広告代理店と事業会社、それぞれの立場でマーケティングを経験!神田美咲が考えるマーケターに必要な2つのコトとは?

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。

今回のゲストは、株式会社サイダスにて、ブランド戦略部 マーケティングチーム スペシャリストとして活躍中の神田美咲(かんだ・みさき)さんです。

新卒で総合広告代理店に入社し、データマーケティング会社でプランナーを経てサイダスに入社した神田さんがこれまでたどってきたマーケターとしての道のりと、マーケターに必要なコトについて感じることを語っていただきました!

広告代理店を目指したキッカケはTVドラマ!しかし配属先は別世界だった!?

就活時の神田さん

ーそれでは、まず自己紹介をお願いします!

神田美咲です。人事の方が使うようなタレントマネジメントシステムを開発している株式会社サイダスにて、マーケターとして働いています!

現在は社会人歴6年目で、新卒では総合広告代理店に入社しており、2社目はデータマーケティング会社でプランナーをやっていました。

これまではクライアントワークが主な業務でしたが、今後は事業会社にて自社の事業を伸ばすマーケティングの仕事がしたい!と考え、転職して1年が経過しました。

ーそもそも最初に広告代理店に決めた理由は?

2006年に放送していたフジテレビ系の月9ドラマ『サプリ』の影響です!

広告代理店を舞台に繰り広げられる仕事や恋愛を描いているドラマなのですが、それを観て「絶対、広告代理店で働きたい!」と感じたんです。それは大学に入ってからも変わらず、就活でも広告代理店に絞って活動していました。

ーそこまで『サプリ』に憧れたのは何故でしょう?

そのドラマでは、ただ広告代理店のキラキラした部分のみではなく、リアルに辛い部分も描かれていましたし、プランナー・デザイナー・コピーライター・営業などと様々なキャラクターが”チーム”で色々な困難に立ち向かっていく姿を描いていたんです。

CMなんて、1つは15秒〜30秒で終わってしまう。でも1つの作品を作るのに、各部門のプロフェッショナルが集まってチームで動いている感じがすごく良かったです。

また、ドラマでは「広告とは何か?」と考えさせる要素もありました。たった数秒の作品が、人の行動や感情を変えるって凄い…!私もそんな作品を作るプロフェッショナルになりたい…!と、漠然と憧れたのを覚えています。

ー中学で目指すようになって、就活でもやっぱり目指したのでしょうか?

キッカケは中学生の時ですが、その後は進学校で勉強熱心なただの女子高生でしたし、大学で上京をしてめいっぱい学生生活を謳歌していました!

就活は色々と受けた結果「やっぱり広告代理店が良いな」と感じ、絞っていきました。でも、総合広告代理店の面接の候補者はすごい人ばかりでしたし、なかなか受からないことも多くて、難しいと思うことも多かったです。

最終的に、社風や社員さんの雰囲気と相性がいいなと感じる総合広告代理店に入社できて良かったです。

ー入社して、『サプリ』の世界と差はありましたか?

総合広告代理店なので、働き方や会社そのものの雰囲気、やっている業務などはドラマの世界ではありました!ただ、私が配属されたデジタルマーケティングの部署は別世界でした(笑)

ドラマでは屋外広告やTVCMなどのマス広告がメインですが、デジタルマーケティングは細かく数字を分析して成果を出す仕事です。

クリエイティブな仕事とは程遠く、数字とにらめっこして、リスティング広告をガンガン回してましたね…。新卒時代は不満も不安もありました。ただ、任された仕事は何でもやってみよう!と真剣に向き合ってみたらデジタルマーケティングも面白かったです。

当時、デジタルマーケティングの領域は一番盛り上がっており、新しい技術や手法が次々と生まれる環境だったので、飽き性な自分の性格にも合っていました。広告業界の中でも、特に最新の日々変化するデジタルマーケティングに取り組めたのは良かったですね。

 

転職先で”恩師”と出会うも2度目の転職を決意。20代で3社を経験!

2社目のデータマーケティング会社の皆さんと

ー新卒で入社した広告代理店で、特に大変だったことは何ですか?

最も印象的だったのは、3年在籍したデジタルマーケティングの部署から営業に異動した直後、会社にとって過去最大規模のプロジェクトを担当したことです。予算は億単位で、準備期間がとても短い中でのプランニングが必要でした。

予算も多い分、お客様の求める基準も相当厳しく、初めて仕事をやっていて「死ぬかも」と感じましたね…(笑)毎日時間がとにかくなくて、1ヶ月の残業時間だけで200時間を超えたことも!

プロジェクトが終わるまでの数ヶ月、体力と気力勝負でした。最終的にはお客様にも満足いただけて、本当にほっとしました。

ーこれまでのキャリアにおける、ターニングポイントは?

