INITIAL編集者・町田大地さんのスタートアップへの愛。

色々なキャリアの人たちが集まり、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。本日はスタートアップ情報プラットフォームINITIALで編集者として働く町田さんにインタビューさせていただきました。

大学時代は農学部、大学院では人工軟骨の培養をされていた町田さんが新卒に選んだのは化学メーカーの研究職。しかし大学院でスタートアップに関わるインターンを経験したことから入社後すぐに現職に転職を決意されたそう。転職を決意されるまでの経緯と、編集者という仕事についてや注目すべきスタートアップなどたくさんお話を聞かせていただきました!

怪我がきっかけで大学院へ進学

ー現在編集者として働かれているINITIALについてまずは教えてください。

INITIALはユーザベースのグループ会社にあたる、スタートアップにフォーカスしたメディアとデータベース事業をおこなっています。スタートアップの創業ストーリー、事業領域の強みや特徴などの記事や、独自に保有する15,000社以上のスタートアップの企業情報を提供しています。

ー元々スタートアップに興味があったのですか?

最初にスタートアップに興味を持ち始めたきっかけは、大学院で始めたインターンです。それまではスタートアップとの接点もなく、スタートアップについて全く知りませんでしたが、スタートアップ支援施設でのインターンをきっかけに興味を持ち始めました。

ー大学は農学部、院では医療系を勉強されていたんですね。異なった分野のように感じられますが…?

そうですね。大学時代にテニス部に入っていましたが、軟骨の怪我をしてしまい引退せざるを得なくなりました。レギュラーを目指して頑張っていて3年で念願のレギュラーに選ばれていたのでショックでしたね。それがきっかけで大学院では軟骨の研究を選んだわけです。

ーそういう経緯があったんですね。軟骨の怪我はかなり深刻だったと?

初めは湿布を貼っていたら大丈夫かなくらいに思っていたんですが、実は手首の軟骨は損傷が入ってしまうと自己修復しないんですよね。病院にいくと全治には1年程かかるといわれました。握力も50から10くらいまで下がってしまい、ラケットが握れなくなってしまったので引退しました。

ーそこからどうやって切り替えたんですか?

テニスを辞めて始めは時間を持て余していました。しかし、ちょうど卒業後の進路について考えなければならない時期でもあったので、自分の進路についてゆっくり考えました。理系は大学院に進む場合が多いので、大学院に進むかも含めてこれからどういう道を歩みたいか考えましたね。

ーそして大学院への進学を決められたんですね。

はい。何がしたいかを考えている過程で、大学生活のほとんどをテニスに費やしていましたが、次は人のために全力を尽くしたいと思いました。なので大学院では、軟骨の疾患を治療するための軟骨の人工培養をテーマに扱う研究室に入りました。

インターンがきっかけでブログを400日更新!

ーそして大学院でインターンを始められたんですね。具体的にどのような業務を担当されていたんですか。

インターンでは、東京都が運営するスタートアップ向けインキュベーション施設の支援をおこないました。起業家のプレゼン用資料の作成を手伝ったり、プレゼン練習を聞いてフィードバックをしたり、情報のリサーチを手伝ったり。役に立ちそうな作業は、なんでもやっていました。

ーインターンを経験してどうでしたか?

実現したい未来や解決したい課題を持って働いている起業家の方に囲まれて過ごす中で、私もやりたいことに全力で取り組んでいきたいと思いました。またこれまでどうしても関わる人や領域の属性に偏りがあったんですが、起業家の方は本当に多様で。自分の中のステレオタイプが、いい意味でインターンでは壊されました。

ーそのインターン経験が今に影響しているんでしょうか。

インターン中に上司から、自分で情報をインプット+アウトプットするように勧められて始めたアメブロが今に大きく影響しています。スタートアップについて調べて、まとめたものをブログで400日、毎日発信していました。企業や業界動向を知ることができただけでなく、情報発信を通してできた繋がりが今の会社に転職するきっかけとなりました。

ーそのブログはまだ続けられているんですか?

Launchers」に形を変えて情報発信を続けています。現在は企業情報のまとめではなく、「企業のユーザー獲得戦略」について書いています。

化学メーカーの研究職からINITIAL編集者へ

ーその後スタートアップではなく、新卒で入社したのはなぜ化学メーカーだったのでしょうか。

大きな理由は同社がスタートアップと一緒に取り組んでいる事例があまり進んでいないと知ったからです。スタートアップの成功モデルの1つとして、大企業のリソースを生かして爆発的に成長する形があります。その取組を、大企業の内部から盛り上げていきたいと考えました。なので自身が大企業に就職し、スタートアップに積極的にアプローチする道を選択したわけです。結局、入社してすぐに転職を決めてしまいましたが…

ー入社してすぐに転職したとのことですが、それは入社前から考えられていたんですか?

