政治をもっとポップで身近なものに。POTETO代表・古井康介が見た世界の選挙とは?

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。今回は株式会社POTETO Media 代表取締役社長の古井康介さんにお越しいただきました。古井さんが政治に興味を持つようになった中学・高校での経験とは?古井さんがみたアメリカ・フランスの選挙の実態とは?現在のサービスに至るまでの経緯やこれから古井さんが目指す社会についてお話いただきました。

日本の政治のデジタル化を目指す

ー早速ですが、現在取り組まれている事業について教えていただけますか。

POTETO Mediaでは政治専門の広告代理店として、政治をわかりやすく発信する活動に取り組んでいます。政治におけるマーケティングコミュニケーション専門の会社、のような感じです。元々は学生団体としてスタートしたのですが、発信を続けている中で政治家のPRビデオに取り組むチャンスをいただき、それ以来いろんな繋がりでお仕事をいただけるようになったので企業化しました。自民党の総裁選挙のPRをお手伝いさせていただいた実績もあります。

POTETO Mediaが目指しているのは政治のデジタル化です。デジタルを活用して政治のマーケティングに取り組み、政策づくりに活用。そしてできた政策を流通させるのもデジタルで行っていきたいと思っています。

ーなるほど。ちなみにPOTETOとはどういう意味があるんですか。

政治の電波塔を英語にしたPolitical Telecomunication Towerから2文字ずつとって名付けました。ちなみに、最近スタートさせた新しいサービスPOTOCUは「政治(Politics)でお得に」から名付けました。

ーPOTOCUについても少し教えてください。

POTOCUでは国が用意している制度をしっかりと使いこなして欲しいという思いから、条件を入れれば自分が該当する制度が見つかるサービスを提供しています。このような類似のサービスはいくつかあると思いますが、POTOCUの特徴は、制度がグラフィックで説明されている点です。その制度で何がもらえて何ができるのか。制度を利用するための細かい条件や制度の使い方についてできるだけ分かりやすくまとめるというのに多くの時間をかけています。多くの制度が名前が複雑化しており、種類も多いため、必要な人が活用できていないケースが多くあります。少しでもその助けになればと思っています。

POTETOとPOTOCUに繋がる原体験

ー政治に興味を持ち始めたきっかけは何だったんでしょうか?

中学生の時に、正しいことをやりたくても決められる立場にいないと何も変えられないと気づいたというのがきっかけになっています。

具体的なエピソードは2つあるんですが、1つは中学2年の体育祭でのできごとです。体育祭では例年応援合戦が行われており、3年の団長の人たちだけ学ランを着ていました。それに対して学校側が一部の人たちだけが目立つなのかどうなのか、全員体操服にするべきだとルールを急に変更したんです。それはおかしいと思ったのですが、中3の先輩は受験時の内申を気にして先生方には抗議しにくいとのことだったので、中3になったら学ランを着たかった私は署名活動をはじめることにしました。その結果、学校側も話し合いの場をもってくれ、今年は選択制とし、来年は事前協議をしてから服装を決めましょうということになりました。が、来年団長に立候補にするには今年は自ら体操服を選んだ人のみという条件付きだったんです。大人って汚いな、世の中は不公平だなとその時思いました。

もう1つは生徒会長に立候補した時のことです。私が在籍していた中学では、授業中にゲームをやるような生徒がいる学校だったのですが学校側は音を出さないでやる分には周りに迷惑をかけないので授業中のゲームを黙認している現状がありました。にもかかわらず服装に関してはとても厳しかったのでそれはおかしいのではと思い、風紀委員会の設置を掲げて生徒会長に立候補しました。しかしその時も先生方が生徒側に圧をかけて票を集められ、生徒会長になることができませんでした。学校の生徒会選挙に大人が介入してくること、めんどくさいことは見て見ぬ振りながら生徒の自主性を蔑ろにする先生に怒りと疑問を持った経験となりました。

これらの経験から自分の無力さを感じたので、権力でねじ伏せられることはこれ以上嫌だと思い、決める側の立場につきたいと思うようになりました。

ーそんな出来事が中学の時点であったんですね。高校生活はいかがでしたか?

高校は地元富山の公立の進学校に進んだんですが、この時の出来事が今提供しているサービス、POTOCUに繋がっています。私の家は両親・親戚も高卒でだったので、なんとなく東京の大学行きたいと思って高校生活を過ごしていました。しかし、いざ高校受験となった時に、慶應大学に行きたいと両親に相談したところ学費を出せないので志望校を変えて欲しいとお願いされました。両親は自営業でリーマンショック以後、会社の業績が厳しく塾に行く余裕がないのは知っていましたが、それでも学費くらい何とかしてくれるのではないかと思っていたんです。

その時にたまたま学校の黒板に貼っていた、現役で合格した場合もらえる奨学金の案内をみつけ、その結果大学にいけることになりました。実は兄弟3人共、なんらかの授業免除制度や奨学金制度を使って大学に進学させてもらっています。でもその制度について知れたのは本当に偶然だったので、制度が存在していることと、それが知られているかどうかは別だなというのを感じました。制度があることを知らなければ、東京への大学進学も夢のまた夢でした。