その巨大プロジェクトが終わってしばらくして、2社目であるデータマーケティングの企業にプランナーとして転職しました。理由は、もっと幅広い視野をもって色々な企画を作れるようになりたい!と思ったからでした。

そこでとある優秀なマネージャーと出会いました!その会社のプランナーは皆優秀なのですが、彼は企画のセンスや実力がずば抜けているし、部下への指示出しや人を成長させるマネジメントスキルも高かったと思います。

入社してすぐ、仕事がデキる同僚に引け目を感じて自信が持てなかった私に、「自信がないなら、自信をつけなさい」とピシャっと言ってくれました。

何が自信が持てない原因なのかを細分化したり、要因を探るために多くの本を読んだり、ただがむしゃらに目の前の仕事をやっても自信がつかないなら、知識を付けなさいと教わったんです。

そこから、プライベートの時間をインプットする時間に充てたり、苦手だったビジネス書を読んだり…その一言で行動や生活がガラッと変わったし、次第に案件が取れたり仕事でも良い結果が出てきたんです。

今は私が転職してしまったので、疎遠になってしまいましたが変わらずリスペクトしています。今でも企画を考える時は、そのマネージャーが言っていた一言一句を思い出します。マネージャーというより、”恩師”という存在ですね。

ーそんな出会いがあったのに、転職したのはどんな理由が?

その企業で大きな組織編成があり、その恩師の元で働けなくなったのがキッカケです。どうしても一緒に働きたくても、不可能だと分かったら働く意味をあまり見いだせなくなってしまって…。将来を悩んだ際に、かねてより行きたいと感じていた事業会社へ転職を決めました。

今では、ある意味そういうタイミングだったのかなあとも思います。

 

会社にマーケティング思考を浸透させたい!マーケターとして必要なコトとは!?

サイダスの忘年会にて♪

ー3社目は株式会社サイダスさんですが、なぜHRTechの会社にしたのでしょう?

事業会社に行きたいと考えた際に、色々な会社が世の中にある中で、自分が好きになれる分野・夢中になれるものを探していました。社員の働き方や組織づくりと関わるHR系の企業は以前から興味があったので、サイダスに入社を決めました!

ー入社して約1年…どんなお仕事をやっていますか?

サイダスは100名ほどのまだ小さい会社なので、裁量権もありますし、色々な業務をやらせてもらっています。日々の仕事はWEBサイトの改善、広告の運用などマーケティング分野の業務ですね。

他にもイベント企画・広報・PRなども色々幅広くやっています!また、社員がもっと発信力を付けられるように「Twitterボーナス」を生み出しました!

ーTwitterボーナス!?それはどんな内容なのでしょう?導入のキッカケは?

Twitterをやってフォロワーを増やすと、ボーナスをもらえる仕組みの福利厚生です。人事ではなく、マーケティングメンバー発信で福利厚生制度を生み出しました。

サイダスは同じHR系の競合と比較してもまだ認知度は低いですし、ブランディングもまだ十分ではない状況が課題だと感じていました。

お金をかけて広告を打つのも良いのですが、どうせやるなら社員を巻き込み、インナーブランディングも兼ねてやりたいと思い、中の人が情報を発信できる仕組みを作りたかったんです。

最近では、他企業のTwitterをやっている方から「サイダスさんってTwitter頑張っているよね!」と言われるようになりましたし、クライアント企業様から「最近サイダスのTwitter見てるよ!」と言われるようになったんです。会社にとってもマーケティングの仕事としても、すごくいい効果が出ている実感があります!

ー広告代理店から事業会社に転職してみて、一番の違いは何ですか?

そうですね…。事業会社に来て感じたのは、「この施策やった方が良いよ」と言っても周囲に広告やプランニングのノウハウがないので、すぐには理解してもらえなかったりはしました。なので広告代理店にいた頃とのギャップはすごく感じますね。まだ試行錯誤中です。

一方、事業会社に入って、セールス・カスタマーサクセス・開発チームなど色々な仕事を見て最適なマーケティング施策を考えてみたかったので、今の環境はとても面白いです!

マーケティングとは、会社全体を見ることだと思うんです。どうやってこの製品を作ろう?どう商談を持ってこよう?受注できたらどうやってアップセルを狙っていこう?など、常に最適な手法を考えていくことは、全部マーケティングだと思うんですね。

それを一貫して考えられる人になりたいので、事業会社は”やりたいことだらけ”という状況です!

ーこれからマーケターを目指す人に、「マーケターに必要なコト」を教えて下さい!

まずは視座を高く持つこと。続いて知識欲。この2つがマーケターに必要な資質だと思います!

TVCMを流そう・デジタルマーケティングをやりたい!等というただの手法論ではなく、全体を俯瞰して最適な戦略を考えることができれば、最適な方法は自然と決まってくるんです。そのため、業界や手法に縛られず、視座だけは高い方が良いと思います!

知識欲に関しては、私も恩師から教わったように「自信をつけるために知識を付けなさい」ということですね。自分がインプットを通して変わっていったので、世の中に常にアンテナを張り続けることだけは常に続けて欲しいと思います。

私もまだ足りていないと思うので、今後もこの2つは大事にしていきたいです。

ー今後に関して、ビジョンを教えて下さい!

サイダスはまだまだ成長途中の会社なので可能性は無限大だと思っています。そのためにインナーブランディングも注力しています。今後はもっと社員の1人1人が部署に関係なく、マーケティングに関心を持てるようにしたいです!

自分の人生においては、数年後に会社を立ち上げてみたいなあと思っているんです!0から会社を作り、事業を決め、案件をいただき、継続的に売上をたてるには…?と、全ての要素に欠かせないマーケティング思考をインストールした会社を、私の手で作ってみたいです!

会社の命運が自分にかかっている…というアドレナリン全開で取り組めるものを、一生に一度は体験してみたいなと夢見ています!

ーワクワクするような神田さんの今後に期待です!ありがとうございました!