佐々木玲奈がSNSマーケター兼イラストレーターになれたのは「周囲に発信し続けたから」

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第232回は株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン デジタルコマースカンパニーでSNSマーケーターとして働く佐々木玲奈さんです。小さい頃から絵を描くのが好きだったという佐々木さんはなんと現在働かれている出版社で本のイラストも担当。一般企業で働きながらも大好きな絵とも向き合われている佐々木さんの現在に至るまでのお話をお伺いしました。

昔から絵を描くのが好きだった

ーまずは簡単な自己紹介をお願いいたします。

広島県出身で、慶應義塾大学SFC総合政策部を卒業後、現在働いている出版社に新卒で入社しました。初めは書店営業として働いていましたが、現在は株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン デジタルコマースカンパニーでSNSマーケターとして働いています。また、副業でイラストレーターとしても活動しています。

ーイラストレーターとしても活動されているとのことですが、小さい頃から絵を描かれていたのですか。

そうですね。幼稚園の頃から絵を描くのは好きでした。当時は動物の絵を描くことが多かったです。小学校の高学年に入った頃から人の絵も描くようになりました。中学に入ってからは漫画を読むようになり、漫画の影響を受けた絵を描くことも多かったです。

ーどのような中高生活を送られていましたか。

中学入学当初は読書好きな真面目タイプだったのですが、少しずつ優等生から遠ざかっていくような中高生活でした(笑)。中学1年の夏頃から少しずつ宿題をさぼることを覚え出し、少しずつレールから外れて行ったような感じです。通っていた学校はプロテスタントの学校だったで毎朝8:20から礼拝があったのですが、高校2年の頃には毎朝遅刻していてよく反省文を書かされていました。部活も美術部に所属していたのですが、特に熱心に部活に取り組むことはなく、どちらかというと授業中、退屈だと思ったらノートに落書きベースで絵を描くというのをずっと続けていましたね。

ーそうだったんですね。そんな中、どのように進路選択を決められたのでしょうか。

高校生の時はコスプレにハマっていたのですが、ニュースで取り上げられている東京のコミケ(コミックマーケット)を見て、東京や秋葉原にいきたいという思いを持つようになっていました。なのでとにかくヲタ活している人がたくさんいる東京に行ってみたいという思いから東京の大学への進学を考えていました。

数学が苦手だったので文系科目だけで受験できる大学を中心にみていたところ、塾の先生に勧められたのが慶應義塾大学のSFCでした。また、弟の家庭教師にも相談したところ同じくSFCを勧められたので、そんなにみんなが勧めるなら、とSFCヘの進学を決めました。

 

外見からアピールしたお洒落就活を経て出版社へ

ー入学してみていかがでしたか。

周りの人が勧めてくれた通り、SFCは自分にあっていました。高校の時は常に周りから浮いているという感覚があったのですが、SFCではそう感じることがなかったです。やりたいくないと思ったことはやらないと突き通す人や、自分の好きなことをやることこそが人生と言っている人など、自分に似た人にたくさん出会うことができました。広島にいた頃は自分が浮かない場所といえばコミケなどオタクの集団と言われるところにいる時だけと思っていたのですが、学校でも浮かないでいられたのはうれしかったです。のびのびとした大学生活を送ることができました。

ー大学でも絵は続けられていたのですか。

はい。高校までは紙とペンで描き続けていましたが、大学に入ってからはデジタルにシフトしていきました。今も基本はデジタルです。紙とペンは独学の方は多いかと思いますが、デジタルは独学が結構難しく…自分で調べたりしながら試行錯誤して少しずつデジタルで描けるようになっていきました。

ー就職活動についてはどのように考えられ、取り組まれていたのでしょうか。

抑圧的な雰囲気の会社は向いていないことやルールに従うことが苦手なのがわかっていたので、あえて茶髪で黒スーツではなく青地に赤チェックのスーツを着たお洒落な就活をしていました。その見た目で落ちる会社はきっと自分に向いていないだろうなと(笑)。外見からアピールすることで、選考が進む会社も限られたのでこの就活方法は自分に合っていたなと思います。

業界としては絵を将来的に仕事にしたいという思いからウェブデザインの会社を中心に受けていたのですが、あまりここだと思う会社には出会えませんでした。というのも面接で5年後どうなっていたいかという質問をされた際に、絵を仕事にしたいという話をしてもあまり興味を持ってもらえなかったんです。ですが、たまたま受けた今働いている出版社で同様の話をしたところ、一度絵を見せて欲しいと言われました。当時はBL系の漫画を書いたりしていたので、深く考えずにそれを送ったところ社長が絵を気に入ってくださったらしく…内定をいただくことができ、入社を決めました。