学生団体POTETOの設立

ーそこから大学に進学しPOTETOが学生団体としてスタートしたんですか。具体的には何がきっかけとなったのでしょうか。

2016年6年にイギリスでEU離脱を問う国民選挙の様子をテレビで友達と見たのが元々のスタートです。その時に大学生のノリで、海外の選挙を見に行こうとなり(笑)ちょうどアメリカの大統領選が今年の11月だということでバイトしてお金を貯めて現地の選挙の様子を見に行くことにしました。

特に深く考えていた訳ではなかったのですが、一緒に行った友達がカメラ好きで、どうせ行くなら旅の記録ができるようにYouTubeを始めようとなりました。そしてアメリカの大統領選を現地で見にいきますという内容のYouTubeをのせたところ1万回再生されたんです(笑)そこから、大統領選について面白くまとめたらいいかも?と思ったのがPOTETOのはじまりです。元々はメディアというよりはYouTuberのようなスタートでした。

ーそんな経緯があったんですね!実際現地に大統領選を見に行ってみてどうでしたか?

日本との違いに驚きの連続でした。例えばトランプの集会場は、飛行場が会場となっておりメイン会場となっていた格納庫ではミラーボールが回っていて音楽が鳴っていてクラブかと思いました(笑)またトランプの入場する演出も豪華で、アメリカの大統領選はパーティー要素が強いということが分かりました。

またトランプさんを支持している=アジア人に差別的な人が多いのかと思っていましたが、意外にも歓迎されたのにはびっくりしました。日本からわざわざトランプの応援のためにきてくれたの?!と親切にされました。逆にヒラリーの集会では、ヒラリーが負けた瞬間に「自分のアイデンティティがなくなった…」と泣き崩れる若者を見ました。日本で、自分が投票した候補者が負けた時にこうやってなく若者はいないんじゃないか?と思いました。

ーそして帰国後、本格的にPOTETOがスタートしたんですね。

はい。40人くらいの学生が集まってくれ、今度は翌年に行われたフランスの大統領選を見に行くことになりました。39歳のマクロン候補がこの選挙では勝ったのですが、彼の勝利宣言もまた印象的でした。ルーブル美術館の中庭、ガラスのピラミッドの前にライブステージが組まれ、前座にはフランスで人気のEDMの方が歌い、マクロンの入場と共にベートーヴェンの曲が流れ、フランスを象徴する赤と青のライトが回っていました。アメリカに負けない豪華な演出で、若者もたくさん参加しに来ていました。

この勝利宣言を見て、国の文化的な施設の前などで自分たちが選んだリーダーを祝うのがいいなと純粋に思いました。日本でもアメリカやフランスのようにかっこいいプロモーションを行ったり、ポップな印象を政治に持たせることができたら、若者ももっと政治に参加しやすくなるのではないかなという思いが強くなりました。そして少しでも日本の政治を楽しみながら関われるものにしたいと思っていたそんなタイミングで、様々なお声かけをいただけるようになり、菅元総理のPRビデオの作成などに関われるようになりました。

全員が生きたい人生を生きられる社会を目指して

ーそんな中で、就職活動もされていたのでしょうか。

はい。POTETOは当時まだ学生団体だったので、就活をして、卒業後は副業として続けていこうと考えていました。大学4年の4月から就活しはじめたんですが、広告系やメディア系、新聞系はすでにエントリーの締め切りを終わっているところばかりだったんです。そこでまだ募集していたリクルートを受けたところ内定をいただくことができました。

内定を受諾したんですが、POTETOの活動を続けている中で12月の自民党総裁選に関わりたいと思い自民党に営業に行ったところ、お手伝いさせていただけることが決まったんです。その結果、どうせなら自民党総裁選をやり切ってから就職したいと思い内定は残念ながら辞退することとなりました。

総裁選終了後にまた就活をしようと思っていましたが、国のリーダーを決めるプロモーションを見てきた立場としてもっと政治に関わっていきたい、政治をもっと分かりやすく伝えたいと思い就職ではなく、会社設立の道を選ぶことにしました。

ー今後の展望などもぜひ教えてください。政治家になる、なども検討されているのでしょうか?

いつかチャンスがあれば政治家になりたいという思いはあります。しかしそれはあくまでも手段と考えています。なんで立候補するのかが明確であるべきだと思っているので、政治家になって成し遂げたいことが見つかった時に立候補できればと思っています。

 開発中のPOTOCUは行政制度の「流通」をデジタルの力で解決する取り組みだと考えています。世の中の様々なものがテクノロジーの力によって、隅々まで流通している。そんな中、政治だけが書類やハンコ、その他様々な規則によって「届かない」理由を作ってしまっています。このサービス、POTOCUによって、制度が一人でも多くの人の手元に届くように、政治のデジタル化を推進する「Politech」のスタートアップとしてこれからも頑張っていきたいと思います。

目下の目標は 政治をもっと身近なものにすることです。全員が生きたい人生を生きられる社会にしていきたいです。

 

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取材:西村創一朗(Twitter
執筆:松本佳恋(ブログ/Twitter