実は毎日のように更新していたブログがきっかけで、弊社の社長から入社前に声をかけていただいて。しかし、入社直前にいただいたお話だったので、内定をいただいていたメーカーでまずは働いてみながら考えることにしました。結果的に20代のこのタイミングで挑戦したい道は、INITIAL(現在勤めている会社)だと考え、入社して数ヶ月でしたが転職を決めました。

短期間ではありましたが、大企業の中でスタートアップに興味を持っている人の割合や温度感、意思決定のプロセスを見れたので、メーカーに新卒入社したことに後悔はありません。

ーINITIALへの転職は何が決め手になったんでしょうか?

何をやりたいかさえ決めれば自発的に動ける自信があったので、ひたすらなぜやりたいか、何をやりたいかにフォーカスし考えていました。

決め手は、INITIALの前身であるサービスを立ち上げるタイミングで声をかけていただいた点でした。20代でゼロから事業を立ち上げる機会に関われるのは貴重です。入社したメーカーに不満はありませんでしたが、それ以上に事業の立ち上げに関わるチャンスを逃したくありませんでした。

ー実際転職して編集部で働いてみてどうですか?

自分の書きたい内容を書いていたブログは、全く違いましたね。ブログは情報をまとめてわかりやすく書くだけでしたが、編集部での仕事は、記事のストーリーや、起承転結といった流れ、読者に伝えたい内容など、今まで意識していなかった点も含めて書く必要があります。届ける相手や読んでもらうユーザーを想像しながら記事を書くのは全然違うとことを知りました。

転職して1年ちょっとになりますが、まだまだ試行錯誤中です。1つの指標としてPVといった数字はありますが、それだけでは前述したポイントがきちんとクリアしているのかなど、分からない部分も多くあります。最近は納得して書けたと思える瞬間も増えてきたので、その回数を今後もっと増やしていきたいです。

スタートアップの魅力を伝え続けたい

ー確かにメディアには数字だけでは分からないところがたくさんありますね。そんな中何か編集者として大事にしていることはありますか?

間違った情報を書かないように意識しています。いかに正確な情報を伝えるかは、記事を書く上で非常に重要です。もう1つは「PVが伸びるかどうか」を一番に考えないこと。届けたい人に届けるのを目的にして、書くようにしています。

ー編集者としてチェックしているメディアなどはあるんでしょうか?

最近だとnoteや新R25はよくチェックしています。noteはいろんな方が書かれているのでテーマや書き方も多種多様で読んでいて面白いです。noteははじめるのにかなりハードルが低いと思うので、ブログを始めるか迷っている人にはぜひみてみて欲しいです。

ーちなみに町田さんの好きな領域は技術系スタートアップとのことですが、今町田さんが注目しているスタートアップなどはありますか?

日本はやはり素材系が強いので素材を扱うスタートアップの数が多く、またその中でも大学発のスタートアップが多いのが特徴です。

個人的に注目しているのは2つあります。1つ目は東京工業大学と大手企業が設立したつばめBHB株式会社。この会社はアンモニアを作るための反応プロセスの効率化を取り組んでいます。もう1つは京都大学発のティエムファクトリ株式会社です。この会社は空気を固体化したものと言われる「エアロゲル」でガラスの代替を目指しています。

ーどちらも初めて聞きましたが面白そうですね…!最後になりますが、今後スタートアップや編集に関連してチャレンジしたいことなどがあれば教えてください!

直近の目標は正しい情報を伝えるスキルを引き続き磨き、情報発信を続けることです。スタートアップは何が強みか分かりづらい場合も少なくないので、ポイントを明確化して多くの人にスタートアップの魅力を伝えていきたいです。また、技術系の話を分かりやすく噛み砕いて発信するのにも力を入れていきたいと考えています。

将来的には、自分自身でも事業を作ってみたいです。現時点ではどのような事業をどのような形で誰とつくるかまでは考えていませんが、一歩づつ進んでいけたらなと思っています。

 

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取材:西村創一朗(Twitter
執筆:松本佳恋(ブログ/Twitter