 

書店営業の日々が辛く、転職も考えていた

ー入社後はどのような仕事を担当されていたのですか。

最初は当時デジタルチームと呼ばれていた電子書籍担当になりたかったのですが、書店営業の配属となりました。そもそも会社員というのがどんなものかあまり想像ができていなかったのでドラマに出てくる出版社をイメージしていたのですが、働いてみると全然想像と違っていてギャップに苦しみました。

1年目は石川、富山、新潟、群馬、栃木の書店営業として各県の書店を訪問し、目立つところに書籍を置いてもらえるように交渉したり、取次を通さず直取引している出版社だったので置いてもらえる冊数の交渉を行ったりしていました。平日は毎日県を横断しながらのホテル生活で自宅には週末しか帰ることができませんでした。営業を通して書店でのヒットの作り方を身をもって体験したり、書店員の皆さんと友人のように仲良くしてもらったりと、学びや楽しみもある反面、体力のない私には移動しながらの生活が正直辛かったです。

個人的に何よりも辛かったのは、何年間この生活が続くのが分からないことでした。そこでいつでも転職できるようにとプログラミングスクールに通い始めることにしました。オンラインで授業が受けられるスクールだったので仕事終わりに講義を受ける生活を続けていましたね。

ーでも、転職はされなかったのですよね。

はい。転職をしなかったのは入社2年目にあった2つの出来事が理由です。

1つは2年目も書店営業として北海道、宮城、青森、秋田を回る生活をしていたのですが、絵を描きたいと言っていたことを社内の方が覚えていてくれ、書籍の販促パネルの絵を書いてみないかと依頼されたことでした。出張生活の中なんとか描いた絵が思いの外反響をいただき、書籍の売り上げが伸びたので最終的には書籍の表紙にまでしていただきました。イラストレーターには資格がないので、これまで「自称イラストレーター」だったのですが、初めて実績を作れたことはありがたく、自分の自信にもつながりました。

そしてもう1つが書店営業からSNS担当の部署に異動となったことでした。プログラミングスクールに通ったことがきっかけで情報収集が趣味になり、Twitterなどで得た便利なツール情報などを上司にシェアしていたところ、「社内の人たちにもっとシェアしたら?」と提案されたんです。そこで日報に長文でテック情報などを記載して社内の人に送り続けていたら「テックに詳しい人・新しいものが好きな人」というイメージがついていき…発信し続けたことが功を奏し、ちょうど会社がSNSに力を入れたいというタイミングでSNSマーケターとして抜擢されました。

 

倒れるならとにかく前に、進むならカオスな方へ。

ーすごいですね!佐々木さんが何かを決断する時に大事にされていることはありますか。

働くことにおいては何者にもならないことを意識しています。これはSNSの中の人を担当しているからということが大きいです。会社にも入れ込みすぎず、ユーザーである一般人側にも入れ込まないこと、ですね。それもあってプライベートでも1つのコミュニティに依存しないようにしています。依存してしまうと影響を受けやすくなり、それが自分の中でのスタンダードになってしまうからです。

人生においては「とにかく前に」ということを大切にしています。そして失敗をして倒れても前向きに倒れること。前に倒れておけば身長の分だけ進めるので。そして前に進む中で別れ道がきたらカオスな方を選ぶと決めています。大学時代に学長が「2つの道がある時はカオスな方を選んでおけば面白いことが待っている」と言っていたことが今も自分の選択肢の判断基準になっています。

ーなるほど。最後に今後の目標などがあればぜひ教えてください!

SNSマーケターとして働く中で、意外にもSNSをうまく活用できていない会社や個人がまだまだ多いことを知りました。SNSをうまく活用することができれば、たくさんの人に情報を届けることができます。なのでまだSNSを活用できていない方に、SNSの魅力やSNSの活用方法を伝えていけたらいいなと思っています。

イラストレーターとしては自分の得意な分野を伸ばしていきたいと思っています。「あまり漫画を描く才能はないな」とか「イラストも新規性ないな」などと思うところはあるのですが、描き続ける中で私はリアルなイラストであったり、3次元を2次元にしたイラストが得意だなと気づくことができたのでその辺りに注力して頑張っていきたいです。夢や目標は変わっていくのが当たり前だと思っています。自分が変われば、夢も変わっていくもの。なので1つの可能性に執着することなく、自分の変化を受け入れつつ自分の絵も進化させていきたいです。

取材者:中原瑞彩(Twitter
執筆者:松本佳恋(ブログ/Twitter
デザイン:五十嵐有沙(Twitter