YouTubeチャンネル登録者数10万人に至るまで!堀口英剛さんの物事の考え方に迫る

様々なキャリアの人たちが集まって、これまでのステップや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回は株式会社ドリップCEOとして活躍する傍ら、ご自身のYouTubeチャンネルでも積極的に活動されている堀口英剛さんです。

 小さい頃からモノを集めるのが好きだったという根っからのモノ好き堀口さんですが、現在のインフルエンサーとしての活躍に至るまでの経験や考え方について、今回は伺いました。

 

YouTubeの面白いところは、双方向のやりとりにある

ー簡単に自己紹介をお願いします。

 堀口英剛と申します。今年30歳になるのでアンダー29ギリギリの歳です。株式会社ドリップという会社を経営しており、私を含めた様々なインフルエンサーさんとモノづくりをしている会社さんを繋ぎ、新しい発想と確かな技術を元にして今までに無かった製品や長く愛されるような製品を皆様に届けるお手伝いをしています。

 それと並行して、「monograph」というYouTubeチャンネルを持っており、暮らしに関するお話や新しい電化製品やガジェットなどを紹介しています。自分の好きなものを発信する活動は、大学2年生から続けているので10年ほどやっていますね。初めは、ブログでテキストと写真を組み合わせての発信を始め、去年頃からYouTubeへ移行しました。本業で会社をやりつつ、複業としてYouTubeでの活動をしています。

 

ーまだYouTubeは始めて2年ほどなのですね。

 はい。私の場合、ブログでの発信経験があったので立ち上がりも順調でした。始めてからの伸びが早いのがYouTubeの良いところではないでしょうか。ある程度コンセプトや質がしっかりしていれば、YouTube側が勝手に集客してくれます。コアな層にはブログ時代にアプローチできていたのですが、より広いマス層にYouTubeを通して知ってもらえたと感じています。

 ブログでは物撮りが多かったので基本的に顔出しをしていなかったのですが、YouTubeでは顔出しが基本なので、街で声をかけられることが増えました。顔だけでなく声で気づいていただくことも多く、動画だと五感を通してコミュニケーションが取れるので面白いです。

 

ー他のSNSではなく、YouTubeならではの面白さなどはありますか?

 沢山ありますが、双方向のやりとりができるのは面白いです。ブログの頃は読者からの反応を知れる機会は多くはありませんでした。しかしYouTubeではチャンネル登録機能や、コメント機能によって段違いに反応をいただく数が増えたので、それがやりがいに繋がっています。

 また、YouTubeの方が分析機能も充実していますね。例えば直近であげた10本の動画のうちどれがどのような層に人気なのか、などを事細かに教えてくれるんです。そしてその分析を踏まえて改善していくと確実に再生数も伸びていくので、ゲーム感覚で楽しめます。

 

ーどのような比率で本業と複業をおこなっていますか。

 本業:複業が、5:5か6:4くらいですね。時間でいうと圧倒的に本業の方が長く働いていて、朝や夜の空き時間にYouTube用の動画撮影や編集などを行なっています。合間の時間にYouTubeをしているような感じです。

 

自分のペースでも、やることをしっかりとやっていれば結果は自ずとついてくると気付いた学生時代

ー幼少期はどんな子どもでしたか。

 思えば、小さい頃から好みの本質は変わっていなくて、物を集めたり何かを作ることが好きでした。小さい頃の夢は発明家でした。昔は機関車トーマスや魚、今は植物を集めてみたりと、その時々で興味のあるものを収集する癖は変わりません。

 モノづくりと言っても、かかと部分が無いダイエット効果が期待できるスリッパのような今までにない新しいアイデアの製品を作るのが夢でした。今のお仕事では新しいアイデアを持った人と物を作ることが出来ているので、夢が叶った部分もあります。

 

ー小学生の頃は、剣道をされていたとか。

 はい。剣道は何となくで始めました。当時はとても楽しかったのですが、いま思うと剣道は大人になってからの使い所が無いなと思っています。学生時代に球技などにハマっていたら、もう少しスポーツを続けていくことへのハードルが低かったのかなとも思います。

 もちろん、剣道をやっていて良かったなと思うことはあります。剣道は基本的に1対1の個人戦なのですが、決勝へ勝ち進んだときに沢山の人から注目される場面で声を出して緊張に打ち勝ちながら力を発揮して相手を倒すという経験から、人前で何かをしたり話すことへの場慣れが出来たと感じています。チーム競技ではなく個人競技ならでは、周りから注目されることへの耐性が付いた気がします。

 

ーその力に気付けているということも素敵ですね。そのまま剣道を続けていたのですか?

 いえ。高校は男子校に通っていて、チームで何かをやりたいなと思ったので吹奏楽を始めました。当時通っていた高校の吹奏楽部がとてもかっこよく見えたからです。楽器であれば今後の長い人生で続けていけることや、音楽は生活の中にも取り入れることが出来ることなどが選んだ理由にありますね。本当に楽しかったです、まさに青春でした。

 

ーちょうどこの頃に自分のペースを掴むことを学んだとお伺いしています。

 当時通っていた高校が「自主自立」を大事にしていたので、制服も校則もなく、全てが自己責任の学校でした。当時、私は朝にすごく弱かったので昼から登校して、出席しなかった分は自分で勉強して補っていました。その時に、型にハマらずともやることさえしっかりやっていれば結果も出るし、認められることを学びました。おかげで、社会人になってからも自分のペースで仕事や生活が出来ています。

