「楽しい」を「好き」へと揺さぶるブロガー・加藤瑞貴の人生を豊かにするサイクル

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第309回目となる今回は、現役立教大生ブロガー(※取材当時)のてんび〜さんこと、加藤瑞貴(かとう みずき)さんをゲストにお迎えし、現在に至るまでの経緯を伺いました。

小学6年生の頃からブログを始められ、人生の半分以上をブログとともに過ごしてきた加藤さん。ブログ運営においてモットーにされている、「楽しい」を「好き」へと揺さぶる記事とは? ブログを軸に回しているサイクルとは? 加藤さんのこれまでについてお伺いする中で知ることができたのは、人生を豊かに過ごすためのコツでした。

 

ー自己紹介をお願いします!

立教大学4年生の加藤瑞貴と申します。インターネット上では「てんび〜」という名前で活動しています。
ガジェットタッチ」というブログを運営しながら、「Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム」のクリエイターとしても活動しています。2020年11月には、初の著書である『大学生のためのレポート・卒論で困らないワード/パワポ/エクセルのコツ』を出版しました。

 

ーブログを中心に幅広く活動されているんですね!
ブログ歴は人生の半分以上という、加藤さんのこれまでについて掘り下げていきたいと思います!

 

 

小6でブログとTwitterを開始

ー幼少期はどんなお子さんでしたか?

色んなことに興味がある子どもでした。
小学生の頃は、特に電車や車が好きでしたね。親の話によると、よく見ていた電車のDVDから漢字も覚えていたとか。

自分の興味・関心を軸に、周辺知識も吸収していくタイプでしたね。

 

ー当時からご自身の「好き」に対する思いははっきりしていたんですね…!
その好奇心旺盛さから、小学校6年という早い段階でインターネットと出会ったんだとか。

インターネットに興味を持ったのは父親の影響ですね。12歳でiPod ouchを買ってもらったのがきっかけでした。

インターネットにアクセスできるようになったと同時に、父親がやっていたTwitterにも興味を持ち、アカウントを作ってもらいました。当時は13歳未満でも登録ができたんですよね。

 

ーTwitterはどのような使い方をされていましたか?

自分の興味のある事柄について呟いたり、趣味が近い人をフォローしたりしていました。
Google検索よりも早く知ることができる点や、自分よりも知識を持っている人と、年齢の差を感じることなく会話できる点に、とても魅力を感じました。

 

ー同じタイミングでブログも始められたそうですね!何をきっかけに始めようと思われたんでしょうか?

当時ハマっていた「太鼓の達人」のプレー記録として始めました。
自分の取ったハイスコアを写真に撮って載せる、という日記のようなものが原点でした。

 

ーまさか「太鼓の達人」がきっかけだったとは…!よくネットに上げようと思われましたね!

ゲームについて発信している人のブログや動画を目にして、自分も真似したいと思って始めましたね。

一方で、現在のブログで発信しているガジェットにも、当時から関心がありました。
ガジェットについての記事やツイートを見ていると、海外のニュースをそのまま翻訳して発信している人が多くて。小学生の時から英語が好きだったので、これなら自分でもできると感じました。
そこで、ニュースをただ翻訳するだけでなく、小学生でも分かるレベルに噛み砕いた記事を書き始めたんです。

すると、Twitter上でシェアしてくれる人が徐々に現われました。
活動を応援してくれる人がいて、内容も人のためになっている、ということでどんどんのめり込んでいきました。

 

 

中学生ブロガーとして活躍!ブログは月間20万PVに

ーその時から現在まで続けられているのはすごい!中学生になってからの発信内容はどんなものだったんでしょうか?

中学2、3年の頃から、ニュースやガジェットに加え、プライベートな内容も書き始めました。主なテーマは、高校受験に向けての学習スケジュールや、日々の生活についてでした。

学校以外の時間はほぼブログ漬けの毎日でしたね。朝早起きして1本書いて、学校に行って部活終わりに1本書いて、といった調子で、多い時は1日に5本書いたりもしていました。

 

ー1日5本…!!超多忙な学生生活でしたね。

その頃から、ブロガーのオフ会にも顔を出すようになりました。
自分の親世代の人ばかりの中で、自分だけ中学生で。珍しがってくれる人や、「こんな中学生がいるぞ」とシェアしてくれる人たちのお陰で、どんどん話題になっていきました。それに伴い、ブログも月間20万PVを叩き出すまでに成長しました。

イベントを主催したこともありましたね。
各々ブログを書いたり、情報共有のために語り合ったりするブロガー合宿を、2、3回開催しました。

 

ー高校の頃もブログは継続されていたんでしょうか?

それが、高校は進学校だったので、ブログを書く時間がなくなってしまったんですよね。勉強と部活に時間を費やしていました。

中学3年間はずっとブログを書いていたこともあり、学生らしく高校生活を楽しみたいという思いもありました。なので、ブログを書けなくて嫌だという気持ちはなく、純粋に高校生活を楽しみました。

 

 

第一志望不合格。人生初の挫折も前向きに

ーしっかりメリハリをつけて生活されていたんですね。大学はどんな基準で選ばれたんですか?

