【徹底した分析と集中】トップ就活チャンネルMC・長内孝平が、公務員志向から起業家になるまで 

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第51回目のゲストは人気YouTubeチャンネル「トップ就活チャンネル」”MCおさ”こと長内孝平さんです。 

卒業後、伊藤忠商事で働く傍ら、YouTuberとして活躍。子どもができたことを契機に、退職・起業・移住を実施。現在はチャンネル登録者数33,000超えの「トップ就活チャンネル」、73,000人超えの日本最大級のExcel専門チャンネル「ベスト転職チャンネル(おさとエクセル)」を運営している。

動画プラットフォームを初期から開拓し、起業までした長内さん。一貫してブレない行動の裏には、大学時代からの分析力の成果と、そこから導き出された一極集中型の戦略がありました。

もともとは公務員志向だった。起業家精神が養われた留学

ー本日はよろしくお願いします!大学時代のお話からさかのぼって伺いたいのですが、どんな生活を送っていらっしゃったんですか?

大学は、神戸大学に通っていました。主に留学生支援のボランティアと、外交官になるための勉強に時間を割いていましたね。

父親が国家公務員だったことが影響して、ずっと国務に仕えることを考えていたんです。

 

ー国家公務員!いまとはずいぶん違う進路ですね。方向転換したのは明確なタイミングがあったのでしょうか? 

これ、といったライフイベントがあったわけではなくて、自分の中でずっと考えていたことの先に「起業家」という選択があったという感覚ですね。

当時、自分なりにスティーブ・ジョブスや孫正義など、成功している人を分析していたんです。みんな共通して、一点突破しているんですよね。選択と集中がとにかくうまい。そのストーリーを自分に当てはめて考えてみたんです。

経済学部でファイナンシャルを勉強していて、数字の分析に強い。なおかつ、コミュニケーション能力が高いという自己評価をしています。この自分の強みを活かすとしたら、公務員よりも起業家のほうがスピーディーに社会にインパクトを与えられるなと思ったんです。

 

ーそれは大学時代のいつの頃のことでしょうか?

大学3年の冬から大学4年の春にかけてくらいでした。それで、もともとは外交官になるから留学はしなくても…と考えていたんですけど、起業家になるなら学生のうちに、と思って休学して大学4年の夏からワシントンへ留学をしました。

ー留学でどんな経験を得られましたか?

私費留学だったので、周りに日本人が多かったんです。その人たちが、起業家精神が強かったというか…自分でメディアを運営して、収入を得ているような働き方をしていました。それまで、僕、ワードプレスすら知らなかったんです。そこで「ビジネスってこうやって作るんだな」というのを見て学びました。

ライターとしてコンテンツ制作の仕事をもらいながら、手を動かして経験を積みました。実際に、現地でできた友人とメディアの立ち上げもして、留学についての情報発信もしていましたね。

 

ーそれは思わぬ収穫でしたね。ほかに学んだことはありますか?

1年弱留学をしていたんですけど、一番の収穫は「キャリアは流動的なもの」という考えを知れたことです。アメリカと日本だと、キャリアに対しての感覚が全く違うんですよね。転職は当たり前だし、フリーランス文化が強い。そういう環境に身を置いて、なおかつ留学先で起業家の講演に頻繁に触れられ、より強く「起業家になろう」という気持ちが高まりました。

 

就活は相手のニーズに合わせて自分をパッケージ化すること

ーそんなふうに起業への意識が高まっている中、就職をしたのはどうしてですか?

帰国してさらに休学期間を延長し、1年間は学生起業に挑戦したり、ひたすら本を読んでインプットしたりする時間にあてることにしました。ビジネスも割とうまくいっていたんです。そのタイミングで、尊敬している先輩に「せっかくうまくいっているのなら、もっと哲学を深めたら?」とアドバイスをいただきました。

そこから、哲学書を100冊ほど、3か月かけてひたすら読む中で、精神的に病んでしまって…。ある哲学者の言葉に傾倒して、それまでの人生が、虚無なものに思えしまうように。いま振り返れば、人生を豊かにしてくれたとも捉えられますが、あの期間はどん底でしたね。

 

ーそんな時期があったんですね。どうやって乗り越えたんですか?

その頃は盛岡に住んでいたんですけど、わざわざ同意者と話したいがために東京まで行くこともありました。そうやって人と会っていたのは、よかったんじゃないかなと思います。孤独になっていなかったことから、そのうち気持ちも回復してきて。

親に心配をこれ以上かけたらいけないな、と思って就職活動を始めました。

 

ー伊藤忠商事に就職したのはどうしてですか?総合商社に絞っての就職活動だったのでしょうか?

