AINOW編集長・小澤健祐はスキルの相互作用でキャリアを築く

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第264回目のゲストはAI専門メディア「AINOW」・SDGsと社会を繋ぐ専門メディア「SDGs CONNECT」編集長を務める他、日本大学文理学部大沢研究室のPRチームリーダーとしても活躍中の小澤健祐さんです。これまでAI関連記事を1000本以上執筆してきたという小澤さんですが、実は当初AIに特別興味があった訳ではなかったとか。小澤さんのこれまでの人生を振り返り、選択をする上で大事にされている価値観や今後の目標についてもお話いただきました。

好奇心の塊は昔も今も変わらず。

ーまずは現在のお仕事について簡単に教えてください。

「人間とAIが共存する社会を作る」というビジョンのもと、AIに関する情報発信を行うAI専門メディア「AINOW」の編集長を務めています。大学時代、ディップ株式会社にインターン生として入社して以来、ずっとAIやDXなどの最先端技術トレンドに関する発信を行っていました。

現在はその他にも日本大学文理学部でAIの研究を行っている大澤研究室のPRチームにプロボノとして参画している他、フリーでカメラマンのお仕事もさせていただいています。

ーAIを中心としたお仕事をされているとのことですが、もともとAIに関して勉強をしていたり、興味を持たれていたのでしょうか。

いいえ。AIについて勉強したことはなかったのですが、たまたまディップ株式会社の次世代事業統括部という新規事業を作っている部署でAIに関するメディアを担当しないかとお話をもらったことがきっかけでAIに関わることになりました。

幼少期の頃からとにかく好奇心の強い性格でした。それもあって、AIに関しても知識はなかったものの、やってみようと思えたのだと思います。

ーそうだったのですね。他にも幼少期の頃のお話があればぜひ聞かせてください。

好奇心の塊だったこと以外でいうと、落ち着きがなくて授業中ずっと座っていられないタイプの子供でした。小学生の頃はよく廊下に立たされたりしていましたね(笑)

周りの評価などを気にすることなく、他人と違うことを常にやっていましたが、中学生になってからは、少しは社会性を身に付けるようになりました。地元の公立中学に進学したのですが、子供が多い地域だったので小学校から中学で顔ぶれが大きく変わったのでそれをチャンスと思い、学級委員を務めたりもしました。

 

発信に興味を持つようになったのは交通事故がきっかけだった。

ー高校時代はどのような海外進学を過ごされましたか。

高校では初めテニス部に所属したのですが、入学直後すぐに交通事故に遭いテニスが3ヶ月ほどできなくなりました。それがきっかけで放送部に入部することになり、生徒会にも所属することになったので、交通事故に遭っていなかったらどんな高校生活を過ごし、何に興味を持っていたのかなと思うことがあります。

放送部ではドキュメント番組を作ることに注力しており、取材撮影や動画制作などに取り組んでいました。修学旅行や文化祭、体育祭など学校行事全ての撮影を行い、行事内容をビデオにまとめたりもしていたので学校行事を楽しむ余裕は正直なく、時には終電まで部活をしていることもありました。同時に孤独死をテーマにしたドキュメント番組で全国大会への出場も経験し、取材活動や発信するという活動を通して自分の好奇心が満たされていると感じることが多い高校生活でした。

ーそれがその後の進路にも影響したのでしょうか。

そうですね。放送部での経験から発信や情報に関する勉強をしたいと考え、日本大学法学部の新聞学科に進学を決めました。とはいっても、大学の初めの2年間は地元の居酒屋でバイトが中心の生活を送っていました。毎月140時間近く働いていたのですが、店長代理として売上管理やスタッフのマネージメント業務などを経験させていただき、社会人として必要な対人能力はこの時に身につけました。

ー140時間はすごいですね…!バイトにそこまで打ち込めた理由は何だったのでしょうか。

客単価を上げるや常連を作るといった目標に対して自分なりに工夫して取り組むのにやりがいを感じられたから、だと思います。目標を達成するためにコミュニケーションの細部にまでこだわったりしました。例えば通常お客様に「お待たせしてすみません」と声をかけるタイミングでも「お待ちいただきありがとうございます」とポジティブな表現で伝えること。そういった少しの工夫の積み重ねでお客様が増え、客単価が上がっていくのが見えていくのは楽しかったです。

 