自分の興味を深掘りできたり、広げられるところを考えていました。

志望校は高校1年の頃から決めていたのですが、その年の小論文が難しく不合格になってしまいました。人生初の挫折でしたね。

 

ーそれは辛かったですね…。

この時はかなり落ち込みました。
でも、第一志望に縁がないとすれば、小論文だろうと分かっていました。得意ではなかったところに、たまたま苦手なジャンルのお題が当たってしまったので、しょうがないなと。

それよりも、入学後の4年間について考えた方が、自分にとって良いと考えるようになりました。人生初の挫折にしては、すぐに切り替えることができましたね。

 

ーポジティブ…!その後はどんな生活を送られたんでしょうか?

受験が全て終わった次の日から、休止していたブログを再開しました。
受験生をしながら、ブログに書けそうなネタを溜めていたので、まずはそれを記事化していきました。

 

ー本当にブログが好きなんですね!内容はどんなものを書いたんですか?

受験の勉強方法や、大学生活を控えた当時の自分が使っていたモノについて書きました。中学までと比べると、自分の経験をベースにした内容が中心になりました。今のブログのスタイルに近付いてきたのは、この頃からですね。

 

ーブログの運営以外に、何か活動はされていましたか?

周りのブロガー友達が、企業からのタイアップ案件を始めたのをきっかけに、自分も仕事を受けるようになりました。

中学生の頃から、アフィリエイトやアドセンスで収益を生むことはしていました。ですが、ブログ外で提案したり仕事を受けたり、ということはこの時が初めてでした。金銭感覚が身についてきて、仕事の取捨選択ができるようになったのが理由です。

 

ーこの頃から、ブロガーとしての知名度が高まってきたんですよね。本の出版はどんな経緯だったんでしょうか?

中学生の頃から知り合いだった方に声をかけてもらいました。
大学生で本を出版することに大きなワクワクを感じ、二つ返事で受けることに。

内容は、オフィスソフトについて大学生向けに書きました。ちょうど大学の授業がオンラインに移行したタイミングとも重なったので、その辺りにも触れながら執筆しました。

 

ー本の執筆はどうでしたか?

とても大変でしたね。大学4年の頃だったので、卒論執筆とも並行になってしまいました。
出版の難しさを実感しましたが、なかなか経験できることではないので、楽しかったです。

本が出版されてからは、たくさんの人に褒めてもらえました。買ってくれる方も多く、特にゼミの先生は、ゼミ生の人数分購入して研究室に置いてくれて。大学の部の案内にも載せてもらえて、想定以上の反響がありました。

 

 

「楽しい」を伝えながら、ブログを軸に生きる

ー丹精込めて執筆した本が、大きな反響を得られて本当に素敵です!ブロガーとして独立できそうですよね。

新卒でいきなりフリーランスで働くことには抵抗がありました。
ブログ一本になってしまうと、失敗できないからこそ色々なことに挑戦できなくなってしまう。本業に就くことは、ブログでチャレンジを続けるための必須条件でした。

自分がやりたいことに活かせる経験ができて、相互作用が生まれそうな企業に就職しようと考えていました。あとは、ブログなどの副業が認められていて、時間の融通が効くというのが決め手でしたね。
人生の半分以上はブログを書いているので、今後も続けていくのだろうなと思います。

 

ーブログを優先するからこその選択だったんですね。
「楽しい」を「好き」へと揺さぶる、という言葉には、どんな思いが込められているんでしょうか?

ブログでは、僕自身が楽しいと感じるモノや、好きなモノを書いています。
まずは、その楽しさに触れてもらう。そして、その「楽しい」が「好き」へと繋がったり、進化していく過程を味わってもらいたいという思いがあります。
そのために、継続的に濃い情報を届けていきたいですね。

 

ー加藤さんは、頼み事をあまり断らないタイプだとか。行動を選択する上で、何か大切にしている考えはありますか?

楽しそうだと思ったことには、首を突っ込んでしまうんですよね。
そして、その首を突っ込んで得たことは、ブログや自分の活動に還元されます。そのサイクルを回すのが面白いと感じています。

 

ーサイクルを回す度に、加藤さんの世界が広がっていくようでワクワクしますね!
今後、加藤さんがやりたいことについて教えてください!

今後もブログの執筆は続けます。ブログを起点に何か新しいことを始めてみたり、そうした挑戦をまたブログに還元したり。
これからもブログを人生の軸としながら、色んなことに取り組んでいけたらと思っています。

 

ー加藤さん、お話ありがとうございました!

 

取材:あおきくみこ(Twitternote
執筆:中原瑞彩
デザイン:五十嵐有沙(Twitter