自分と向き合う時間は朝しかない。早起きを徹底する理由

色々なキャリアの人たちが集まって、これまでのキャリアや将来への展望などを語り合うユニークキャリアラウンジ。第三回目のゲストは朝渋代表でありMorning Labo(モーニングラボ)取締役の井上皓史さんです。

「5時こーじ」の名でnoteでも発信している井上さん。その名の通り、子どもの頃から22時に寝て5時に起きるという生活を続けています。新卒で入社した会社では、遅寝遅起きカルチャーで成果が出せず、上司に朝型に変えさせてくださいと訴え、7時半に出社して20時ぐらいに帰るようにして成果を出すように。転職を重ねながら、複業として朝渋をスタート。2018年にこの朝渋を本業に。朝渋のパートナーだったMorning Labo代表の中村朝紗子さんと結婚し、会社も一緒になるという公私混同経営を始めました。

なぜ朝型なのかから、朝渋を始めるきっかけや井上さんのこれまで歩んで来たキャリアに付いてお聞きしました。

二次会には行かないキャラを徹底した大学時代

 ー子どもの頃から5時起きだったそうですが、どういったご家庭だったんですか?

銀行員だった父が毎朝6時過ぎのバスで通勤していたので、5時には母が弁当を作り始め、5時半に朝ご飯食べないといけないような家庭で育ちました。朝飯を食うか、寝るかの選択肢で、飯食うを取ってたので。毎朝5時半には家族4人で朝ご飯を食べるというのを、小さい頃から大学になるまでずっと続けていました。

 ー大学生ぐらいになると飲み会などで遅くなって、遅寝遅起きになりそうですが。

飲み会は2次会に行かないキャラで、「(途中で)帰るわ。おやすみー!」って。たまに2次会に参加すると「皓史が残るってよー」って、すごい重宝されていました。あまり人に合わせるということがありませんでしたね。

朝5時に起きて、そこからお昼ぐらいまでの7時間が、自分の中ではゴールデンタイム。だから10時頃に起きるともう絶望感というか、今日1日終わったなと。そういう何もできない日というのが続いたので、自分をブラさずに起きてましたね。 

ー新卒で当時ヤフーのグループ会社だったインディバルさんに入社されていますが、志望動機は何だったのでしょうか? 

もともと人材業界に行きたいという気持ちがありました。人と関わる仕事したいなという、ふわっとした理由なんですけが。リクルートとパーソル(当時インテリジェンス)とインディバルの3社で迷って。もともと競争が好きじゃなくて、トップになるといったモチベーションが一切なく、人と比べられるのが好きじゃなかったんで、インディバルに。新卒1人しか採用してなくて、のびのびやれる感じだったので。やってることはどの会社でもほぼ一緒だなっていうことで、一番、本質的に仕事と向き合えるというポイントで決めました。

新卒、スタートアップでも徹底した朝型

―実際入ってみて1年目はどうでした?

入社前は、ヤフーのグループ会社で安定してるだろうし、マーケティング・営業・人事とローテーションみたいな感じでいろんな部署を試せると聞いて入社を決めていたのに、ヤフーから外れることが決定して実際に入社した時は営業からスタートで。OB訪問で会って憧れていた先輩のほとんどがヤフーに戻るか辞めるみたいな感じで、正直、動揺しました。

ーなるほど。しかも生活スタイルが遅寝遅起きで。

とてもしんどかったです。生活スタイルも自分と合わない、部署も選べない。とはいえ、今の環境で頑張ろうと、マインドを変えました。組織のなかで、いったん一番になりたい。というふわっとした目標はありました。皆先輩でしたが、先輩の業績を一回でも超えてみたい。そう思いました。そして一度だけ運もあって抜かすことができたので、次のステージに行こうと転職を決めました。

 ー自分の中での目標達成したと。次に、TECH::CAMP(テックキャンプ)を運営されている株式会社divさんにしたのはなぜ?

もともと大学3年からインターンをしてて、現在はYouTubeで有名な真子社長が可愛がってくれてて。ちょうど企業研修や人材紹介を始めるタイミングで、社員がエンジニアしかいなかったので、営業を1人募集してて、僕を誘ってくれたのがきっかけです。前職に入社して3カ月目くらいから誘いは受けていたんですが、気持ちよく送り出してくれてきたインターン時のメンバーに、「会社が辛い」というのも良くないと思って「楽しくやってるので、ちょっと待ってください」と伝えていました。そして、前職での目標が達成したので、新卒1年目の2月に転職、その時社員は10名もいませんでしたね。

自分としても、こんなに早く転職すると思っていなかったんですけど、タイミングとご縁が重なって、決めました。

ーそこでは最初から朝型生活ができたんですか?