インターン漬けの日々からそのまま就職へ。

ー残りの大学生活2年間はどのように過ごされたのですか。

2年間バイトに時間を注ぎ込んだのですがこれ以上バイトで成長を感じるのは難しいと思い、無料のオンライン生放送授業を開催しているSchooで当時興味のあったウェブマーケを学びはじめました。そしてバイトの代わりに何か新しい挑戦をしたいと思い、Schooで働かせてほしいと直接連絡した結果インターンとして雇っていただけることに。初めはリハーサルの進行などといった業務から始まり、その後企画やマーケティングの仕事もさせていただくようになりました。

また、Schoo以外にもC Channelという会社と、その後入社することとなったディップでもインターンとして働かせていただくことになり3社のインターンを掛け持ちする忙しい日々を再び送ることになりました。

ーC Channelではどのような業務を担当されていたのでしょうか。

C Channelでは動画編集のお仕事を担当していました。放送部時代に動画制作はしていましたが、仕事としてやってみたいという思いが実現した形です。SNSに載せる動画を編集していたので、これがきっかけでSNSにも少し詳しくなりました。

ーそしてディップでもインターンを始められたとのことですが、何かきっかけなどがあったのですか。

Schooの生放送授業に現在の上司がゲストとして来てくださり知り合ったのをきっかけに一緒に働かないかとお声がけいただきました。大学4年に入ってからはディップで昼間は働き、夜はSchooの生放送にいくといった感じで9:30-23:00で働いていました。

そしてそのまま、ディップに就職させていただいた形になります。新卒一括採用の就活に対して抵抗があったので、就活をせずに就職先が見つかったのはとても有り難かったですし、嬉しかったです。

 

スキルの相互作用を活かして、挑戦し続ける。

ーとても充実した大学生活を送られていたのですね。小澤さんのそのモチベーションはどこから来ているのでしょうか。

大前提として、好奇心旺盛というのは大きいと思います。やっていることに飽きてしまったら、飽きたことを認めて次の挑戦をすることで好奇心を満たしているんですよね。

そして挑戦したことに対しては「8割の法則」を大事にしています。8割に到達するまでは全力で頑張ること。合っていないと思っても、どんな仕事であっても、そこで8割に到達するまで頑張れば何らかのスキルが身につくと思っています。そしてスキルには必ず相互作用が働くのでそのスキルが身につくことで結果的に違うスキルが違う場面で伸びたりするんです。

ー確かにスキルの相互作用ってありますね!入社後、スキルの相互作用があったと感じる場面はありましたか。

はい。もともとAIについては全く知識がありませんでしたが、AI専門メディアの編集長を務めることができたのもスキルの相互作用があったからだと思います。1つはバイト経験から得た対人能力。そして放送部時代・インターン経験から得たメディアへの最低限の知識や取材経験はメディアの運営に必須のスキルでした。

また昨年からはディップの経営中期計画を考えるメンバーに抜擢いただいたり、社員総会の運営チームにも所属していますが、どちらも8割の法則に則ってスキルの相互活用を活かしてきたから任せていただけたと思っています。

ーそんな小澤さんが今現在、ディップ以外で新たに挑戦していることなどはありますか。

AIに関連した取材活動の中で知り合った大澤研究室のPRチームリーダーを務めていることでしょうか。研究室にPRチームがあるのはとても珍しいのですが、一緒に研究とPRの新境地を開きたいとお話をいただき、現在学生と一緒にウェブサイトの管理や取材対応、動画撮影などを行っています。これまでは自分が動くことが多かったですが、PRチームリーダーとして次世代人材を育成するという新たな立場での関わりになります。

またディップでの新しい挑戦にはなりますが、2021年2月からスタートする新メディア「 SDGs CONNECT」の編集長も務めさせていただくことになりました!

ーそれはおめでとうございます!ぜひ最後に今後の目標や展望についてもお聞かせください。

これまでウェブメディアの運営に注力してきましたが、今年は広報という視点を大事にしていきたいなと思っています。引き続きウェブメディアの編集長として会社・メディアのビジョンのもと自分のスキルをうまく活用して頑張っていきたいです。

直近の課題としては新しいことを考えられる時間を確保すること。どうしても自分で何でもやってしまう性格なのですが、今年は「極力仕事をしない」をモットーにうまく周りの人を頼って仕事を任していきたいなと思っています。

取材:高尾 有沙(Facebook/Twitter/note
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:五十嵐有沙(Twitter