き方を実現できるのではないかと考えています。多少の苦労はあるかもしれませんが、ネームバリューで就職先を選び、毎日愚痴を吐きながら仕事をするよりよっぽど幸せではないかと思うのです。

個人のビジョンと仕事が一致していれば、仕事の大義を見つけ出すことも難しくない。たとえ雑務であっても、仕事に価値と、自分が介在する意味を感じることができます。

その状態が維持できているのなら、企業の規模感やネームバリュー、収入の差は、働く環境を選ぶ上でそこまで大きな意思決定要素にならないと思うのです。

僕は人生のミッションを見つけるのにやや時間がかかってしまいましたが(2つの大学で、合計5.5年在籍していました)、いま本当に幸せな仕事ができています。

新卒フリーランスから、正社員へ。目的ドリブンなキャリア形成を実現するために

走りながら幸福の価値基準を探し、立ち止まることなく働いて来た結果、意図せずフリーランスとして働いていました。「京大を卒業して、商社に入社する。貯金でサラブレットを買い、馬主として暮らす」と小学校か中学校の卒業文集に書きましたが、もう全くかけ離れた現在になっています。

ただ、収入の目処が立ち、何をすべきかが自分のアタマで考えられるようになっていたので、在籍していた大学を中退し、自分の人生のスタートが切れています。

そして、「半径5メートルにいる人たちを幸せにする」人生のミッションを全うすべく、長期インターンキャリアプラットフォーム「InfrA」、日本最大級の学生メディア「co-media」を運営する株式会社Traimmuに、10月から正社員として勤務します。

僕自身、学生時代に経験したインターンによって、働くことの楽しさと、ゼロの状態からスキルを身につけていくことの肝要さを感じた一人。インターンをすることが原点となり、今の自分がいると思っています。なので、学生に変化する機会を与えられる「InfrA」を、日本中に広めていきたいのです。

また、「co-media」は、月間20万人の読者がいる、日本最大級の学生メディアです。多くの学生ライターが自身の経験や価値観を発信しており、これからのキャリアパスを検討する上で、非常に有益な刺激を得ることができます。

僕が任される仕事は、広報です。もちろん、未経験。人生のミッションを全うしながら、ゼロの状態からスキルを身につけていくことの肝要さを再び味わうための決断でした。

これからも、人生の選択肢に迷うことがあると思います。でもそんなときは、自分の心に「その選択は、半径5メートルにいる人を幸せにするか?」と問いかけたい。

目的ドリブンな選択は、選んだ選択肢を正解にする努力ができると信じています。

キャリアに悩む同世代のみなさんには、僕が人生で出会った方の中で最も尊敬する、森本千賀子さんのインタビュー記事を読んでいただければと思います。

最後までこの記事を読んでくれた皆さんの人生が、少しでも良いものになりますように。