建築デザインの視点で考える経営者とは。株式会社ZEN AUTO代表・丸山耀平

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第296回目のゲストは株式会社ZEN AUTO代表の丸山耀平さんです。小さい頃から経営者になるのが夢だったという丸山さん。建築デザインを勉強されていた丸山さんがシステム設計・開発事業を行う会社を起業されるまでに至るライフストーリーをお伺いしました。

経営者になるのは小さい頃からの夢だった

ーまずは簡単に現在のお仕事について教えてください。

株式会社ZEN AUTOという会社の代表を務めています。株式会社ZEN AUTOではRPAと呼ばれるパソコンの全自動化の技術をフルオーダーメイドで受託開発しています。作業時間の短縮など業務の効率化を必要としている企業に、それぞれの目的や悩みにあったシステムをカスタムメイドしているんです。

ーRPAといったキーワードがでてきましたが、AIとはまた違うのでしょうか。

AIを人間の脳と例えるなら、RPAは人間の手にあたります。AIは学習させることでどんどん賢くなっていきますが、RPAは仕事をコピーすることが目的で再現性高く、操作の指示書に従って作業を進めていくのが得意なんです。

ーなるほど…また全然違うものになるんですね!少し幼少期に遡って現在に至るまでのお話もお聞かせください。どのような幼少期を過ごされていましたか。

雪国の新潟で育ち、小さい頃は外でよく遊ぶヤンチャな子供で先生がきたらトラップが発動するように仕掛けを準備したりするイタズラ好きでした。一方で父は不動産事業や外壁塗装事業、結婚相談所の運営など複数の事業を手掛けている経営者だったこともあり、将来は経営者になりたいと小さい頃から思っていました。そういった意味で今後どんな技術が発展していくのか、どんな需要が伸びていくのかなどといったことに意識的にアンテナをずっと張ってきていたと思います。

 

建築デザインの世界に魅了されて

ー中高時代は何か部活などされていたのですか。

中学ではサッカーをしていました。高校からは少しでも都会にいきたいと思い、新潟市内の高校に進学。高校では初めはバスケをやっていましたが、元々武術が大好きだったこともあり、友人の紹介でテコンドーに挑戦してみたところセンスがあったようで全日本大会出場までいくことができました。

ーその後の進路についてはどのように考えられていたのでしょうか。

中学の時に新しい戸建てに引越したのですが、その際、ゼロから家が建っていく様子や図面と選んだ材質通りに家ができていくのを見て感動し、建築に興味を持っていました。新潟大学を第一志望に勉強していたのですが落ちてしまい、滑り止めで受かった長岡造形大学に進学しました。

入学してから長岡造形大学が建築デザインにかなり強いことを知ったのですが、結果的に自分の勉強したかったデザインに特化して勉強できる環境に行けたのはよかったなと思います。

ー大学生活はいかがでしたか。

建築デザインを勉強したことで考え方や物の見方が変わって面白かったです。建築デザインとはターゲットの選定、地域の特色や文化のリサーチを徹底的に行い、コンセプトに合わせて組み合わせ、再構築していくプロセスです。それを知ってから、どれだけ需要や目的が考えられた設計・デザインになっているかを思わず街中の建物でも見るようになりました。

そして設計・デザインでは抽象度の高い議論で行われる一方で、建築の段階に入るとミリ単位で作業が行われるんですよね。精密な作業も求められる、すごい世界だなと勉強し始めて知ることになりました。

ー学びと気づきの多い、充実した大学生活を過ごされていたのですね。

そうですね。大学1年の終わり頃から大学で学ぶ内容は専門的で勉強になると感じるものの、実際に建築物を作るわけではないので実践的な経験がつかないことに違和感を感じて建築有志団体arc.を設立。50名ほどのメンバーと共に学園祭で木造建築のコンペを行い、資金援助を得て実際に建築をするなどの活動を行いました。

 

建築デザインの思考を広めるべく、大学を退学

ーかなり順風満帆な学生生活を送られていたかと思いますが、その後どうやって現在に至るのでしょうか。

学ぶ環境が整っており、友人にも恵まれていましたが3年次に選ぶ専攻分野を選ぶ進路選択がきっかけで退学を決意しました。2年間勉強する中でデザインとは最適化できる魔法の力だと感じ、その建築デザイン思考を人の生き方などにも応用していきたい、建築デザインの思考方法を経営に落とし込んで利活用したいと思ったのですが、それができる選択肢が大学内になかったんです。

大学生活自体はとても楽しかったのでとても悩みました。でも父が若くからお金を稼いでいたのに対してまだ大学生をしていることに疑問を持っていたことや、ビジネスを起こすのに年齢は関係なく、早ければ早い方が有利だと感じていました。また、友人に休学か退学を考えていることを相談したところ「一度大学から外の世界にでたら絶対戻ってこないだろ」と言われ、確かにそうかと思ったので退学を決意しました。

ー退学後は何から着手されたのですか。

東京にまずは行ってみようと思い、友人と上京し、その友人のfacebook友達の家に一緒に行かせてもらい半年間はそこで居候させてもらいました。上京後は何も知らなかったのでビジネスというキーワードだけで行動した中で転売というネットビジネスに出会ったのですが、やってみたところすぐにめんどくさくなり…そのプロセスを全て自動化してしまえれば楽だと感じたことから自動化できるスキルを持っているエンジニアを探し個人契約を結んだことが今の事業のベースとなっています。

そのほかにもブロックチェーン事業など知り合い経由の紹介で手伝うようになりました。ブロックチェーンやクロスチェーンについての知識は全くなかったのですが、デザインで貢献する形でエンジニアの方からいろいろ学ばせてもらいました。結果的に2年程でその事業が花咲かなかったため現在はもう関わっていませんが、とてもいい経験になりました。

3つの段階を踏んで世界一の会社を作る

ー紆余曲折を経て現在に至るかと思いますが、今力を入れていることなどはありますか。

将来実現したい目標に向かって、今必要なのはスキルの習得と資金を増やすことだと感じているのでその2点に力を入れています。起業してもうすぐ3年になりますが、引き続き受託開発を請け負い、できるだけ早く数千〜億ほどの資金を貯めることが目標です。

ー具体的に将来実現したい目標を教えていただくことはできますか。

世界一の会社、ホールディングスを作りたいと思っています。具体的には3段階でそれを実現させたいと計画しています。まず1つ目は Fintech事業で購買データやKYCと呼ばれる個人データを活用してLINEの代替となるサービスを開発すること。その次はビッグデータでデータとデータを結びつけるGoogleの次世代サービスを開発すること。そして最後にIoTでデジタル化された社会にモノでアプローチしてAppleを超えることです。

一方で近いうちに取り組みたいこととして、次世代のためになる教育系事業の展開があります。これまでたくさん失敗してきた経験を生かして、イノベーションを起こしたいと思っている次世代を対象としたオンラインサロンを始めようと考えています。

ー明確な夢と目標をしっかり持たれているのですね!

夢は大きいので焦らず1つ1つ積み重ねながら精進していきたいと思います。必ず達成するので見ていてください。

取材者:大庭 周(Facebook/note/Twitter
執筆者:執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイナー:五十嵐 有沙 (Twitter