いえ、そういうわけではなく、単純にあまり時間をかけていなかったので、ESを提出できたのが7社しかなかったんです。その中で、一番最初に内定をくださったのが伊藤忠商事でした。それが決め手ですね。

就職活動は、相手が求めているものを的確に把握し、そこに合わせて自分をうまくパッケージ化させることが大事です。総合商社の場合は、ガッツやリーダーシップを求めているので、それに合わせて自分の経験をうまく伝えることができたので、内定をいただけたと思っています。

 

保守的にならない。「今、やるべき」と思ったらチャンス

ーExcelの使い方を分かりやすく伝えるYouTubeチャンネル「おさとエクセル(現:ベスト転職チャンネル)」はどのタイミングで始めたんですか?

卒業前から始めていました。伊藤忠商事は副業ができないので、収益化は全くしておらず、ただただ人の役に立てばいいなという気持ちでコンテンツ作りをスタートしましたね。

また、自分のそれまでの経験から、動画を通じて学ぶことの効率の良さを体感していたんです。それまでExcelを動画で学ぶというサービスがなかったので、マーケットとしてもこのコンテンツは伸びると確信をしていました。

  

ー会社員生活はどうでしたか?

関わったプロジェクトは様々でしたが、一貫して経理周りを担当していまいた。賢く、素敵な方々に囲まれての仕事は、順風満帆なものだったと思います。その一方で、やりがいを見出すことは困難でした。自分の中で、ライフワークという位置づけに留まっていたんです。

大学時代から、自分のミッションを「いい世の中を作る人を増やす」と掲げていました。けれど、実際は財務や経理、会計の仕事ばかり…。生きるための仕事でしたね。

ーYouTubeの方は、両立してどのくらい活動していたんですか?

3年4か月の会社員生活のなかで、公開できたコンテンツは20本ほどでした。仕事前に早起きをし撮影して、土日に編集…という時ももちろんあったものの、もっとやろうと思えば100本は作れたと思います。そこまで根詰めてやっていたわけではないですね。

それでも、YouTubeはストック性が高いプラットフォームなので、自然と影響力は伸びていきました。それが成熟したタイミングで独立しました。

 

ー独立したひとつの契機として、子どもが生まれたことも大きかったと聞いています。子どもができると多くの人は保守的な選択をしそうですが…。

逆に、子どもがどんどん大きくなるにつれて、リスキーなことはより避けるようになると思うんです。もちろん、「独立していいんだろうか…」と迷うときはありました。でも、「今やらずに、いつやるんだ」って。

YouTubeのマーケット環境を俯瞰しても、YouTuberとしてのポジショニングも確立していました。年齢的にも脂がのった時期で、「今だな」と確信して、会社を辞めてYouseful株式会社を創業するに至りました。

 

限られたリソースは、やるべきことに全投下せよ

ー会社員としてずっと青山という都会で働かれていたのに、一転、活動の拠点を青森に移されたのはどうしてですか?

プライベートとビジネスを両立させるための最適な選択が「青森に移住」だった、それだけです。

現在、青森で両親のサポートを受けながら子育てをしています。そうすることで、ビジネスの時間をしっかり確保することが叶っているんです。僕の仕事は動画を撮ることで、場所はどこだって構わないんですよね。

経営者って、やることを列挙するとキリがありません。でも、自分のリソースは限られている。どこに費やせばレバレッジをかけられるかを見極めて、そこに全リソースを投入できる人が成功を納めます。僕にとって、やるべきことは「動画を撮る」だけです。

 

ーなるほど。一極集中したことで、チャンネルを伸ばすことができたんですね。

この一極集中する場所は独立する際にとことん考えました。そして明確化されたことによって、人と会うことさえもノイズになったんです。東京にいれば刺激を与えてくれる人たちに出会うことは容易です。でも、いまの僕には必要ない。そうなると、東京に住み続けるメリットは消え、むしろ仕事の時間を増やすことができる青森での環境の方が魅力になったんです。

現在は、組織作りも完成していて、編集も、メディアのマネージャーも、演者も、複数人体制で回しています。そうすることで、純粋に僕は動画を撮ることだけに集中できる。これが他の追随を許さない要因となっています。

 

ー今後はどのようにビジネスを展開させていくご予定ですか?

いままで、就活や転職といった働き方においての「点」を抑えるコンテンツを作ってきました。今後は、さらにスキルアップという軸を加えて、大量にコンテンツを作っていく計画です。

追っているのはチャンネル数でも、再生時間でもありません。視聴者に最高のUXを提供すること。そこを変わらず大事に、継続していきます。

 

ー本日はありがとうございました!

 

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取材:西村創一朗(Twitter
執筆・編集:野里のどか(ブログ/Twitter