そうですね。もともと入る時に社長に「皓史、早起きなんだろう」と言われて、「好きにやってくれ。成果出せばいい」ってことだったので。当時のdivはは12時に来て深夜3時に帰るみたいな、ザ・スタートアップ。みんな渋谷界隈に住んでて歩いて帰れるから、終電という概念がありませんでした。でも僕は朝8時前に出社して、大学の時みたいに、みんなに「おやすみ」って言われながら帰るような生活を送っていました。

ある時、社長に「早起きよさそうだな。俺も頑張ってみるわ」って言われて、朝7時にスタバ集合をやるように。当時メンバーが15人ぐらいいたんですけど、社長が「3ヶ月やって分かったけど、皓史がやってるようにやっぱ朝は良いぞ」ということで、定時が9時になって、朝型が会社に根付いていきました。

人生の転機となる朝渋のスタート

ー転職して半年ぐらいのタイミングで朝渋を始めるわけですけど、どんなきっかけだったんでしょうか?

この「U-29.com」を運営している複業家の西村さんと一緒に仕事をする機会があって、メッセンジャーのやりとりで西村さんが23時ぐらいにメッセしてくるんですけど、僕は当然もう寝てるので翌朝5時過ぎに返してたら「朝まで働いてんですか?divさんってすごいブラックですね」って言われて(笑)。僕が朝型だって話したら、西村さんがこれから独立するので生活リズム整えるために早起きやってみたいってことで。 僕も教える立場ではないですけど、サポートぐらいならできますって感じで「起きたら報告してください」とか「一週間ごとに連絡ください」みたいな感じで、1カ月ちょっとやってたんですよね。

 ー早起きコーチングですね。

そうですね。プチ早起きコーチング。そうしたら、西村さんが1カ月で5時起き生活に慣れて、その時「これはすごい発明だ。(当時)27年間、生きててすごい衝撃だったからこれはもっと広めた方がいいよ」っていうことを言ってくださって。僕としては社会人2年目でまだスタートアップの営業しかやってないので、人前で喋るとか誰かを巻き込むみたいなのはちょっといいですって断ったんですけど、「いや、やろう」って。

人前に出るのは西村さんで、裏の管理やコンテンツ開発を僕がやるということで、2人で立ち上げたのが3年前の9月。

ーそこからもう1回転職して、結婚された中村朝紗子さんとの出会いもあって「公私混同経営」となりますが、それまでの経緯は?

当時、divでとてもやりがいのある仕事をしていました。研修部隊の立ち上げ、人材紹介事業の立ち上げ。0→1の楽しさを学びました。ただ仕事をしていくにつれ、経営レイヤーで物事を考えたい。という思いが強くなりました。そんなタイミングで株式会社トピカっていう、今「GOHAN」っていう男性向け料理メディアをしているスタートアップがあるんですけど、その代表からナンバー2で入ってくれないかっていう話があり、これもご縁だと思って。数字(経営)を見たり、会社をどうグロースさせていったりというところに挑戦したくて、転職しました。

朝渋パートナーと公私混同経営へ

ー中村朝紗子さんとの出会いは?

もともと西村さんと朝渋を始めて1年ぐらい、うまく朝渋がグロースしなかった時ですね。コミュニティが20〜 30人はいたんですけど、ほぼ男性だけだったんで、グロースさせていくには女性の力も必要だということで、運営メンバーに女性入れようってことで。その時、朝活をしている女子を発見し、西村さんがTwitterで誘ったんですよね。

―「朝紗子」って名前に朝入ってるし、Morning Laboの代表だし、これはもうこの人しかいないと。

そうですね。それが出会いですね。運営メンバーが3人でしたが、西村さんは3人の子供がいて、ミーティングに参加できないことが続いて、2人で打ち合わせしましょうってところから仲良くなって付き合うことになりました 。妻は自分に「朝渋はあなたの使命だから、どんなことがあっても続けるべきだし、応援する!」と毎日のように言ってくれました。

しばらく西村さんが体調を崩して、基本2人体制でやってたんですが、朝渋が伸びてきた時に彼女から「朝渋で独立した方がいい」って言われて。僕は、人生的にナンバー2ポジションなんで、あまり自分で独立って興味なかったんですが、彼女の起業家としての想いや働き方をみていて、考えが変わりました。株式会社MorninglaboのNO.2として彼女を支えたいと。2人で会社経営をしていくということは「結婚」も一つ重要な決断でしたので、このタイミングで覚悟を決めて、提案しました。