 

ー周りに流されないようにするコツはありますか。

 やることをやっていないと、他のことを心から楽しめていないと気付けるかは重要かもしれません。「あれをやらなきゃ、これをやらなきゃ」と気にしている時間が勿体無いので、気になる前にさっさと終わらせてしまえば、効率も生産性も上がって一石二鳥です

 

大切なのは、こなす量と継続すること

学生時代にはじめたブログは、今も堀口さんの活動の柱の一つになっている。

ーその後、大学へ進学されて、ブログを始められたんですね。始めるきっかけとは、何だったのでしょう。

 そうですね。ここが私のターニングポイントだったと思っているのですが、当時の通学時間が片道2時間半ほどありました。初めの頃は当時流行っていたパズドラをずっとやっていてたのですが極めたら飽きてしまって、何か別のことをしようと思いmixiを始めました。そこで映画や漫画の感想などを発信していたら周りから好評で、友人しか見ることが出来なかったmixiよりも、さらに多くの人に見てもらえるようにとブログを開設しました。とにかく時間があったので、多いときは1日で5記事ほど書いた日もありました。当時は大学の授業を受けつつ書いたりと、とにかくハマって書いていました。

 

ーネタが切れたりなどは、無かったですか。

 元々、ネット上の記事を読むのが好きだったので1日に1000記事くらい普通に読んでいて、そうするとその中で1,2記事は確実に面白い記事があります。その面白い記事の紹介もしていたので、ネタが尽きませんでした。

 

ーそれぞれのスキルはどうやって磨いていったのですか。

 一定のレベルまでは量で補っていました。自分の型を決めて目に見えないような1、2%の改善を重ねて少しずつ質を上げていった結果、自分の色が出てきました。これはスポーツも似ていると感じていて、例えば5球しか投げない時よりも100球を投げ続けた方が一定のレベルまで身体も覚えて改善しやすいですよね。

 そこからは、続けることです。ブログやYouTubeの数字が跳ねたのは、全て日々努力を続けた結果に過ぎません。

 

一歩を踏み出す事が成功への近道

ー新卒での就職先はどのように決めたのですか。

 2,3社から内定は頂いていましたが、最終的にYahoo! JAPANに入社を決めました。自分の性格と合っていて働きやすそうだと感じたからです。というのも私は、力を注ぐ一つの軸を持ちつつ他のことにも挑戦してみたくなってしまう性格なので、一社に全身全霊は捧げられないと思ったのです。

 

ーなるほど、当時からパラレルキャリアを意識されていたんですね。

 そうですね。最近は複業OKの会社も増えてきていますが、実際は「業務は通常通りやった上で副業をしてね」という場合がほとんどです。例えば週3出勤がOKであったり、15時の退社が認められるなど、一定の自由が認められなければ本質的に副業OKとは言えないと思っています。その点Yahoo! JAPANは当時から副業に対しての理解があり、柔軟さがありました。

 

ーその後独立をされてますが、なぜ決断されたのですか。

 Yahoo!JAPAN!では、新規事業をやるよりも既存事業で成果を出して親会社のソフトバンクに利益を還元する考えが根本にありました。しかし私は新規事業をやりたかったので、当時人事だった伊藤羊一さんに相談したところ独立を勧められ、起業を決めました。

 

ー一歩を踏み出すのは怖くなかったですか。

 恐怖心はなかったですね。もともと好奇心が強いのもありますが、気になるものがあったらまずやってみる、現状維持よりは新しくチャレンジしてみることが成功への近道だと考えています。私の知り合いでも、「YouTubeってどんな感じなの?」と話だけ聞いてくる人と、面白そうだからやってみた人とどちらもいますが、後者の一歩を踏み出せる人の方が圧倒的に成功している印象です。

 よく言われることではありますが、まずは一歩を踏み出してみて、そこで分かったことを元に改善していくやり方の方が最終的に成功する確率は高くなりやすいです。この事を実体験ベースで私は知っていたので、起業する事にためらいはありませんでした。

 

自分の中のポジティブな感情を大切にする

ーどのようにして新しいことに挑戦し続ける原動力を生み出していますか。

 自分が楽しいと思えることを意図的に集めて、パワーを出しやすい環境を自ら作るようにしています。例えば私自身は、オススメしたものを友達が気に入ってくれた時にとても楽しいと感じます。なので、仕事にもその要素を取り入れるようにしています。

 Yahoo!JAPANで営業をしていた時も、取引先の方に「(当時から好きだった)家電やガジェットについてなら何でも答えられます」と毎回言うようにしていました。その結果、取引先の役員の方とドラム式洗濯機を買いに行ったこともあります。(笑)自分が楽しいと思えることを仕事に付け加えていくことで、自ずと力が出しやすくなり結果として仕事もうまくいく好循環が回り始めます。ぜひ皆さんも、自分が楽しいと感じる要素を見つけ、日常に取り入れてみてはいかがですか

 

ー最後に、今後目指す姿や未来について教えていただけますか。

 これまでは0→1ベースでメディアや会社をつくる経験をしてきたので、次はそれらを1→100に広げていくフェーズに取り組んでいきたいです。

 

ーありがとうございました!堀口さんのこれからの活躍を期待しています!!

堀口さんのYouTubeチャンネルはこちら👇

取材者:吉永里美(Twitter/note
執筆者:たるちゃん
デザイナー:五十嵐有沙(Twitter