 ―提案書もっていったんですよね。

そう。A4、2枚のWord で作って、事業提案書のごとく。それで OK もらいました。夫婦経営ですね。不安も多い中でスタートしましたが、毎日がエキサイティングです。今年4月から新卒が入社し、3人で会社を経営しています。

―素晴らしいですね。最後にメッセージがあればお願いします 。

早起きしたいって人に、早起きして何したいですかっていつも聞くんですけど。「いや、ただ早起きしたくて」って人は特に早起きできずに終わります。「なぜ」がないから。例えば、再来月に TOEIC があるのでその勉強時間にあてたりとか、早起きプラス何か習慣にしたいっていうのがあったほうがいいと思っています。

あとは 特に20代の方に話す時に、時間がないっていう人が多いです。余暇の時間 Netflix とかSNSとか見たいし、どっか遊びに行きたいし、時間ないですよね。そこで、時間がない中の打開策として、自分と向き合う時間は朝しかないなと思ってます。やっぱり自分と向き合う時間をどう作るのかっていうのが大事。自分の意見が出たり、自分の直感を信じられたりすると思うので。まずは 日記書くとかでもいいですけども。誰かと繋がってる時間でなくて、自分と対話する時間を朝作るのがすごくいいんじゃないかなと思います。

それができるのが朝渋だと思っていて。朝渋は月に4回イベントやってます。朝早く起きてその場に行って外部の人からの言葉のシャワーを浴びて、それで自分の中に取り込むというのはめちゃくちゃ良い習慣だと思うので、ぜひ、毎回来いとは言わないですけど、2カ月に1回ぐらいは何かプロテイン飲むみたいなイメージで来てもらえたらなと思います!

ーありがとうございました。

早起きの秘訣は前夜の過ごし方

Q.  朝渋を立ち上げて、くじけずに頑張れたのは何が支えになったのでしょうか?

社会人2年目で、5階級ぐらい上の人と話す機会が月に2回あるんですが、営業のことしか知らなかった自分がいろいろ外部から話を聞いて、それをすぐに実践できたりとか、自分のためになることが多かったから続けられたのだと思います。イベントに登壇してもらえるようにアプローチしたら、出てくれて、しかもスーパースターと思ってたけど案外人間だなとか、こんな苦労してたんだとか、自分が一番学んでるなと。だから続けられたのかもしれません。

Q 朝どうしても起きられません。どうしたら毎日同じ時間に起きられるのでしょうか。

今日もそうですけど朝に予定があると起きざるを得ないじゃないですか。僕今日とか奇跡的に朝空いてますけど、基本28日くらい朝埋まってます。朝7時から基本アポ入ってるんで。(笑)

毎日、朝7時から仕事をスタートして、18時ぐらいには必ず帰るようにしてます。労働時間でいったら、まあまあ働いてるんですね。そこからご飯作って寝るみたいな感じのリズムです。あと、夜の飲み会の付き合い方もすごい大事。基本、飲み会は断る。夜の飲み会テクニックはいろいろあるんですけど、二次会は必ず行かないとか、4人以上の飲み会行かないとか、20時以降の飲み会行かないとか、自分が幹事をやって、3時間飲み放題のコース絶対つけないとか、18時スタートにするとか。僕は近所での飲み会しか行かないって決めてて、それ以外の飲み会は断っています。相談あるから飲みに行こうよって言われた時は、朝どうですかって返します。そうやって飲み会を減らしていくと、早起きも難しくなくなる。早く起きるよりも早く寝ることが基礎ベースの話ですね。

とはいえ飲み会も好きなので行っちゃう時もあるんですよ。そういうときは24時までに寝るっていう「シンデレラルール」っていう恥ずかしい名前のがあります。月に1回までは OK してるんですね。そうすると今日はシンデレラだからいっかみたいな感じで。シンデレラを使う日は朝7時に起きる。7時間は寝る時間を確保しています。だからシンデレラ飲み会めっちゃ楽しみにしてます。

Q  これまで良いパートナーの方と繋がれた要素はなんだと思いますか?

選り好みせずにいったんは行動してみる。自分は直感を信じるタイプで、直感とタイミングとご縁をすごく大事にしています。だからその倍以上に失敗があるというか。直感を信じて失敗したことも沢山あります。

意識していることは「打算的ギブ」ですね。「モチベーション革命」を書いた尾原さんに学んだことです。これも朝渋の運営をしていたからこそ尾原さんともディスカッションができましたし、とても毎回のイベントを楽しみにしています。